夏祭りでは金魚すくいが人気です。
金魚すくいは1回300円から500円で、例え1匹もすくえなかったとしても「2匹は持ち帰ることができる」と言われればお得な気がします。
しかも最近はペット禁止のマンションが増え、せめて金魚くらいは飼いたいなと思う人も多いのではないでしょうか。
しかし「たかが金魚、されど金魚」です。
飼育するには意外とお金がかかります。
今回は、「金魚の飼育にかかるお金」についてお話ししましょう。
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目次
水槽540円なら初期費用は3,000円以内に抑えられる
筆者は、ふと立ち寄ったホームセンターで金魚を「5匹480円」で購入しました。
ホームセンターには、金魚の他にもインコなどマンションでも飼えそうな小動物がたくさんいました。
しかし、どれも1匹1,000円以上で必要な物をそろえると予算オーバーのため、あきらめました。
飼うために必要なものを買う
金魚を飼うためには、以下のようなものが必要です。
・ 水槽
・ えさ
・ エアーポンプ
・ 水草
・ カルキ抜き
水槽の大きさは、飼う金魚の数や大きさによっても変わりますが、金魚すくいの金魚はまだ赤ちゃんのため、100円ショップで売っている虫かごの一番大きいサイズで十分でしょう。
100円ショップでは、プラスチック製の虫を飼うケースが売っています。
一番大きなサイズは500円(税別)です。
100円ショップの中で500円の商品はとても高く感じますが、水槽はもっと値段が高く数千円が相場なので500円はとてもお買い得でしょう。
エアーポンプは小さなものならば1,000円以内で購入できます。
えさや水草、カルキ抜きもそれぞれ300円程度なので、すべてそろえても初期費用は3,000円以内でしょう。
初期費用を抑えるコツは水槽を安く済ませることです。
水槽にこだわれば、初期費用はあっという間に1万円を超えてしまいます。
金魚を飼うと水道代や電気代はあがる?
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金魚を飼い始めたとき、ふと「水道代と電気代があがるかも」と心配になりました。
しかし、結果的にはどちらもたいして値段は変わりませんでした。
金魚のエアーポンプは24時間電気を使っていますが、ポンプの電気代は1か月あたり20円から50円といわれています(契約している電力会社や契約内容によって異なる)。
水道代もほとんど変わりません。
なぜならば、金魚は水をきれいにしすぎてはいけないからです。
金魚は急激な水温の変化を嫌います。
こまめに水をきれいにしてしまうと水温がコロコロ変わってしまいます。
水を替えるときには、古い水の3分の一程度を捨てて新しい水を補うだけです。
そうすることで水中のいいバクテリアが増え、水が汚れにくくなります。
産卵期はコストが上昇
ただ、5月から7月は急激に水道代も消耗品費もあがりました。
金額にして1か月2,000円程度です。
5月は金魚が産卵をします。
生まれた卵は、金魚に食べられたりつぶされたりしないようにするため、別の水槽に移し替えます。
そして稚魚になったら再び別の水槽に移し替えて大きさ別に飼育をします。
しかも稚魚は水流に弱いためエアーポンプが使えません。
こまめに水を引いたり、足したりすることで酸素を補いました。
水槽の数に比例して水道代はあがります。
高いえさと安いえさ、何が違う?
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金魚の餌は100円ショップでも売っています。
一方、ペットショップでは100円ショップと同じ量で800円もするえさが並んでいます。
店員に違いを聞いてみたところ、やはり材料が違うとのことでした。
安いえさは小麦粉などの炭水化物が多く、高い餌はオキアミなどの良質なタンパク質が多いそうです。
また、稚魚は玉状の餌が口に入らないため、値段が高めのフレーク状の餌を好みます。
我が家の金魚は、タンパク質の多い高い餌を好んでいます。
与えれば与えただけ食べてしまう勢いです。
しかし、高いえさを豊富に与えるほど経済的な余裕はありません。
「ブレンド製法」で少しでも節約
そこで我が家では、乳鉢に高い餌と安い餌を入れて粉末にして、水で練ります。
それを一口大に丸めて与えています。
稚魚には粉末のまま与えるとちょうどいいサイズのようです。
この節約術は「限られた予算の中で金魚を飼う策」として考えました。
「必要は発明の母」いや「必要は節約の母」です。
我が家の金魚はこの方法で半年以上生きていますが、この方法がすべての金魚にあうとは限りません。
金魚の種類や状態によって、えさの与え方は配慮してください。
金魚を5年間飼うためにかかる維持費は
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金魚の寿命は飼い方に大きく左右され、数年で終わってしまうこともあれば、10年以上生きることもあります。
筆者は、金魚を飼い始めて半年です。
しかし半年の間に金魚は繁殖し、5匹から8匹に増えました。
生まれた卵は数百個だったため、もっと上手に飼育ができていればもっと数は増えていたでしょう。
水槽も2個に増えました。
また、備品の種類は急激に増え、さまざまな大きさのスポイトや、フィルターの種類が異なるエアーポンプが、かご一杯に入っています。
「初期費用3000円」+「産卵期3カ月の追加費用6000円」+「追加購入したスポイト等の備品が数千円」となり、合計は1万円を超えています。
これからの維持費は、えさ代と水草、カルキ抜き、水道代と電気代です。
1か月に500円かかるとすれば年間6,000円の出費になり、5年間生きれば3万円になります。
初期費用とや産卵期の追加費用、病気にかかったときの諸費用(薬浴の薬代)を考えると5万円を超える可能性もあります。
命を育てるには覚悟とお金が必要
軽い気持ちでやった金魚すくい。
飼育は楽しいものの、思わぬ出費のタネになることもあります。
金魚も、犬も、猫も、同じ生き物です。
飼うときには、寿命をまっとうするまで飼い続ける覚悟と、お金をしっかりと計算しておくことが大切でしょう。
先日、家族から「今年の夏休みは、泊りがけの旅行に行かない」と言われました。
理由を聞くと、我が家の水槽には水温を管理するものがないため「水温が上昇していないかのチェックを毎日しなければならないから」とのことでした。
「旅行代が節約できたと喜ぶべきか」、「水温管理できるものを買って旅行に行くべきか」、どちらを選択するかによって今年の夏の出費は大きく変わります。
金魚を飼い始めたときには、金魚にここまで家計が左右されるとは想像もしていませんでした。(執筆者:式部 順子)