遺言執行者となった場合、何をしなけ ればならないのでしょうか?」

目次
解説
遺言執行者は遺言の内容を実現するため、民法第1012条において、相続財産の管理その他遺言執行に必要な一切の 行為をする権限を有すると定められています。
(遺言執行者の権利義務)
第千十二条 遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。e-Gov
1. 遺言執行者の義務
以下に遺言執行者の義務について記します。
(1) 通知義務
任務を開始した時には、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければなりません。
(2) 財産目録作成義務
相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければなりません。
また、相続人の請求がある時には、その立会をもって相続財産の目録を作成し、または公証人にこれを作成させなければなりません。
(3) 遺贈の履行の報告義務
遺贈の履行は遺言執行者のみが行うことができます。
相続人の請求がある時には、いつでも遺言執行の状況を報告し、遺言執行が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければなりません。
(4) 受取物等の引渡義務
遺言執行をするに当たって、受け取った財産等や相続人のために遺言執行者の名で取得した権利を相続人に引渡し、また、移転しなければなりません。
(5) 補償義務
相続人等に引き渡すべき金額を自分のために使った場合、利息を支払わなければなりません。
また、その場合に損害が生じた場合は賠償しなければなりません。

2. 遺言執行者の権利
以下に遺言執行者の権利について記します。
(1) 費用償還請求権
遺言執行のために要した費用を返してもらうことを請求する権利があります。
(2) 報酬請求権
遺言執行者はその仕事に対する報酬を請求できます。
遺言執行者は、遺言の内容を実現するために必要な手続きをする人のことをいいます。
遺言執行者には、相続人のほか、税理士や司法書士など、誰でもなることができます。(執筆者:小嶋 大志)