平成から令和に変わったにもかかわらず、日経平均株価はいまだにバブル期の高値を超えることができません。
そんな状況の中、着実に成長を続ける企業もあります。
今回は、株価と業績を考慮した平成の勝ち組企業と、令和で躍進が予想される企業をいくつか紹介していきます。

目次
1. 日本企業の時価総額上位5社まで昇り詰めたキーエンス
FAセンサー大手のキーエンスは、間違いなく平成の勝ち組企業のひとつでしょう。
直近では売上が5,000憶円を超える大企業にもかかわらず、営業利益率は50%以上です。
時価総額は7兆円を超えて、現在(2019年6月時点)日本企業の中では第5位です。
キーエンスは株式投資をしている方や業界の方の中では有名ですが、それ以外の方にとっての知名度は、企業向け商品を扱っているため、下記の1~4位の企業に比べて低いと思います。
2位 ソフトバンクグループ
3位 NTT
4位 NTTドコモ
ソニーや、ユニクロを展開するファーストリテイリングより時価総額が大きく、社員の平均年収は2,000万円を超えています。
合理的な営業によって高価格帯商品を売りまくり(継続して使用することにより、導入企業にメリットがある)、変則決算をいとわない合理的な判断をする社風などを考えれば、令和でもさらなる成長を遂げることが予想されます。
1989年初頭に1,300円程(分割考慮)だった株価は、直近では6~7万円を推移している平成のテンバガー銘柄です。
2. 一貫してブランド価値を高め、愛され続けるオリエンタルランド
1996年末に上場したご存じ東京ディズニーランドを運営するのがオリエンタルランドです。
上場時は2,000円程(分割考慮)だった株価は、直近では1万円前半で推移しています。
素晴らしい成長ですが、株価の上昇率だけを考えた場合、ほかにも勝ち組企業として挙げられるものはいくつかあります。
その中で、今回オリエンタルランドをピックアップしたのは、今後激しく変わっていくビジネス環境にも、ビクともしないブランド価値を持つからです。
オリエンタルランドは、平成のあいだ一歩一歩着実にブランド価値を高めていきました。
そして、お客様を満足させるだけでなく、働く従業員の誇り、株主への利益として、すべてがうまく回っています。
今後、AIなど新しい流れによって、今まで盤石だと考えられてきた大企業が、あっという間に没落するケースがいくつも出てくるはずです。
しかし、オリエンタルランドには、その心配はほとんどないと思われます。
オリエンタルランドは、平成のあいだ人々の頭の片隅に種をまき続けた勝ち組企業であり、令和になっても実りある果実を獲得し続けることが予想されます。
3. 世界的な影響力を手に入れたソフトバンクグループ
ソフトバンクグループは、いまだにITバブル期の高値を超えられていません。
その面では、先程紹介した2銘柄とくらべて見劣りするかもしれませんが、企業業績と影響力の面では、間違いなく平成の勝ち組企業といえるでしょう。
特に注目したいのが、群戦略と金融市場への影響力です。
すでに周知のとおり、群戦略は深く経営関与しないゆるい資本関係を幅広く行う戦略であり、その投資先は今後伸びるであろう業界のトップランカー企業ばかりです。
また、売り時が来たら躊躇なく株を売却します。
莫大な資金を背景に唾をつけまわるビジョン・ファンドへの愚痴は、たびたびメディアで紹介されます。
しかし、ルールの範囲内なら何でもする(親子上場などの資金調達や、節税のための複雑なカラクリ)社風を考えると、何らかの大きな規制がない限りこの勢いは止まらないでしょう。
このような戦略を莫大な資金をもとに、しがらみなく早いスピードで実現していけば、平成の勝ち組企業というだけなく、令和でも躍進が期待されます。

4. 将来的に日本を代表する企業への成長が期待されるPKSHA Technology(パークシャテクノロジー)
最後に、今まで紹介した企業に比べて若く、令和の時代に躍進が予想される企業を紹介します。
今後、間違いなく市場が拡大するAI分野ですが、その中でも特に注目を集めている上場企業がPKSHA Technology(パークシャテクノロジー)です。(以下パークシャテクノロジー)
パークシャテクノロジーは、アルゴリズムの開発・提供を行っており、今後、企業のAI導入の流れが加速し続けることを考えれば、よほど大きな何かがない限り順調に成長していくことが予想されます。
現在の株価が妥当なのかどうかは置いておいて、すでに高利益率を維持しながら急成長しています。
有利子負債・キャッシュフローなどを見ても、よくある新興株とは一線を画します。
令和の終わりごろには、令和の勝ち組企業のひとつになると思っている投資家も大勢いることでしょう。
一時の人気で終わらない企業
一時の人気で株価が暴騰し、3年もたずに忘れ去られる銘柄は、次から次へとでてきます。
そんな中、決して派手な株価の動きはなくても着実に前進し続ける企業、一時の人気で終わらずに急成長を続ける企業も中には存在します。
今回紹介した銘柄以外にも、平成の勝ち組企業は存在します。
それらをあらためて振り返ってみることで、令和の勝ち組企業が見えてくるかもしれません。(執筆者:三田 亮)