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解説
居住用の3000万円控除と住宅ローン控除は、基本的にはどちらか一方しか適用を受けら れません
1. 居住用の3000万円控除
個人が居住していた自宅を売却して譲渡益が生じた場合、所有期間に関係なく譲渡益から3000万円控除できます。
通常、この適用を受けると譲渡所得税はほとんどかからなくなります。
2. 住宅ローン控除

個人が金融機関から融資を受けて自宅を購入した場合、借入残高の1%相当額(最大40~50万)を10年間、所得税額等から控除できます。(適用年によって変わります)
3. 上記制度の併用について
住宅ローン控除を適用する年(=新居に居住する年)とその前後2年間は居住用の3000万円控除の適用をうけることはできません。
そのため、居住用の3000万円控除の適用をうけるのが有利か、住宅ローン控除の適用を受ける方が有利かをシミュレーションし、有利な方を適用すべきです。
4. 有利不利の判定で注意すべき点
(1) 売却する自宅の所有期間は? → 売却益に対する税率が異なります。
(2) 住宅ローンをいくら借り、どのように返済するのか? → 毎年の減税額が異なります。
(3) 住宅ローン控除を受けて減税するにしても、そもそも本人の所得税はいくらか → 場合に よっては控除しきれない場合もあります。
要するに

居住用の3000万円控除と住宅ローン減税の併用はできません。
それぞれどちらの適用を受けたほうがいいか、居住期間や現在の収入や将来の働き方などを総合的に判断して、慎重に判断する必要があります。
今回、確定申告をする場合はご留意ください。(執筆者:小嶋 大志)