いつかやろうと思っていた住宅ローンの借り換え…早く銀行にいかなくちゃと思いながらもなかなか最初の一歩が踏み出せないものです。
今回はそんな方のために最初の一歩を踏み出すための準備について解説します。

目次
必要書類を準備する
この必要書類をそろえることに二の足を踏んでいるかたがたくさんいるようですが、ここさえクリアしてしまうと全体の7割くらい終わったようなものです。
面倒な理由はどこで手に入るのかわからないから、何のために必要なのかわからないからだと聞きます。
本人からの申し込みであるかを確認する資料
本人を確認できる書類
入手先 → 自分
申込者が本人であることを確認します。
下記のいずれかひとつで大丈夫です。
・ パスポート
・ 住民基本台帳カード(住基カード
・ 個人番号カード(マイナンバー・顔写真があるもの)
住民票の写し
入手先 → 役所や役所の出張所、マイナンバーカードを持っていたらコンビニでも可能。
現在、その市町村の住民であるかを確認します。
健康保険証の写し
入手先 → 自分
申込む方の勤務先に偽りがないか、資格取得日から勤続年数に間違いないか確認します。
収入を確認する資料
これらは借入が返済できる能力がある、つまり収入があることを確認します。(給与所得者の場合)
源泉徴収票
前年分・申込日が1~6月ならば前々年分もそろえる
入手先 → 勤務先の総務担当か人事担当
住民税決定通知書または課税証明書(直近のもの)
入手先 → 市町村役場(個人事業主や所得税確定申告の方)
所得税の確定申告書および付属明細書(直近3年分)
入手先 → 自分(なくしてしまっていたら最寄りの税務署へ相談)
所得税の納税証明書(その1、その2)(直近3年分)
入手先 → 最寄りの税務署(会社役員の方)
法人税の確定申告書(経営する会社の決算書)(直近3年分)
入手先 → 勤務先

不動物件に関する資料
これらは不動産が違法建築ではないか、不動産の担保評価を算出するためにつかいます。
不動産登記簿謄本(土地・建物)
入手先 → 最寄りの法務局 マンション敷地権の場合は土地は不要です。
土地の公図(こうず)
入手先 → 最寄りの法務局 マンション敷地権の場合は不要。
地積測量図
入手先 → 最寄りの法務局
不動産売買契約書(全ページ)
入手先 → 自分 なければ購入した不動産業者に相談。
重要事項証明書(全ページ)
入手先 → 自分 なければ購入した不動産業者に相談。
建築工事請負書(全ページ)
入手先 → 自分 なければ購入した不動産業者もしくは施工業者に相談。
建築確認申請書(配置図・平面図・間取り図・立面図つき)
入手先 → 自分 なければ購入した不動産業者もしくは施工業者に相談。
建築確認済証
入手先 → 自分 なければ購入した不動産業者もしくは施工業者に相談。
検査済証
入手先 → 自分 なければ購入した不動産業者もしくは施工業者に相談。
現在の借入を確認する資料
これらは借り換えをする対象のローンの残高を確認します。
また通帳は給与振込が収入資料どおり入っているか、返済日にキチンと返済しているかを確認しています。
返済予定表
入手先 → 自分 なければ現在の借入銀行に相談し再発行してもらう。
預金通帳(直近まで通帳記入する)
入手先 → 自分 もともと通帳がないならばインターネットバンキングの入金出金明細をダウンロード可能な範囲で印刷する。
「集める資料が多いな」と感じるかたもいると思いますが、入手先で整理すると実はそんなにたいへんではないと思います。
(1) 市町村役場 本人に関する資料(これはどうしても行かないとダメ)
(2) 税務署 確定申告していなければ行かないでOK
(3) 不動産業者もしくは建築業者 自分で持っていれば連絡も不要
(4) 勤務先 自分で持っていれば依頼しなくてもOK
(5) 自分 家の中を探す(きっと分厚い契約書バインダーとして保管)

借り換え先を絞る
ひとくちに銀行といってもメガバンク、地銀、ネット銀行、ろうきん、信金、JAなどさまざまですが、あえて手を広げず次のポイントをおさえて決めましょう。
・ 手続が面倒ではないこと
金利がいちばん重要です。
金利が低くなるから返済額が減るのですから「借り換え」を考えたわけです。
残りの返済期間を考えて最も金利が低い銀行を選択するのがまず鉄則です。
手続きについては「ネット銀行」もしくはメガバンクのネット申込をおすすめします。
ネット銀行の場合、返信用封筒を送付してくれたり至れり尽くせりなサービスもありますし、店舗がないため、人件費コストが浮いている分郵送などですべて完結できてしまいます。
メガバンクのネット申込では、手続のなかで銀行に出向く必要があったとき、休日や夜間でも受付をしてくれる「ローンセンター」という部署が各地にありますので、平日どうしても休んで銀行に行けないという方には便利だと思います。
住宅ローン借り換えは「携帯電話の乗り換え」とは全然違いまして、2~3年おきに変更するようなものではありません。
おそらくは今回が最初で最後になると思って慎重に選択してください。
たとえば、
・ イオン銀行のようないつもいくスーパーがやっている銀行だから
・ 自宅のそばに支店がある
などなど、選択のポイントはさまざまですが今までもそうだったように銀行に行く必要はないのです。
それに銀行の支店はこれからどんどん減っていきますし、将来にわたって家の近くに支店があるとはかぎりません。
また住宅ローンを借り換えするためには不動産担保設定や抹消にかかる登記費用、司法書士への報酬など必要経費がかかります。
それらを含めても借り換え後のほうがメリットがあるかを確認しましょう。
目先の金利だけでは比較ができません。
諸経費を含めた「オールインコスト」で今の返済と比較してください。
ここではネット銀行、もしくはネット申込ができるメガバンクにネットを通じて借り換え申込をするパターンで解説します。
事前審査を申し込み
ここで何をしているかというと、申込者が返済できるひとかどうかを調べています。
信用情報機関に悪い情報(他の借入で延滞などがないか)はないか確認します。
ここで審査落ちしたらしばらくは様子をみるほうがいいでしょう。
ダメだった原因は何かあるはずです。
しかし銀行に問い合わせても教えてはもらえません。
その場合は信用情報機関(CIC、JICCなど)に自分の信用情報を開示請求した原因は何か、その情報はいつ消えるのかを確認できるまで静観したほうがいいと思います。
本申込み

事前審査がクリアすると本申込みになります。
集めた必要書類をもとに不動産の評価をおこないますが、もともとの住宅ローンで審査を経ているのでまず大きな問題はないと思います。
つまり事前申込みの結果が重要だということです。
本申込の審査が終わったら、書面で融資条件、これからのスケジュールをもらいましょう。
銀行に相談する
いよいよ最終ステップですが現在の銀行に相談します。
ここで横柄な態度はタブーです。
このように話があれば銀行の窓口担当は
と聞かれると思います。
そして、借り換え先の融資条件とスケジュールを見せましょう。
銀行によっては借り換えを防衛するため特別レートで対応するというところもあります。
これを「自行内借り換え」といいますが、その金利が借り換え後の金利、それも登記費用などの諸経費を含めた「オールインコスト」で比較しメリットがあるかどうかシミュレーションしてもらい比較しましょう。
「金利を下げてくれる」のであれば一番メリットがあります。
諸経費が発生しないだけではなく、それまでどおりの口座をそのまま利用できるわけです。
しかし誰でもどこの銀行でも言えば下げてくれるわけではありません。
ここまで来るのに本当に借り換えしてもいいと思う銀行から審査応諾をもらわないと下げてはもらえません。
借り換え準備の心構え
・ 必要書類をそろえるために入手先をあたりをつけてイッキに終わらせる
・ 目先の金利にまどわされず諸経費を含めた「オールインコスト」で比較する
・ 今までの銀行の金利引き下げで対応してもらえればそれが一番ラク
書類の準備が整えば、あとはもう一息です。一気に終わらせ乗り切ってください。(執筆者:番場 正志)