子どもにかける教育費が家計に占める割合は、年々大きくなっています。
特に、習い事、部活、塾・予備校の費用は家計に及ぼす影響も大きいです。
今回はそれらの学外活動でかかる費用について、先輩ママの立場からお話しします。

目次
その習い事、本当に子どもがやりたいこと?
多くのご家庭では、子どもが生まれて最初にかかる教育費は習い事です。
また、子どもの年齢が上がるにつれ、習い事を増やす家庭も多いでしょう。
しかし、その習い事は本当に子どもがやりたいことでしょうか?
結果的に月謝が無駄になった経験はないでしょうか?
先日筆者はSNS上で、現役ママさん向けに
とお尋ねしました。
すると40人から「ある」という回答がありました。
また、筆者と同じく子育てが終わったママに同じ質問をしてみたところ、やはり「あった」という声が多数でした。
その一例として、2人のママ友と筆者自身の経験談をご紹介します。
小学校の勉強でつまずかないよう、園児の頃から公文教室に通わせましたが、毎回配られる宿題のプリントがやらないままたまっていくばかりでした。
月謝の合計:1万2,000円(2科目分)×4年で57万6,000円
お習字に通わせていましたが、ある日先生から「お子さんがここ数か月お休みしています」と電話が。習字に行くと言っては友達と遊びにでかけていました。
月謝の合計:6,000円×3年で21万6,000円
子どもにピアノを習わせたところ、先生から「才能ありますよ」と言われました。
しかし子どもは大の練習嫌い。期待ほどには上達せず、長く迷った末に辞めさせました。
月謝の合計:7,000円×6年で50万4000円
どのケースも、月謝の合計はかなりの額に上ります。

その全額が無駄だとは言いませんが、
が、3者共通の後悔です。
そこで、現役ママにお伝えしたいことがあります。
親は子どもを思って習い事をさせますが、子どもがその習い事に興味があるとは限りません。
親がそのことに気づいたら、早い段階でその習い事から手を引く勇気も必要です。
それが、将来必要な進学費用を確保しながら、健全な家計を保つための必要条件となることは間違いありません。
学校の部活も結構お金がかかる
中学校や高校で入る部活も、意外とお金がかかります。
学校の方針や部活によって費用は違いますが、ジャンル別にどのようなものにお金がかかるかの例を見ていきましょう。
具体的な金額については、我が家の例を出します。
運動部

初期費用:ユニフォーム、シューズ、ボール、武道の胴着や武具など
我が家の場合は約10万円かかりました。
部費:数百円~数千円
学校や部活によります。
その他:ユニフォーム等の買い替え代、合宿代、遠征などの交通費・コーチへの謝礼や食事代など
合宿代が3万~5万円、交通費は片道数千円単位+宿泊代がかかる場合もあり、最低でも10万円は下りません。
文化部

初期費用:道具代、楽器代など
音楽系の部活では、自分で楽器を購入すると数万円~100万円ほどかかりますが、学校のものを使える場合、マウスピースや弦などの消耗品や、メンテナンス用品等の費用数千円~数万円の出費のみです。
部費:運動部と同じ
その他:合宿代、遠征などの交通費、チケット代(定期演奏会では1人〇枚の販売ノルマがあり、その金額は数千円です)、コンクール参加費用、展覧会会場レンタル費用、外部指導者への謝礼などは、数千円~数万円程度でした。
さらに、親のお茶当番や試合の付き添い等でかかる費用や手間(休日がつぶれます)、親同士の懇親会費用もかかります。
幸い我が家はその点では負担ゼロでしたが、そのような部活に入れる場合は家計や自分の心身に与える影響も考慮する必要があります。
学校側でもそのことを承知しており、新入生向けに部活費用についてのパンフレットを配布しています。
それを見てよく検討の上、家計の状況によっては子どもの希望に沿えないことを伝える必要もあります。
塾代・大学進学予備校費用は家計を大きく圧迫する
塾代や大学進学予備校の費用は、家計を最も大きく圧迫します。
筆者の住んでいる地域にある河合塾の受講料を調べたところ、「河合塾高校グリーンコース」の受講料は、通常授業1講座約1万7,000円。
現在募集中の春期講座で1講座1万3,500~1万7,300円です。
通常は最低でも2~3講座受講することになるので、毎月5万1,000円、平均的な受講数4~5講座だと月8万円ぐらいになります。
我が家はもう少し安い地元予備校に行かせましたが、月6万~7万円払っていたので毎月家計がカツカツでした。
子どもは「できるだけ多くの講座を受講したい」と言うでしょう。
しかし、そのために主目的である大学費用がねん出できなければ本末転倒です。
家計の状況を含めて子どもとよく話し合い、本当に必要な講座に絞り、子どもを説得することをおすすめします。
他の支出とのバランスをよく見て
子どもの学費以外の教育費は、意外と家計に響きます。
しかし学費と違って自分で選ぶことができ、費用を最小限に抑えることも可能です。
教育費を聖域ではなく食費などと同様に考え、他の支出とのバランスを見ながら上手に家計をやりくりしましょう。(執筆者:大岩 楓)