不要品をため込まず、必要なものだけを持つことが節約の近道だと言われています。
「そのためにまず取るべき行動は?」という質問をされたら、皆さまは何を想像しますか。
「捨てる」、「買わない」が代表的なイメージですが、どちらも辛い我慢や難しい判断の連続です。
取り組んでいるうちに、心が折れそうになる方も多いと思います。
そこで、いま持っているものを「使い切ること」に意識を向けてみるのはいかがでしょうか。
「使い切る暮らし」の1番のメリットは、取り組んでいてとにかく気分がよいことです。
ものを使い切ると、捨てるにも新しいものに買い替えるにも、すっきりとした気持ちで次のステップを踏み出せます。
「使い切る暮らし」の具体的なアクションを見てみましょう。
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目次
家電の使い切りは「お手入れモード」がカギに
家電を購入してから年数がたつと、何となく機能が落ちてきたと感じます。
そこですぐに家電量販店に見に行ってしまうと、きっと新しい家電を買ってしまいます。
多くの家電の説明書には「お手入れ」のページがあります。
ここに書いてあることを1つ1つ試してみると、意外と機能は復活します。
筆者のうちで、家電が復活事例と症状と対処は以下の通りです。
1. 炊飯器(購入後10年経過)
【症状】米がパサつく。
【対処】
・ 水だけを入れて炊飯する「お手入れモード」の実行。
・ 取り外し可能な部品の洗浄・漂白で復活。ツヤツヤごはんが炊けます。
2. 洗濯機(購入後7年経過)
【症状】洗濯物のにおいや、乾燥不良が気になる。
【対処】メーカーが2,000円程で販売する「純正クリーナー」を使って、10時間の槽洗浄を実施。
3. 冷蔵庫(購入後7年経過)
【症状】製氷機で作った氷のにおいが気になるように。
【対処】製氷機の内部に洗剤を循環させる「お手入れモード」の実行で解決。
いずれも買い替えれば5万円から数十万の出費になるものです。
機能が復活すれば、買い替えにかかる費用を節約できます。
お手入れを試みても復活しない場合には「寿命」と言えます。
使い切ったのですから、堂々と買い替えましょう。
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スマホ端末の使い切りには「無駄なアプリの削除」を試す
スマホも3年程使っていると、だんだんと起動が遅くなり不便を感じ始めます。
買い替えの前には、ぜひ不要なアプリや動画、画像の削除を試してみてください。
これらの削除で容量の空きが増えれば、操作性がアップし、電池の減りが随分と軽減されることがあります。
先日、どうにも動作が重くて買い替えを検討していた4年もののスマホから、不要なアプリと動画を削除したところ、満足にサクサクと動いてくれるようになりました。
特に使用していなかったアプリで、電池や容量を大量に使っていたものがあり、その削除が大きく貢献しました。
こういった削除を試しても解消しない場合は「寿命」と割り切り、新しいスマホに買い替えます。
サンプルはとっておかず「日常使い」する
お店で化粧品や洗剤のサンプルをもらう機会は意外と多いものです。
しかし、もらったサンプルを
「今使っているものをうっかり切らしたときに使おう」
などという理由で、「とっておく」方が多いのではないでしょうか。
こうした「とっておいた」サンプルはいつしか大量にたまり、使われることなく引き出しの一角を占領してしまいます。
そこで意識的に「日常使い」をしてみてはいかがでしょうか。
使わずに捨てるよりも、はるかに有効活用できます。
数日分でも無料のものを使えば、日常の化粧品代や洗剤代を節約できます。
化粧品と洗剤は使い切ってから買う
使いかけの化粧品や洗剤が、洗面所やキッチンを占領してしまうことはありませんか。
新しい商品が出てきたら、使ってみたくなるものです。
そこでつい買ってしまうと、今使いかけのものが余ってしまいます。
捨てるのも何となくもったいなくて結局放置されるというのが、「占領」に至る過程です。
そこで、いったん開けたものは「使い切る」ように心がけると、占領状態を防ぐことができます。
化粧品が万が一合わなかった場合にも、顔がダメならボディー用にと塗ってみると意外と問題なく使い切れることもあります。
最近の化粧品や洗剤は「詰め替え」が販売されていることが多く、他の洗剤に買い替えると以前のパッケージが余ってしまいます。
このお悩み解消には、100均の詰め替え容器が役立ちます。
化粧水のボトルも、洗剤のボトルもいろいろなタイプの詰め替え容器が販売されています。
こうした100均の無地の詰め替え容器を上手に利用すれば、中身が変わっても違和感はありません。
詰め替え商品なら、開けてしまったものをその辺に放置はできません。
ひとつの商品を使い切ってから、次を買うことにつながります。
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汚れたかばんや靴は自分で洗ってみる
汚れたかばんや靴を見かけると、つい捨てて新しいものに買い替えたくなります。
その前にぜひ一度洗ってみてください。
筆者は今までに以下のようなものを洗ったり拭いたりして復活させたことがあります。
1. マリメッコのナイロンのリュックサック
Step1. シンクに水を張り中性洗剤を溶かし、リュックをつける。
Step2. 汚れのひどい箇所は手で軽く擦る。
Step3. 水を2度変えてすすぎ、軽く水分を絞って形を整えて陰干し。
これで、買った当初の色合いが復活しました。
2. 白のコンバースのスニーカー
Step1.「ウタマロせっけん」を使って、古歯ブラシで洗う。
Step2. 陰干しする。
ウタマロの漂白効果で真っ白に復活しました。
3. 革のバッグ
Step1. 革専用のクリーナーをしみ込ませた柔らかい布で、バッグの表面を拭く。
汚れが取れ、買った当初の風合いに近い状態まで復活しました。
ただし、これらの方法は品質を保証するものではありませんので、不安な方はメーカーにお手入れ方法をお問い合わせください。
買い替えるより、お直しの専門店に修理や洗浄を依頼した方が安くなる場合もあります。
見積りだけなら無料で対応してくれる店も多いので、自宅で洗えないものなら試してみる価値はあります。
こういった方法を試しても、満足のいく風合いが戻らない場合には「使い切り」です。
買い替えましょう。
古タオルは雑巾としてどんどん使い捨てる
古くなったタオル類は、掃除のためにどんどん使いましょう。
そして汚れを拭き取ったら、そのままゴミとして捨ててしまいます。
拭き掃除用にわざわざ雑巾を買う費用を節約できますし、使い捨てるので洗う手間も省けます。
ハンドタオルに限らず、ハンカチでもよいですし、古着でも構いません。
日常用タオルの枚数が少なくなったら、その分新しいものを買いましょう。
ボロボロのタオルを我慢して使うことがなくなりますし、生活の質もアップします。
「使い切ること」に意識を向けると、気持ちも暮らしもスッキリ
「買わないこと」、「捨てること」を実践するより、「使い切ること」に意識を向ける方が辛くなく、断然ラクです。
捨てるときも新しいものを買うときも「満足感」、「納得感」が違います。
こうした変化は、無駄なものを買わなくなる節約をもたらします。
皆さまも「使い切る暮らし」を実践してみてはいかがでしょうか。(執筆者:石田 彩子)