暑い日が続く夏休み、全く手をつけていないお子さんの自由研究が、じわじわと重くのしかかっていませんか。
そのようなお子さんのために、安価で簡単、すぐに終わるおすすめ実験3種を現役研究員である筆者がご紹介します。
目次
実験3種のやり方
まずは、3種類の実験の材料や手順などを説明していきます。
1. ふわっふわのスライムを作ってみよう
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いつものスライムに飽きたら、ふわふわのスライムを作ってみませんか。
材料
ホウ砂は、Amazonなどで購入できます。
洗濯のりは、100円ショップで大丈夫です。
・ ホウ砂:5グラム
・ 洗濯のり(PVA:ポリビニルアルコールと書かれてあるもの):50ミリリットル
・ シェービングフォーム(泡で出るハンドソープでもOK):100~200ミリリットル
・ 水
・ ボウル、紙コップ
・ ゴムべら、割り箸など混ぜるもの
作り方
(1) 水50mlに洗濯のり50ミリリットルをボウルに入れて混ぜます(色をつけるときには、ここで絵の具を溶かします)。
(2) シェービングフォームを入れます。
(3) 紙コップに水50ミリリットルにホウ砂5グラムを溶かしてホウ砂水を作ります。
(4) ホウ砂水の上澄みを、ボウルに少しずつ加えてよく混ぜて完成です。
ポイント
水を炭酸水に変えると、シュワシュワスライムができますよ。
どうしてスライムができるのか、原理を調べてみませんか。
ヒントは「水素結合」です。
2. 牛乳をヨーグルトに変身させよう

ヨーグルトが牛乳から作られるのはご存じですよね。
すごく簡単にできるので、ご家庭でも作ってみましょう。
材料
・ 牛乳(未開封の新しいもの):約300ミリリットル
・ プレーンヨーグルト(未開封の新しいもの):大さじ2杯
・ 清潔なガラス瓶:牛乳が入るくらいの容量
・ 清潔なスプーン
作り方
(1) ガラス瓶に牛乳とヨーグルトを入れて、よく混ぜます。
(2) 直射日光のあたらない、風通しのよいところに12~24時間おけば完成です。
注意
食中毒を防ぐため、器具は清潔なもの、牛乳とヨーグルトは新しいものを使ってくださいね。
完成したヨーグルトはすぐに冷蔵庫に入れて、その日のうちに食べましょう。
ポイント
元の牛乳と、できあがったヨーグルトの違い(見た目、味など)をまとめましょう。
ヨーグルトはなぜ酸っぱくなるのでしょうか。
乳酸菌の働きも詳しく調べてみましょう。
ヨーグルトの由来をたどるのも面白いですよ。
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3. キウイフルーツでハムに穴を開けてみよう
キウイフルーツでハムが溶ける、フルーツの隠れたパワーを調べてみましょう。
材料
・ ハム(1/2に切ったもの かまぼこの薄切りでも大丈夫です)。
・ キウイフルーツ(緑と黄色の2種類あると比較できます)。
・ 一緒に調べたい他のフルーツ
方法
(1) フルーツを同じ大きさにカットして、それぞれ2つ用意します。
(2) 一方はそのまま、もう一方はレンジで30秒ほど温めます。
(3) フルーツをハムに乗せて、1時間おきに写真を撮ります。
ポイント
キウイフルーツにはタンパク質を分解する成分(アクチニジンという酵素)が含まれていて、ハムを溶かしてしまうのです。
キウイフルーツをそのまま入れたゼリーが固まりにくいのも、アクチニジンの影響です。
タンパク質分解酵素を持つフルーツ(食べると口がイガイガするもの)は、パイナップル、パパイヤなどほかにもたくさんあります。
酵素は熱に弱い性質があります。
酵素の働きを抑える他の方法を調べてみましょう。

簡単なレポートの書き方
実験が終わったら、レポートにまとめます。
低学年のお子さんが、大きな模造(もぞう)紙に書くのは大変です。
コピー用紙に書いて、100円ショップでも売っているポケットファイルに順番に差し込んでいく方法がおすすめです。
これであれば、ページの入れ替えや追加も簡単にできます。
レポートは次の順番で書くと上手にまとまります。
(1) 題名(タイトル)
題名と名前を書いて表紙にしましょう。
写真を貼るのもいいですね。
(2) 目的
実験で何を確かめたいのか、どうしてこの実験をしたいのかなどを書きましょう。
結果を予測するのも面白いですよ。
(3) 実験方法
使う材料・道具と手順を分けて書きます。
文字だけだと分かりにくいので、図や表をうまく採り入れましょう。
(4) 結果
実験の結果を書きます。
写真に説明を書く方法がいちばん簡単です。
(5) 考察・まとめ
実験の結果から分かったこと、自分なりに考えたことを書きます。
予測と結果が外れた場合には、ここでしっかり考えて原因を探ってみましょう。
簡単ですが、奥が深い
今回ご紹介した3つの実験は簡単ですが、どれも奥の深い実験です。
もっと知りたくなったら、インターネットや図書館で調べみてください。
来年の自由研究で引き続き調べるのもおススメです。
宿題をさっと終わらせて、残りの夏休みを楽しんでください。(執筆者:安藤 鞠)