離婚に、よいイメージを持っている人はほとんどいないのかもしれません。
確かに親兄弟には心配をかけ、子どもには寂しい、悲しい思いをさせるのですから、おすすめできることではありません。
しかし、経験者である筆者は、この体験から得たプラスのものも多いと感じています。
なかでも最も大きな成果を実感しているのは、お金にまつわることです。
離婚から学んだお金にまつわる5つのことをお伝えします。

目次
1. 経済感覚が研ぎ澄まされた
離婚後の1番切実な変化といえば、家計の収入源が自分だけになることです。
気を付けないと、俗にいう母子家庭の貧困ひいては貧困の連鎖などという絶対に避けたい状態になりますから、家計のやりくりは必死にならざるをえません。
どうやって子どもにご飯を食べさせ、望む教育を受けさせるのか、我が子の将来も重圧となって圧し掛かります。
始終お金のことを考えるのは、どうしても気がめいり、追い詰められた気分にさえなります。
しかしある時、
という記述をみつけてから、考えは変わりました。
「できない訳がない」と思考を一転、今まで当たり前だと思っていたことこそ、見直していきました。
今の世の中、節約する方法は安いものを購入するだけではありません。
たとえ、ひとつひとつの単価が低くても塵も積もれば、使えるお金にかわります。

そして、次のような方法を組み合わせることによって、「ちりつも」の成果が出ることに気づきました。
→ 数字として可視化することは、不安を軽減するために大変有効です。
→ 使いやすくわかりやすい、貯まる家計簿を目標に現在も見直し続けています。
・ 購入場所を厳選していく。
→ ドラッグストアはスーパーより安い食品や雑貨があることや営業時間が長いという利便性から、利用価値は大です。
→ これまでは高いからと敬遠していた近場のスーパーでも、交通費が安く済むことや時短になるという点もあるためのぞいてみるべきです。
長く続いているお店は、メリットを実感する消費者が一定数存在するということですから、買い時を見極めれば、お得が見つかることがままあります。
・ 支払い方法を見直していく。
→ 昨年より話題のpaypayなどキャッシュレス戦国時代となった今、使用金額を厳守すれば、大きな還元を期待できます。
・ アプリを活用する。
→ 店舗独自のアプリで、お値打ちなクーポンが度々配信されます 。
2. 情報は大きな味方になる
ネット社会の昨今は、スマホをのぞくだけで溢れるほどに情報が出てきます。
けれども、ただネットサーフィンをしているだけでは、何の得にもなりません。
使い方ひとつで経済的な不安から逃れることができるので、うまく使いこなさなければ勿体ないことこの上ないです。
例えば、毎月支払わなければならない固定費。
中でも大きな金額を占める住宅費は、適正でしょうか。
賃貸住宅の場合、同じアパートやマンションでも契約締結時期によって家賃が異なることがあります。
しかしながら、他人の家の家賃なんて聞くわけにもいきません。
そこでネット検索です。
空室が出ていれば、住所を入力するだけで不動産会社のホームページから家賃を確認できます。
また、
とはよく聞くセリフですが、使用中の携帯キャリアは本当に納得できる金額でしょうか。
昨年、菅官房長官が「4割程度下げる余地はある」と発言したことを受けたからなのか、ドコモは6月から新料金プランの提供を開始します。
この新料金プランのシミュレーションはホームページから簡単にできます。
4割引きにはならなくても、今より安くなる可能性があります。

情報は、常に更新されていきます。
自分の目で確かめなければ、お得は実感できません。
他人任せやほったらかしにせずアンテナを張り巡らせて、疑問に思ったらどんどん調べていくことで暮らしは変わっていきます。
3. 将来の不安を解消するには数値目標を明確にする
年をとってからの先々の不安は、たとえ夫婦でいても少なからずあるでしょう。
それがシングルともなれば、尚の事です。
だからこそ、
・いくら収入があり
・貯金の目標額はいくら
・年金をどれくらい受給できそうか
などを調べに調べます。
年齢や金額など数値として明確に目標を掲げておけば、必要以上に不安になることはありません。
暮らし方は自分次第でプチぜいたくにも節約モードにも調節可能ですから、なおさら気がラクになります。
4. 子どもへの影響は決して悪いものだけではない
子育てをしていく中で、シングルマザーにとって最も重要な問題のひとつは、子どもの進路のことでしょう。
母1人の経済力で進学させていくのが非常にきついということは、子どもの方も十分に理解しています。
だからこそ、その経済感覚はシビアで、普段から本当に必要な物を厳選しています。
その子どもが、進学したいと宣言してからは、親の負担が少しでも減るようにとバイトに励み、学校にはお弁当を持参し、給付型の奨学金をもらえるよう努力を重ねました。

両親がそろっていたら、そんな苦労はしなくてよいのかもしれません。
しかし、こうして培った「暮らしに必要な物だけを吟味していく生活感覚」は、彼らが独り立ちした時に「自分が稼いだお金をより実りのあるものにする」ために大いに役立つのではないでしょうか。
また我が家では、一般的には学生のうちにはあまり話さないような経済的なこと、親戚との付き合い方、実家のお墓や仏壇との関わり合い方まで、いろいろな話をしてきました。
子どもは良くも悪くも家庭環境を理解し、お金の大切さ、怖さを感じ、我が家を応援し続けてくれた周りの人たちへ自然に感謝するようになりました。
5. めげない
使う金額の多少にかかわらず、お金は私たちの生活を大きく変えます。
シングルマザーが支える暮らしは、確かにしんどいです。
でもちょっと視点を変えて周りを見渡してみると、お金をもっと有効に使う手段が見えてきます。
くじけてもめげない、それが1番大切なことです。(執筆者:吉田 りょう)