米中貿易戦争や、イランと米国の対立など、政治情勢が原因で世界の企業業績が悪化してきています。
このように景気後退や戦争など、政情不安が高まると注目される投資対象に金(ゴールド)があります。
しかし、金投資について株式のように詳しい方は少ないようです。
本記事では、あなたの資産を守る金投資の特徴を解説します。

目次
金の価値ってどんなもの?
金は「金そのものに価値がある」という点で、株式や債券とは性質が異なります。
その価値を物理的にいえば、物として腐食しにくく、電気導電性が広いため産業で幅広く使われているという点が挙げられます。
また歴史的に言えば、ツタンカーメンの黄金マスクを代表するように数千年間、さまざまな文明で宝飾品として珍重されてきました。
金は物理・歴史的な価値を元に、現代の通貨や不動産、その他投資商品と比較しても、その価値が認められています。
例えば、世界で最も強い通貨といわれる米ドルは、もともと金との交換レートで価値が決められていました。
今も、米ドルの価値が棄損されると、金が買われます。
また不動産と比較しても、持ち運べるうえ、世界中で売買できる点で、長期的な価値が認められています。
デメリット
通貨や不動産は金利などの利回り収入が得られますが、金は持っていても価格変動分しか損益を生みません。
またインフレの時は、不動産の方が金より価値が上がりやすくなる傾向があります。
これらの特徴を踏まえると、金は資産運用の世界で、他の資産にはないユニークな価値を期待されるものといえます。
金投資の種類は意外と豊富です
金投資は現物の売買だけではありません。
非常に多くの金融商品が用意されています。

この表のように、現在のほぼすべての金融商品で、金をベースにした投資商品が提供されています。
証券会社や銀行で口座を開けば、何かしらの金関連商品を購入することができます。
金投資は、意外と身近なものと言えるのです。
金投資を無税の年金運用に使いましょう

おすすめの金投資の方法は、iDeCoなどの確定拠出型年金運用です。
原則として、60歳以上にならないと引き出すことができないiDeCoの運用において、金をポートフォリオに入れるようにしてください。
そうすることで、あなたの老後資金を、他人より一回り大きく育てることができるでしょう。
その理由は、金が投資対象になるタイミングにあります。
機関投資家などプロの投資家は、預かった投資資金を常に運用しなければなりません。
しかし、景気が悪くなると株式では損失が出ます。
さらに政情不安になれば債券も下落するでしょう。
その時、機関投資家は金に運用資金を集める傾向があるのです。
このことを知っていれば、iDeCoで株や債券がダメでも、金の投資信託にあなたの資産を預けられます。
その結果、不景気でも安定して資産を増やすことができるでしょう。
さらにiDeCoなら税金がかからないので、他の金関連投資商品のように税金を気にする必要もありません。
金融商品の中で、最も長く価値を認められてきた金投資をうまく使って、余裕のある老後資金の確保に役立ててください。(執筆者:卜部 友二)