毎日の食事づくりは本当に大変です。
とくに仕事が忙しかったり育児に手がかかったりする時期は、料理にかけられる時間が短いので、工程が多い料理はできなかったり、品数が少なくなってしまいます。
しかし、頻繁にお惣菜を買ってしまうような生活では罪悪感を感じるかもしれませんし、家族の食事への満足感は下がり、そのうえ食費が上がってしまいます。
食費をおさえるために安いお惣菜を選ぶとなると、コロッケやギョウザなどいつも同じようなものになってしまって飽きるだけでなく栄養バランスも心配です。
やっぱり、食事は手づくりがいちばんおいしくて経済的といえるでしょう。
忙しい方は、ていねいにこしらえる和食や一汁三菜という理想にしばられず、毎日のおうちごはんは時間をかけずに手を抜いたものでじゅうぶんです。
目次
固定概念にとらわれず、積極的に時短ワザを取り入れて

お惣菜を家族分買うぐらいなら肉や魚を買おう
筑前煮などたくさんの素材が入った料理や、トンカツやロールキャベツなど肉が多かったりつくる工程が多いお惣菜は単価が高いので、家族分の量を買うと手づくりの倍以上の値段になります。
そこで安めのものを選ぼうとすると、コロッケなど肉や野菜が少ない揚げ物ばかりにかたよってしまいます。
ですが、たとえば50円のコロッケを10個買うぐらいなら100g100円の肉を500g買えると考えましょう。
もちろん、生肉なら調理しなければいけないのですが、お惣菜のかわりに買うわけですから、凝った料理はせずに焼くだけです。
かけるだけでおいしくなるタレなど、いい仕事をする調味料を数種類常備しておけばマンネリも防げます。
肉を焼くときには、ついでに冷蔵庫にある野菜もいくつかいっしょに焼いてしまいましょう。
野菜を切る気力もないなら、もやしや、手で裂いたエリンギ、手でちぎったキャベツなど、包丁とまな板すら使わなくても食べられる野菜でいいのです。
生野菜なら、ミニトマトやベビーリーフなど、洗うだけでそのまま食べられるものが助かります。
一品料理で大丈夫なのかという心配もあるでしょうが、お惣菜よりマシですし、素材の味を楽しむ料理だということにしておきましょう。
下ごしらえをやめよう

トマトの皮の湯むき、かぼちゃの面取り、もやしのひげ根取りなど、やれば確実においしさがアップする下ごしらえってありますよね。
でも、やらなくてもそれなりにおいしく食べられるなら、しなくてもいいんです。
知識として知っていればいいので、時間があるときや気分がのったときだけやるものと割り切ってしまいましょう。
割高なお惣菜に頼ることなく食事づくりを続けるためには、「やらなくても大丈夫」な調理テクを取り入れることが大切です。
たとえばハンバーグづくりは刻み玉ねぎを炒めて冷ましてひき肉と混ぜるのが一般的ですが、炒めずに生の玉ねぎを混ぜてもふつうにジューシーでおいしいハンバーグになります。
炒めたり煮たりするときニンジンの皮はむかなくても問題ないですし、ピーマンの肉詰めをつくるときにわざわざ種を取りのぞかなくても食感も味も変わりません。
常識にとらわれず、省いても問題なさそうな下ごしらえはカットしてどんどん時短しましょう。
盛りつけをやめよう

料理ごとに器をコーディネートして、副菜やちょっとした漬物まで一人ひとり豆皿や小鉢にちょっとずつ盛って…。
たしかに、同じ料理でも食器にこだわったり盛りつけ方を工夫するだけで、見違えるように見ばえのする食卓になります。
ですが、たとえば4人家族だとすると、3つの小皿に合計12皿分を盛りつけるのはかなり時間がかかります。
もちろん、お皿をテーブルに運ぶのも、キッチンに下げるのも時間がかかりますし、食器洗いには水道代や洗剤代もよぶんにかかります。
それならいっそ、ふだんの食卓は豪快に大皿で提供して、セルフサービスで大きめの取り皿にワンプレート盛りにしてもらいましょう。
大皿盛りから進化して、フライパンや鍋ごと出すとさらに時短になります。
取っ手の取れるフライパンや、じゃまにならない両手鍋を使うと便利です。
最初は取る量が分からずケンカになったりする子どもも、みんなにいきわたるにはどのくらい取ればいいのか身につきますし、家族に取り分けてくれたりと自然にお手伝いもしてくれます。
毎日の料理はステキじゃなくていい
ライフステージにおいて、目が回るほど忙しくて食事づくりが苦痛という時期はあるものです。
まだ手がかかる年の子どもがいて、夫婦どちらもフルタイム勤務ともなると、夜ご飯のしたくは時間と気力との戦いのようなものです。
しかし、お惣菜は買い置きができないので毎日仕事帰りに買い物に寄らなければならず、お金だけではなく時間も体力も使います。
なにより、外食やお惣菜が日常となってしまっては確実に食費がはね上がります。
いろどりのよいステキなごはんじゃなくてもいいので、肉か魚と野菜が数種摂れればいいと割り切って、下ごしらえなしで焼くか煮るだけ、盛りつけはしないという手抜きワザで毎日を乗り切りましょう。(執筆者:野原 あき)