公立小学校に子どもを通わせるメリットは学費が安いことです。
加えて、多様な家庭環境の子が集まる公立小学校は、子どものお金教育にも最適の学び場です。
我が家は親子ともに公立小学校出身ですが、卒業から時間が経つほど公立小学校のメリットを実感しています。
今回は、筆者が公立小学校の児童時代、あるいは児童の保護者時代に実感した公立小学校のメリットについてお伝えします。
目次
最大のメリット:安い学費で義務教育が受けられる

公立小学校の学費は年間で約10万円
文部科学省が行った「平成28年度子供の学習費調査」によれば、公立小学校の学校教育費(給食費込)は年間10万4,484円で、これは私立小学校の学校教育費(給食費込91万5,215円)の約9分の1です。
公立小学校は授業料が無料
義務教育である公立小学校の授業料は無料です。
これらの費用は児童の家庭から徴収しないことが教育基本法第5条(義務教育)の4で定められています。
国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料を徴収しない。
以上の法律により、学費として必要になるのは学用品費や給食費、修学旅行の積立金などの実費のみです。
それこそが公立小学校の学費が安い理由であり、決して教育の質が劣るわけではありません。
むしろ国の学習指導要領に沿って授業が進められるので、小学校で必要な教育としては申し分ありません。
公立小学校には就学援助制度もある
公立小学校に通う児童の家庭が低所得の場合は、就学援助制度が受けられます。
これは公立小学校に子どもを通わせている低所得世帯を支援する制度で、学用品や給食費などの一部を市町村が援助します。
このように、公立小学校の学費は安いだけでなく生活に困った時の援助も受けられます。
そのような安心感もメリットの1つです。
参照:e-stat「平成28年度子供の学習費調査」、静岡市(pdf)、
引用:教育基本法第5条(義務教育)の4
公立小学校は子どものお金教育に最適な場である
公立小学校のメリットは学費の安さだけではありません。
子どものお金教育に最適な学び場としても大きなメリットがあります。
お金に対する考え方の違いを肌で学べる
公立小学校は、保護者の職業や家庭の方針が多様です。
よって、価値観が違う子どもが多数集まり、お金に対する考え方の違いも肌で学べます。
毎月一定の収入が入るサラリーマン家庭と、月により収入が違う自営業家庭とでは、お金に対する考え方が違います。
子どもが他の子との交流を通して子ども同士の経済格差が露呈する残酷な一面もあります。
そのような負の側面も含めてお金に対する考え方の違いを肌で感じることは、子どもにとって非常によい社会勉強となります。
子ども同士のつき合いでお金の有効な使い方を学べる

家庭環境が違う子が集まる公立小学校では、お金の使い方もさまざまです。
昔も今も、忙しい親のかわりに家事や生活費のやりくりをある程度任されている子はいます。
また、家業の手伝いでお金の扱いに慣れている子は、お金に対する考え方が非常にシビアです。
そのような子どもに感化されて金銭感覚が養われる子も多いです。
子どもは親の言うことなどまともに聞きませんが、同級生が同じことを言えば素直に受け入れる一面もあります。
そのような形でお金について考える機会が多いところも、公立小学校の優れた一面です。
私立小学校や国公立でもお受験で入る小学校は、裕福な家庭の子が大半です。
実際に子どもを私立小学校に行かせた親戚によれば、家庭環境や親のお金に対する価値観が似ている家庭が多いそうです。
中には金銭感覚が世間の感覚とはかけ離れている子もいたので、公立小学校で多様な価値観に触れた方が健全な金銭感覚が身につくのではないかとその人は感じたそうです。
金銭感覚を磨ける優れた学び場
義務教育機関である公立小学校は、授業料ゼロで十分な教育が受けられます。
また、さまざまな家庭の子が集う公立小学校には多様な価値観を持つ子どもが集まります。
そんな公立小学校は安い学費で学べるだけでなく、子どもの健全な金銭感覚をも養える優れた学び場であると言えるでしょう。(執筆者:大岩 楓)