ネットワークビジネスとは、「口コミで商品を販売する商売」です。
商品を購入した人自らが販売員となり、その販売者から商品を買った人がまた販売員となる形で、ピラミッド形の販売組織を形成します。
ネットワークビジネスは特商法33条に定められた「連鎖販売取引」であり、違法ではありません。
しかし、ピラミッドの上に行くほど利益が上がるため、強引な商品販売や販売員への勧誘を行う人もいます。
そのことから、ネットワークビジネスは大きな社会問題となっています。
今回は、そのネットワークビジネスについて解説します。
勧誘されやすい人や勧誘方法、筆者の経験にもとづく勧誘の断り方もお伝えします。

目次
ネットワークビジネスに勧誘されやすい人
筆者は複数回ネットワークビジネス(販売員)に勧誘されたことがあります。
その際に勧誘者全員が「販売員に向いている人」と言ったタイプをご紹介します。
1. まじめで責任感が強い人
まじめな人は誰からも信用されます。
そのような人が販売すると商品を買ってもらいやすく、販売員への勧誘トークにも耳を傾けてもらえる確率が高いそうです。
また、責任感の強さから販売ノルマを達成するための努力を怠りません。
その結果、高い利益にもつながりやすいです。
2. 品質へのこだわりが強い人
意外かもしれませんが、ネットワークビジネスで販売されている商品には良質で長く使える製品がそろっています。
筆者も20年前、販売員のママ友に頼まれて調理器具を買ったことがありますが、今も問題なく使えています。
質にこだわる人はネットワークビジネス製品のコアなファンになりやすく、自らが商品の良さを人に伝えたいという熱意から販売員になる場合も多いそうです。
3. 環境問題に関心がある人
環境問題に強い関心を持ち、できるだけ体に優しいものを使用したい人も歓迎される人材です。
特に、子育てに熱心で子ども思いのママには、ネットワークビジネスの販売員が結構います。
ネットワークビジネスの商品は、その多くが環境に配慮されています。
特に、食品や洗剤は天然由来、体にも優しいことをセールスポイントとしています。
そのような商品に傾倒した人がすすんで販売員となり、近所の主婦を招いたパーティーを開いたり、販売員への勧誘を熱心に行ったりします。
4. 素直な人
おとなしそうに見える人も、ネットワークビジネスにはまりやすい素質を持っていると判断されます。
素直に商品のよさを受け入れ、多くの人にその商品を知ってもらえるよう努力するからだそうです。
筆者はこちらに当てはまったようです。
勧誘をけんもほろろに断った時、「もっと素直な人かと思っていた」と言われました
以上のタイプに当てはまる人はネットワークビジネスのしつこい勧誘に遭う確率が高いです。
販売員らしき人には近寄らないことをおすすめします。

ネットワークビジネスの勧誘方法
通常、ネットワークビジネスは身近な人を勧誘します。
筆者の場合は仲の良いママ友から勧誘されました。
その勧誘方法については筆者の経験をもとに説明します。
1. ホームパーティーやランチに誘う
販売員ママがホームパーティーやランチ会を企画。
仲がいいママ友を誘います。
この時点でネットワークビジネスだと気づく人はあまりいません。
2. 商品のPRや販売を行う
販売員ママが商品のPRを行い、聞く人の購買意欲をそそります。
・ 環境や体にやさしい材料だから安心
・ 高くても品質がいいから長く使えてかえってお得
・ 〇〇(サプリ、食品の名前)は病院の薬よりも効く
冷静に考えれば怪しげな内容ですが、親しい人の言葉だと意外とそうは聞こえないものです。
また、怪しいと気づいても他の人が熱心に耳を傾けている以上、自分だけ退席するのははばかられます。
その結果、ほぼ全員が商品を買うことになります。
3. 個別にママ友を誘う
後日、販売員ママがターゲットに定めた人に個別にお誘いをかけます。
多くの場合、今後の子どもの友達関係を思うと断りきれず、お誘いに応じてしまいがちです。
そうなると相手の思うつぼですので、できるだけこの段階で断りましょう。
4. ターゲットにネットワークビジネスの勧誘を行う
筆者が1度陥ったケースです。
ここまで来てしまうと非常に難しい対応を迫られます。
筆者の場合、待ち合わせ場所でママ友と幹部販売員が待ち構えていました。
そこから執拗な勧誘がスタートしました。
そこで幹部が強調していたのが以下の内容です。
・ 宗教やねずみ講ではない
・ 多大な社会貢献をしている企業だ
確かにそれは事実でしょう。
しかしあえてそこを強調する点に違和感があったことを覚えています。
しかし、ここまでくるとこちらが何を言っても通用せず、もはや穏便には済まなくなります。
ママ友との決裂覚悟で強引に勧誘を振り切るか、勧誘に負けて販売員になるかの2択です。

ネットワークビジネスの勧誘はできるだけ早い段階で断わろう
筆者は勧誘方法の(4) まで行き窮地に追い込まれました。
しかしそこで気を確かに持ち、一貫して次の行動をとり続けました。
・ 相手のトークをまともに聞かない
・ 厳しい態度を貫く
・ ネットワークビジネスはやらないと明言する
その結果、ようやく相手があきらめました。
ネットワークビジネスの販売員には赤字を抱える人が多いと聞きます。
それを考えると強引にでも勧誘を断れてよかったと思います。
とはいえ、対応が遅れて販売員親子との関係は決裂し、後日悪口も言われました。
その度に気まずい思いとともに「あの時(2) か(3) の段階で断っていれば…」と後悔したものです。
そのような後悔をしないためにも、ネットワークビジネスの勧誘を早期で見抜く目を持つ必要があります。
また、突然の勧誘に備えていつでも対応できるよう、警戒心を怠らないようにしましょう。(執筆者:大岩 楓)