年収1,000万円以上のハイスペック会社員になったり、そんな配偶者を捕まえたりするのは難しくても、夫婦2人で頑張った世帯年収でなら1,000万円に近づけそうだと思いませんか?
平成29年分の国税庁調査によると、給与所得者の平均給与は男性で 532万円、女性で287万円だそうです。
足すと819万円。1,000万円は見えてきそうです。
しかも2人で稼ぐほうが、税金がお得になります。
試算してみました。
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目次
稼げば稼ぐほど、税金は高くなります
日本の課税方法は、収入が高くなればなるほど税金の負担が増える「累進課税」法を採用しています。
税率は5%、10%、20%、23%、33%、40%、そして最高で45%の7段階に分かれています。
45%はすごい割合ですよね。
よく芸能人などが「半分は税金で持っていかれる」と言っていますよね。
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ただし、この税率を単純に額面年収に掛けるわけではありません。
まずは課税所得を算出する必要があります。
所得税を知るために、まずは課税所得を試算します
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課税所得は年収から給与所得控除や各種控除を引いたものです。
各種控除といっても医療控除や保険料控除、ふるさと納税などは世帯によってさまざまです。
ここでは社会保険料(厚生年金・健康保険・介護保険・雇用保険)と給与所得控除のみの概算とさせていただきます。
また年収は12か月に等分し、ボーナスなどは考えに入っていません。
社会保険料は居住地域や所属会社によって異なりますので下記で試算しています。
・ 健康保険・介護保険は協会けんぽの平成29年度版
・ 厚生年金 日本年金機構 平成29年度掛け金表より試算(免除保険料率2.4%)
・ 雇用保険 労働者負担分(失業等給付の保険料率のみ)は一般の事業の場合 3/1,000なので、給与の0.3%。月収20万円の場合で600円です。
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税金は共働き夫婦のほうが年に41~52万円程度、月額3~5万円程度安い
【試算】40代の夫婦、給与所得で暮らす家族と仮定(年収は額面)
(2) 夫の年収700万と妻300万の場合
(3) 夫の年収500万と妻500万の場合
所得税は最初の表を使います。
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住民税は10%+5,000円(所得割:市町村民税6%+道府県民税4%=10%、均等割:市町村民税(市民税)3,500円+都道府県民税1,500円=5,000円)
課税所得でみると、年収1,000万円と700万円は同じ課税枠なのですね。
また、年収500万円だと税率が10%と、1,000万円の場合の半分なので、これは大きいです。
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(1) 夫の年収1,000万と専業主婦(配偶者控除38万円)の場合
所得税額 81万7,066円
住民税 62万7,283円
(2) 夫の年収700万と妻300万の場合
夫の所得税額 39万3,883円 + 妻の所得税7万4,131円
夫の住民税 41万5,691円 + 妻の住民税15万3,262円
(3) 夫の年収500万と妻500万の場合
所得税額 17万9,448円 × 2
住民税 28万1,948円 × 2
少し数字が細かくなってしまいましたが、あくまで概算です。
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共働き夫婦でそれぞれが年収500万円や300万円を稼ぐよりも、ひとりで1,000万円稼ぐ人にかかる税率のほうが高く、税金が多く引かれます。
額面年収が同じでも、税金は共働き夫婦のほうが、年に41~52万円程度、月額3~5万円程度変わってくるということです。
家事や育児を分担して、お互いが気持ちよく稼いだほうがいいということですね。
収入源が2つあれば、税金が安くなるだけでなく万が一の時のリスクヘッジにもなります。
日々の節約も大切ですが、税金の仕組みを知って手取りを増やしましょう。(執筆者:那波 りよ)