このような分割売買のすすめをよく耳にしますが、実際に投資をする際にはチャンスを逃したくないからと、一括で保有したい株数を購入してしまいがちです。
そもそも、値上がりすると思っているから投資をするわけで、そうなるとどうしても「ハイリターン」に注目してしまうのは仕方のないことです。
そのため、本当に分割売買をすることに意味があるのか?
投資結果が分割売買に比べてハイリスクハイリターンになる以外に、具体的に何が変わってくるのか?
疑問に思っている方も多いでしょう。
そこで今回は分割売買による具体的な心理的メリットを3つご紹介します。

目次
1. 当てもの取引から抜け出せる

分割売買の最大の心理的メリットは、当てもの取引から抜け出せることです。
ピンポイントで天底を当てようとする心理が薄れて、「どこで売買するか?」よりも、「どのように売買するか?」と建玉操作に関心が移ります。
建玉操作に関心が移れば、自然と取引前の準備に重点を置くようになるため、その後の取引結果にも良い影響を与えます。
2. 長期的に有利な取引が可能

例えば、分割売買に
ドルコスト平均法を採用したとしましょう。
ドルコスト平均法は一定額を継続的に投資し続ける分割売買の手法の一つです。
ドルコスト平均法を行うことで、ハイリターンを諦めることになりますが、平均取得価額を安定的に下げることができます。
結果的に一括で購入したほうが良かったケースも何度かあるでしょうが、長期的に見ればジワジワと分割売買の恩恵を受けることができます。
投資をする準備段階でこのことが分かっていれば、売買で生じるストレスが大幅に減り、心に余裕を持つことができます。
心に余裕があれば、当然非合理的な判断をして失敗する確率も大幅に減るでしょう。
3. 短期的な投資対象の値動きに動じなくなる

分割売買の心理的メリットは、売買時の当てもの取引で生じるストレスを消すだけではありません。
保有銘柄の短期的な値動きによる心理的負荷を減らすこともできます。
例えば、一括で購入した株が直後に下がったとしましょう。
本来長期投資なら気にするほどのことでないと分かっていても、気持ちのいいものではありません。
自分が投資した直後(株価が割安水準なら尚更)から、資産が値上がりするなんてことは稀だと分かっていてもです。
一方、分割売買の最中に株価が下がっても、今まで以上に安く買えると心が躍ります。
例え、分割売買中に株価が値上がりを続けても、保有株式の含み益はどんどん増えていくため、こちらのケースでも心躍ることでしょう。
このように、分割売買をすることによって、短期的な株価の変動に全く動じなくなります。
これがどれほど投資に良い影響を与えるかは、一度経験すれば必ず理解していただけると思います。
一度心理的メリットを享受すれば一気に資金投入をしなくなる
これらの心理的メリットは、言われてみればそうだけど、一括投資のハイリターンを諦めるほどのものではないと思うかもしれません。
しかし、分割売買による心理的メリットを享受すれば、その後当てもの取引のような一括売買をすることはなくなるでしょう。
当然ですが、計画的に投資をすることは大切なことです。
しかし、それ以上に大切なことは、その計画を守れるかどうかであり、それを左右するのは心の余裕です。
そのことを忘れないでください。(執筆者:三田 亮)