今や中国で浸透している信用システムを利用したさまざまなサービス。
信用スコアが高いとデポジットの無料などサービス特典があるので、スコアを上がるための情報が出回るほどです。
目次
アリペイ利用でたまる芝麻信用スコア
中国で一番ポピュラーな信用システムは、アリババ系列の芝麻信用です。
モバイル決済サービスのアリペイ(支付宝)の利用情報を基に、利用者各個人の信用スコアが決められます。
アリペイ決済は、QRコードを利用して簡単に支払いができますし、スマホ上ですべての決済が可能なので、とても便利です。
一見ハードルが高そうですが、外国人でも中国で銀行口座を開設さえできれば、たいてい利用できます。
便利ですが、中国人とまったく同じようにすべてのサービスは利用できません。
外国人のぶち当たる「壁」
例えば、資産運用ができるMMFの「ユエバオ(余額宝)」。
アリペイアプリで簡単に利用でき、アリペイにチャージされている余剰資金を年利4%以上で気軽に運用できます。
最小投資額は1元からで、いつでも引きおろしができるという利便性にも優れたサービス。
投資初心者や低所得者も利用できるお得なサービスですが、残念ながら今現在(2019年1月)外国籍の人は、ユエバオを利用できません。
信用システムのメリットとデメリット
アリペイ決済を利用すると、その行動すべてが信用スコアの対象になります。
メリットの1つは、ある一定の信用スコアがあるとデポジットが無料でさまざまな物品が借りられることです。
例えば、「兔巴租机」というサービスと連携すると新型iPhoneXを1日1元から借りられます。
シェアサイクルのデポジットも無料。
アリペイアプリを通して複数社のシェアサイクル会社の自転車を利用できます。
デメリットは、アリペイと連携したサービスの利用状況によって、「すべての行動が第三者に把握されている」ということです。
・ 近所のパン屋で何月何日にアリペイ決済購入
・ シェアサイクル利用でどこからどこまで移動
・ 地下鉄でどこに移動
など、1日の行動を調べれば第三者が把握することも可能です。
生活の一部が監視されていると言えます。
アリペイは、外国人でもわりと簡単に利用できるので、多くの人が利用しています。
こういして、図らずとも外国人も中国のその信用システムに組み込まれているのです。(執筆者:桜井 まき)