台風などの自然災害で、大きな被害が続いています。
自然災害の恐ろしいところは、自分で防げる範囲が狭いことです。
典型的なのが、「もらい災害」とでも表現するしかないような被害です。
例えば、
・ 隣の家の屋根が飛んできて家の壁に穴があいてしまう
・ 街路樹が倒れて窓ガラスを割る
など多数の被害が出ています。
こんな時、保険はカバーしてくれるのでしょうか。
実際に見てみましょう。
目次
住まいの損害は、まず「火災保険」をチェック

紀元前のずっと昔、世界で初めて保険の原型のようなものができたのは、遠くへ商いに出掛ける隊商の商品をお互いに損害が出た際に補完し合うものでした。
「お互いに助け合いましょう」というのが、根底にあったようです。
ところが、自然災害の際は、助け合いというより、降って湧いた災難の様相です。
もし加入している保険のどれかで被害をカバーできるなら、ぜひお願いしたいので調べてみると、「住まいの損害は、まず火災保険をチェック!」するべきだそうです。
「火災保険」というと、火事関係のみの担保と思いがちですが、実は住まいの被害全般を担保しているものが多いことがわかります。
契約内容によっては、風災、水災、落雷や台風被害まで担保する場合があります。
どんな場合に「火災保険」が使えるか、確認してみましょう。
【風災】台風、強風、突風や竜巻被害まで担保
台風の際にゴーゴーと窓ガラスを揺らす強風、恐ろしいです。
アメリカのハリケーン、カトリーナ(2005年)の通過の際、ハイアットリージェンシーホテルの窓ガラスが粉々に砕けた映像は背筋が寒くなるものでした。
台風の強風で雨樋が壊れたり、強風で車庫が壊れたりした際は、火災保険をぜひチェックしてみましょう。
同じように、雪災、雹(ひょう)の災害も適用されることがあります。
雹は特に破壊力が激しいので、「屋根のソーラーパネルが割れた」などの際は、「屋根の一部」や、建物の付帯設備として火災保険で担保される場合がありますので、契約内容をチェックしてみましょう。
また、保険契約には「免責範囲」があります。
自動車保険等でもそうですが、「損害額が〇〇円以下は不担保」という条件つきの場合がありますので、契約内容を確認してみましょう。
【水災】台風や豪雨による浸水、高潮、土砂崩れの損害は?

水災は、風災と違って状況がどんどん変わる、という特徴があります。
床上浸水は大きなダメージになりますが、壊れた屋根のようにずっとその場にあるわけではないからです。
また、火災保険各社で損害の補償範囲が違うようです。
契約内容を確認してみましょう。
「契約書が見当たらない」とか、「見てもよくわからない」、そんなときは「お客さま相談室」などで相談してみましょう。
意外に補償対象になっていることがあるかもしれません。
外部的な不注意による損害などの補償
「外部的な不注意って、何よ?」とギモンに思われるかもしれません。
例えば、
・ ボールが飛んできて窓ガラスが割れた
・ デモや集団行動による破壊行為で損害を受けた
などのケースが相当するようです。
「火災保険」ニューフェースは、「自然災害重視型」も!

意外に守備範囲が広い「火災保険」、台風被害の際は、真っ先に確認したいものです。
家財も火災保険に加入していると、家財の盗難の補償もあります。
また、これから火災保険に加入しようと考えている場合は、自然災害に重点をおく火災保険を検討してみるのも選択肢の一つかもしれません。
こくみん共済(全労済)の「住まいる共済」は、火災共済・自然災害共済とサブタイトルがついて、キャッチコピーは「自然災害、地震も、火災も手厚く備える」です。
実際に、共済金(保険契約の保険金にあたるのも)の支払いのうち、85.4%が自然災害の支払いとホームページに掲載しています。
基本は、自然災害の際の建物や家財の被害は、まず
と覚えておくといいでしょう。
新しい保険では、最近の自然災害に対応したものも増えているようなので、契約更新などの際は、一度検討してみてはいかがでしょうか。(執筆者:大倉 愛子)