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バブル時代に買ったもの
最近はエコが注目され、必要十分な材料で作ることが「よし」とされる傾向で、「手ごろな値段」で「適当な期間」使える商品がたくさん流通しています。
必要以上に高価な材料を使って作られた商品は、販売価格も比例して高くなるため、今の消費者には受け入れられないのかもしれません。
バブル時代とは、1980年代後半から1990年代初期をいいます。
バブル時代のイメージといえば「高い給与」と「贅沢な生活」、「就職売り手市場」ではないでしょうか。
バブル時代には、豊富な財源を利用し「贅をつくした製品・商品」が作られていました。
贅沢品や家電だけでなく日用品や消耗品も、今では考えられないくらい贅沢な材料で作られた品がバブル時代にはあり「価格にこだわらず長く使える丈夫なもの」がたくさん流通していました。
デザインは時代遅れになってしまっても、時代を超えて使えるものならば、あえて買いかえるよりもバブル時代の頑丈なものを大切に使い続けたほうが得かもしれません。
持ち続けて得:ピアノ
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バブル時代のピアノは贅をつくしてあります。
ヤマハのUX30シリーズは、30年ほど前のピアノですが、今では考えられないほど贅沢な材料と手間がかけられているピアノです。
あまりに高級すぎたため、製造された期間が短いともいわれています。
約30年前は新品90万円程度で販売、30年後の今になっても中古市場で60万円以上という高値で取引されています。
リビングに置かれているだけのUX30は、ピアノの価値がわかる調律師がみれば、喉から手が出るほど欲しいものかもしれません。
素人は調律師に「高値で買うから売ってほしい」と言われれば「古いピアノを売って新しいピアノに買いかえたほうが得かな」と思ってしまうかもしれません。
しかし、バブル時代のピアノは、今ではなかなか手に入らないお宝です。
今は弾かなかったとしても、そのうち誰かが弾く可能性があるならば、お金に変えず持ち続けたほうが得ではないでしょうか。
持ち続けて得:スーツケース
最新のスーツケースは、軽くて小回りが利くものがたくさんあります。
バブル時代のスーツケースは重く、タイヤ部分が小さいため、小回りが難しいかもしれません。
しかしバブル時代のスーツケースは強さがあります。
筆者は、約30年前に4万円ほどで購入したサムソナイトのスーツケースを最近まで持っていました。
しかし鍵が壊れてしまったため粗大ごみとして処分しました。
鍵の修理代を払うくらいならば、新しいスーツケースを買った方が得だと思ったからです。
しかし、その後に「当時のサムソナイトは強靭だからできるだけ長く使った方が得だった」と聞きました。
新しいスーツケースを探しにいくと、すべてが薄く感じ、ちょっと指で押してみると簡単に凹みます。
バブル時代のスーツケースの難点は重さ
スーツケースは自宅から空港まで送り、空港から宿までも届けてもらうことが多いのではないでしょうか。
サムソナイト愛用者の中には、スーツケースとして使うのではなく、強さを生かして収納として使っている人もいます。
筆者は、粗大ごみ代200円を払ってスーツケースを捨てましたが、今は2,000円払ってでも取り戻したい気持ちです。
買い換えて得:エアコン・冷蔵庫(大型電化製品)
バブル時代の電化製品は、今と色も大きさも違います。
今の冷蔵庫は白やシルバーがほとんどですが、バブル時代には緑やこげ茶も人気でした。
筆者のリビングのエアコン(温度設定ができない冷房)やテレビは、バブル時代ならではの木目調でした。
エアコンは、今よりもサイズも音も大きく、徹底的に部屋を冷やすものがたくさんありました。
エアコンは高額です。
簡単に買いかえることができず、パワーが落ちても気がつかないふりをして使い続けている家庭も多いのではないでしょうか。
とくにバブル時代の冷房は頑丈でなかなか壊れません。
「使えるものを買いかえる必要はない」と思ってしまう気持ちもわかります。
しかしエアコンや冷蔵庫などの大型電化製品は電気代がかかります。
バブル時代の製品は、効果だけでなく維持費も高いです。
古いエアコンは、最新のエアコンのように快適温度になったら運転をやめて、余計な電気代を抑えられません。
「長く使うことこそ得」という考えは、エアコンや冷蔵庫などの電気代がかかるものには当てはまらないのかもしれません。
売って得:バブリーなジュエリー
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バブル時代は、派手で鮮やかな服がはやりました。
ジュエリーもシンプルなものは少なく、大きな宝石のまわりに小さな宝石がちりばめられ、ゴールドの土台もたくさんありました。
しかし今、バブル時代の服やジュエリーを身につければ「衣装」になってしまうでしょう。
バブリーな服やジュエリーは売って得をしましょう。
一見、売れなさそうな肩パッドが入ったバブリーなジャケットも、メルカリに出品すると驚くほど早く売れます。
なぜならば、テレビの影響でバブル時代の服を衣装に使うために必要としている人がいるからです。
バブル時代の派手なジュエリーも外国では人気があります。
とくにゴールドのジュエリーは、もしかしたら購入時より価値があがっているかもしれません。
今から約30年前の1989年12月の平均金相場は1gあたり1,933円でした。
しかし2019年5月の平均金相場は1gあたり4582円と2.4倍に値上がりしています。
値段参考:田中貴金属工業ホームページ
金は形ではなく重さが相場の基準になります。
バブル時代に買ったゴールドジュエリーで思わぬ得があるかもしれません。
バブル時代に作られたものは、もう手に入りません。
手放すときは後悔しないようにしてください。(執筆者:式部 順子)