株式投資は、インターネットの普及と証券業界の努力によって、年々少額でもできるようになってきています。
預金金利がほぼつかないうえに、老後資金が夫婦で2,000万円不足するといわれる中、少しでも資産を増やすために少額からでも投資を始めることは、ますます重要になっていくでしょう。
本記事では、少額投資の注意点を解説し、具体的な投資対象となる銘柄を紹介します。

目次
少額投資は手数料が割高になりやすい
少額投資を実際に始める時に気になることは、購入単価が10万円以下などと低いために売買手数料が割高になることです。
東京証券取引所は上場企業に売買単価が5万円以上となるように希望を出していますが、一時的に3万円以下になることはよくあります。
そうなると、従来の対面型証券会社では、3万円の購入で1,000円程度の手数料を払うことになります。
この手数料を株価の上昇で取り戻すには、3%以上の株価上昇が必要です。
この点は、ネット証券を使えばある程度解決します。
ネット証券は運営コストが低い分、手数料が安く設定されています。
例えば、10万円以下の売買に対して、手数料が100円前後、30万円以下でも300円以下という設定が多くなっています。
これなら、手数料分を取り戻すには株価が0.1%上がればよい計算です。
少額投資で利益に満足できるか

少額とは言え、リスクをとって投資する以上、少しでも多くの利益を上げたいと思うのが人情というものです。
ところが、単純な話ですが、3万円の投資で5%の利益が出ても1,500円にしかなりません。
この利益額に不満を感じる方は多いと思います。
しかしながら、投資は金額で考えると危険な面があります。
利益と損失は同じ確率で起こると考えられるからです。
大きな金額を投資すれば、5%でも利益額は高くなります。
一方で、5%マイナスになったときの損失も高額になるのです。
この投資の原則を理解したうえで、
ようにしてください。
例えば、
と言われています。
あなたが少額でも投資するなら、この収益率を達成すれば成功と考えましょう。
少額でもリスク分散できるETF

少額投資の欠点の1つに、
ということがあります。
たとえば、日経平均が1%以上上がっている日に、あなたの買った銘柄だけが業績下方修正を発表して3%の下落をする、ということが起こります。
このような欠点を補ってくれる投資対象にETFがあります。
ETFとは、Exchange Traded Fundsの略で「上場投資信託」とも呼ばれます。
この
具体的には、
・日経平均のETFが、ダイワ上場投信-日経225(1320)を筆頭に9銘柄
・TOPIXのETFは、ダイワ上場投信-TOPIX(1320)を筆頭に7銘柄
あります。
これらのETFは1,000円台から購入できるので、少額投資に向いています。
少額投資で着実な資産形成を進める
少額投資の注意点と、その欠点を補うETF投資について紹介しました。
長期的に考えると、世界の経済成長の恩恵を受ける株式で資産を運用すれば、世界の中でのあなたの資産状況を維持できるはずです。
許容できる金額で着実な投資を続けていきましょう。(執筆者:卜部 友二)