令和相場が幕を開けたこの一週間。
大型連休明けから始まり、急激な調整、下落の始まりの一週間となりました。
この下げが、調整レベルで終わるか? 下落入りの始まりなのか? は、未来にわかることです。
連休前までの上昇からの狭いレンジでのもみ合いに関して、終焉を意図する動きの一週間となり、目先3月下旬のBOX下限から始まり、BOX上放れとなった上昇は確定的に終わりを示し、12月末から途中BOX挟んでの上げに関しては、現状調整レベルと取れる途中経過です。
今後、2万1000円辺りを割り込むと、本格的に下落の雰囲気が強くなってくると考えますが、割り込むまでは、逆に買い場まで下げてきたと考えられます。
連休明けから始まった下げ基調の流れは、トランプ大統領による米中関税の引き上げ示唆に始まり、この週末に確定的となるという波乱の一週間となっています。
目次
昨年3月に始まった米中関税問題
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一時解決の方向に向かいつつありましたが、再燃という流れとなり、トランプ大統領の兵糧攻めのごとく中国に対して経済戦争を仕掛けている様相と受け取れます。
そうなると、一時的な解決の雰囲気が出たとしてもあくまでも一時的で、ことあるごとにこの話題が出れば調整するという流れになると考えられます。
この関税問題はダメージを受けるのは中国がメインなのですが、間接的に世界経済の減速の要因、引き金となっており、最終的には米以降の経済減速にもつながるので輪廻転生のごとく我に降りかかる「諸刃の剣」の政策となります。
そのようなことをふまえて発している政策が、未来に対してどのような展開を生むのか? 正直想像できる範囲の影響となるのか? 想像を超えた影響が出てくるのか? 過去の事例からは想像しづらい状態と考えます。
今回の発端は、ツイッターでのトランプ大統領のツイート、これが世界経済に打撃を与えるというこの時代ならでは事例と考えます。
逆に、今回の調整となる前段階の大型連休中には雇用統計があり、内容的には米国経済の好調、復活を示すものでしたが、この関税問題の発生により無かったこととなっています。
目先は、好景気であるものの、この関税問題に関しては悪材料として長引く可能性はある状況下ですが、株価に対する影響は新しいネタで動くので、一直線で下げるかは微妙ではあるものの、雰囲気的は上値重く下げ傾向に入りそうな気配です。
ただ近々では、この週末で一旦そろそろ反発してもおかしくないところまで下げたとも考えられ、この週末の出来高が膨らんだことで、底入れ示唆とも取れるのですが、SQ算出日であることで出来高は膨らむという事を考えると、出来高膨張で反発とは単純にはいかないかなとも考えます。
その上で、SQ値に関しては、2万1451.91円と週末の大引け2万1344円の上に位置しており、SQ値が、上値抵抗線になる可能性が高い位置取りとなっています。
もちろん、週明けの寄り付きがどうなるかで考え方も変わってきますが、現状 週末の大引けだけを見ると上値の重い展開が想定されます。
しかし、この週末の位置もテクニカル的には下げ止まる要素もそれなりにあるので、売り玉の玉数の範囲内で、この週末に買い玉を入れるという事は必要であると考えます。
どちらにせよ毎週末の事ですが、週末ごとに悩ましい状態となり、両建てとなることが望ましく、第一週の週末第二週の週末は雇用統計とSQ算出で相場に動きが出やすい週末ですので、特に両建ての必要性が高まるものです。
そして、米国の動きは、下げ基調が激しく大きく下げて行く雰囲気を出しましたが、引けにかけて下げ幅を縮小し、逆にプラスに転じ、長い下髭の陽線形成となり、反発を示唆する動きとなっています。
通常の足型では見えないですが、日経先物の日足では、現在完成した足型ではないものの「毛抜き底」を示すような値動きであり、その反転しそうなポイントに一目の雲があります。
さらには、週明けの寄り付きが21490円近辺と想定され、SQ値を上回ってくるので、反発の可能性は示されています。
ただそもそもの原因だった米中関税問題が、この週末中に何か進展があれば話は別物になりますのでご注意ください。
現状分析
5日線
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一週間を通して下向きで下に比較的大きめに乖離しています。
乖離幅を考えると、そろそろ下げの勢いは衰えてもおかしくないところまで来ていると考えますが、衰えても再度 下という事もあるので決めつけは禁物です。
25日線
上向きは維持しています。ここから考えるとやはり一直線で下げるとは考えづらいと思います。
位置としては、週初め上にいましたが、週中に窓を空けて陰線形成しての下へまたぎ、下を推移しての週末入りとなりました。
この動きでは、上げ基調に終焉を示唆した動きと考えます。
75日線
上向きを維持しており、上にいた株価が週後半に75日線に触って、触ったまま週末を迎え、週足終値では、75日線を割り込んでいます。
75日線がサポートラインとなるか週明けがポイントになります。
トレンドライン
サポートラインを今週一気に割り込んでいきました。
連休前のもみ合いの下減の横軸と、3月28日の安値に向かっての2月8日から12月26日からの起点の切上がりのラインを2つとも割り込みサポートラインとして機能しきれませんでした。
この辺りも下げ加速の可能性を示しています。
そしてこの週末は75日100日線がサポートラインとして機能しているように見受けます。
この下は3月に押したときの安値2万1000円近辺で前のBOXの下減が、サポートラインとして意識されていると考えます。
そこを割り込むと2月8日の安値の横軸2万300円近辺が意識されると考えます。
テクニカル指標
一目均衡表
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一気に下げ基調に入り転換線基準線を割り込み雲の位置まで下げてきました。
一時雲の中に本格的に入り込みましたが、引けにかけて雲の上限近辺まで値を戻して、雲が抵抗帯として機能したように見受ける形状です。
そして遅行線が、やはりローソク足の窓の部分を狙って下げてきています。
このまま日々線の下に入っていくか注目で、本格的に割り込めば完全に雲突入と合わせて下げ基調入りを示すと考え、逆を考えると止まるべきポイントにいるとも考えられます。
ただ遅行線が日々線との絡みを避けるには、急激な反発が必要になるので厳しい状況にいるのは間違いないと考えます。
ボリンジャーバンド
バンドが収斂しながら一気に-2σまで下げてきて、この-2σで下げ渋ったように見受ける状況です。
この-2σを割り込んでいくと、下へのバンドウオークが始まります。
ということで、ここが正念場で反発するか? 下げが加速するかの境目にいると考えられます。
スローストキャスト
2本のラインが下まで降りてきたことで上げ基調終焉を示しました。
さらにゴールデンクロス間近となっており、今後 ゴールデンクロス後2本のラインが上まで上げきれるか注目です。
総合判断
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連休前までの上げ基調はいったん終焉(復活の可能性はのこる)となり、調整で終わるか? 本格下落となるか? 分かれ目となる週末であると考えます。
下げた要因を考えると一時反発はあるものの、この始まってしまった下げ基調は、簡単に止まるかは? 微妙と考える次第です。
ここから、上を取りに行くか? 下を取りに行くか? 非常に悩ましいです。
今回上げ基調を取れなかった人が悔しくて「ここがチャンスだ」と上げを取ると決めつけるのは、少々怖いので慎重に進めてください。
過去の結果に心を捕らわれないようにしていきましょう。(執筆者:城 晶子)