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【お金の教育】子どもに「投資経験」を。 「経済」のしくみを学べる参加型プロジェクトやゲーム、アプリを紹介します。

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【お金の教育】子どもに「投資経験」を。 「経済」のしくみを学べる参加型プロジェクトやゲーム、アプリを紹介します。

子どもの前や人前ではタブー視されてきたお金の話。

しかしキャッシュレス化が進み日本の経済事情も少しずつ変わりつつある現在、大人はもちろん、これからを生きる子どもたちにも「お金の教育」は必要と言われています。

今回は子どもたちが投資を体験しながら、経済のしくみを知ることができる取り組みについてご紹介します。

子どもが投資を実際に体験するプロジェクト

一般社団法人村上財団の創設者である村上世彰氏が進めている、今注目の「子どもの投資教育・実体験プロジェクト」。

子どもの投資教育・実体験プロジェクト

≪画像元:子どもの投資教育・実体験プロジェクト

「お金をただ貯めこむのではなく、正しくお金を使う=お金を循環させることで、経済も成長を続け、しなやかで元気な社会を作ることができる。そのためには子どものころからお金について学び、触れ合い、お金と仲良くなることが大切。子どものころに実際に投資を体験することは、失敗しても成功しても子どもとお金の距離をぐっと縮め、お金について真剣に考えるまたとない機会になる」という考えに基づき、村上が子どもたちに対して資金的な支援をさせていただき、10万円程度の手元資金でリスクのない投資体験を提供するプロジェクトです。「子どもの投資教育・実体験プロジェクト」

 
村上氏が一人10万円程度の支援を行い、実際に子どもたちに投資を体験してもらおうという取り組みです。

対象は中学生と高校生

投資体験期間終了後、利益が出た場合は元手を、損失を出しても残高がある場合にはその金額を財団に寄付することで、また次のチャレンジャーへと繋げていく仕組みとなっています。

非常に注目されているプロジェクトですが、このほかにも投資から経済の仕組みを学ぼうとする取り組みが行われています。

ここではその一部をご紹介していきます。

日本証券業協会の「株式学習ゲーム」

日本証券業協会の「株式学習ゲーム」

≪画像元:株式学習ゲーム

3~4人のチームに分かれた生徒たちが、仮想所持金1,000万円をもとに、東京証券取引所に上場している銘柄について、どの銘柄を売買するのか議論しながら、実際の株価(終値)に基づいて模擬売買を行うシミュレーション教材です。

この教材は株式投資のテクニックを学ぶことではなく、株式の模擬売買を通じて株価変動の背景となっている現実の経済・社会の動きに生徒達の目を向けさせることを目的としています。

取引前の準備

チーム編成
基本は1チーム3~4名ですが、人数の関係上やむを得ない場合は1~2名でも可能です。

参加期間の設定
取引の開始日と最終日を設定します。株価の動きを見るためには、最低4週間以上の期間が必要で、参加校の平均期間は13週間となっています。売買頻度はほとんどの学校が週に1回程度の設定にしていますが、隔週でも可能で自由に設定できます。

コースの設定
売買代金のみを計算するAコース(中学生向け)と、実際の売買と同様に証券会社に支払う売買委託手数料や各種税金を計算に入れるBコース(高等学校向け)があります。
※チームごとに異なるコースを選択できません。

丁寧に作られた教材

使用される教材には以下のようなものが含まれています。

ガイドブック

 株式や株式会社の仕組み、株価の変動要因、情報の集め方、取引のルール、売買コストなどの計算方法、注文の出し方や進め方などが分かりやすく解説されています。

売買対象企業一覧表

 東京証券取引所市場第一部銘柄から抜き出した300社の企業内容や最近の業績、株価動向などの重要な情報をコンパクトにまとめた「会社四季報」の直近版の抜き刷りです。

期待される効果

3~4人でチームを組み各自が情報を集めながら、どの会社の株式を売買するのかをディスカッションで決定していくため、「なぜ選んだのか」という合理的な理由が求められます。

これにより「意思決定」や「ディベート」の訓練が必然的に行われます。

企業の情報の集め方を学ぶことにより企業への見方や理解が養われ、将来の進路決定の際にも役立ちます。

模擬売買であるものの実際の株式投資と同じ結果が出ることから、株式投資の難しさやリスクを学ぶ機会となり、将来自己の財産を管理していく上で大切な経験です。

中学生~大学生が参加できる株式学習コンテスト「日経STOCKリーグ」

日経STOCKリーグ

≪画像元:日経STOCKリーグ≫

「日経STOCKリーグ」は、日本経済新聞社主催・野村ホールディングス協賛の学校教育の場における投資学習のツールとして企画されたコンテスト形式の株式投資学習プログラムです。

バーチャル株式投資システム上で、各チームに500万円分の仮想株式投資資金が与えられます。

このシステムをポートフォリオ構築の一助として活用し、値動きなどを観察。

変化が生じた理由などをチームで議論しながら、レポートを作成していく取り組みです。

「どれだけ投資資金を増やせたか」ではなく、株式の長期保有と分散投資への理解度、ポートフォリオの設定、レポートの表現力や文章力、学習に対する意気込みなどが重要視されます。

参加資格とチーム編成

参加資格:国内・海外在住の中学生、高校生、大学生(短期大学生、専門学校、各種学校生含む)
     1チーム3~5名とし、同じ学校同じ部門単位での申し込みとなる
     同学校・部門内であればクラス、クラブ、ゼミなどチーム編成は自由
※指導教諭(教官)が必要、いない場合は保護者が担当することも可

無料で提供される教材

学習ガイドブック

「レポートフォーマット」をベースに学習を進めていく際の参考資料として、経済・株式投資に関する基礎知識と、投資テーマの選定からレポート作成に至るまでの学習ポイントをまとめたもの。

野村ホールディングス提供 学習テキストブック「STOCK FANTASY」

経済、金融、株式などの仕組みや構造を分かりやすく説明したオリジナルテキスト。

日本経済新聞パーフェクトガイド

日本経済新聞の株式面などの読み方を分かりやすく説明した小冊子。

このほかにも希望者のみ無料で利用できる日本経済新聞電子版や、担当教諭(教官)宛に日本経済新聞が毎日宅配されます。

期待される効果

「株式を買うとそのお金はどこに流れていくのか」
「企業はどうして株式を発行するのか」

⇒ 余剰資金を持つ者から資金を必要とする者への融通により、資金の有効活用を図る仕組みについて学ぶことができる。

「どんな企業の株式を買うか」

⇒ 社会には様々な種類の産業があることを学び、互いに関連を持ちながら経済・社会生活を支えていることを学ぶことができる。企業の業績を知るために決算書類の仕組みと基本的な読み方も学べる。

「株価の動向を予測する」

⇒ 景気の善し悪し、政府が景気に対して果たす役割などについて学ぶ。

「インターネットによるバーチャル株式投資の体験学習」

⇒ 情報技術の利用法、株価や企業の業績に関する情報を得るためのネット活用方法を学ぶ。

「業績・株価の推移や増減率の分析」

⇒ 基本的な算数・数学の知識の復習、表計算ソフトの活用を学ぶきっかけにもなる。

表彰内容

最優秀賞(1チーム)

チームメンバー全員を海外研修旅行に招待

部門優秀賞(中学・高校・大学部門より各1チーム、計3チーム)

中学部門:ユニバーサルスタジオジャパンまたは東京ディズニーリゾートにチームメンバー全員を招待(1泊2日)
高校部門:賞金20万円
大学部門:賞金20万円

敢闘賞(中学・高校・大学部門より数チーム)

中学部門:図書カード5万円
高校部門:賞金5万円
大学部門:賞金5万円

このほかにアイデア賞、参加回数が3回以内のチームが対象のルーキー賞などがあります。

手軽にできる投資練習用アプリ

株式投資の練習を手軽に行えるアプリも登場しています。

あすかぶ

あすかぶ

≪画像元:あすかぶ≫

注目の銘柄の株価予想や、気になる企業の業績や株価の動きなども網羅したアプリ。

入門編から実践編までレベルに応じた内容を学ぶことができる。

トレタビ

トレタビ

≪画像元:トレタビ

バーチャル株式投資ゲーム。

1,000万円のバーチャルマネーで、実際に上場している企業の株の注文ができる。

株式運用ゲーム 株マップ.com

株式運用ゲーム 株マップ.com

≪画像元:株マップ.com

最初の仮想所持資産は1億円、6カ月の運用期間で成果を競うランキング方式のゲーム。

子どもだけでやるのは難しいかもしれませんが、大人と一緒にチャレンジすることで投資に対する興味がわくきっかけになるのではないでしょうか。

また普段あまりしない「お金の話」とも向き合いやすくなる時間が作れそうです。

「投資」を知ることが「経済」を理解する近道に

「投資」を知ることが「経済」を理解する近道に

「大事なこと」と分かっていながら、なかなか子どもと向き合ってゆっくり話す機会がないお金の話。

特に投資となるとリスクが大きいというイメージがあり、ハードルの高いものと思い込んでしまいがちです。

しかし本当は投資を知ることが、経済循環の仕組みを知る一番の近道なのかもしれません。

クレジットカードや電子マネーを利用した決済が進み、日本もキャッシュレス社会へと変わりつつあります。

これからを生きる子どもたちにとって、経済の仕組みを学ぶことは必要不可欠。

学校でも家庭でも積極的に話ができる環境や機会を作ることが重要になってくるでしょう。(執筆者:藤 なつき)

《藤 なつき》
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藤 なつき

執筆者:FP2級 藤 なつき 藤 なつき

保険・マネー・健康・医療・福祉・教育・伝統工芸・伝統行事等、幅広い分野の記事を執筆。お仕事をさせて頂きながら、自分自身もたくさんの発見と新しい知識を身に付けさせてもらっていると感じる毎日。2013年FP2級取得。東京育ち、福岡在住。 寄稿者にメッセージを送る

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