最近はシェアリングエコノミーなど働き方が多様化してきましたが、個人事業主である以上、抱えるリスクというのは他の個人事業主と比較してもあまり差がないと思われます。
身体的なリスク
休業リスクなど
です。
一般的に高収入と見られるクリニック(診療所)の開業医も法人化していなければ個人事業主として同様にリスクがあります。
身体的なリスクが高いと思われる建設業の個人事業主も自分の体が資本ですから同様にリスクに備えていく必要があります。

目次
保険料の割安な団体向けの保険の加入を考える
ある程度の会社組織は業界団体など付き合いもあり何らかの団体に所属している事も多いです。
その場合、その所属団体の補償制度に加入できたりします。
一方、個人事業主はかなりバラバラな印象を受けます。
業界団体に加入しないと開業できない士業などもあれば全くなんら業界団体もない業種もあります。
また、業界団体があれば目的の補償制度があるかと言うと必ずしもそうでもありません。
そこで、補償制度の加入を前提とした団体加入から考えていくのはいかがでしょうか。
ものによりますが、一般の損害保険より半額水準の保険もありますので、お得な保険をみつけたら加入の検討をすると良いかと思います。
なお、共済制度、補償制度、保険制度などの言葉が出てきますので混乱するかもしれません。
この場合中身をちゃんと見て欲しいと思います。
生命保険会社や損害保険会社が団体保険の受け皿になっている以上「保険」と言う位置づけで良いですし、一般契約に団体割引を適用した形態も多いので、共済、補償、保険の言葉に惑わされずにあくまで保険として比較して結構です。
必要な保険を考える
・ 業務上災害補償(傷害保険など)
・ 事故や災害等で働けないリスク(所得補償保険など)
何でもかんでも保険に加入しようとすると掛け金(保険料)ばかりが増えてしまいますので、必要十分な内容を考えて行く必要があります。
業務用の保険のほうの休業補償とは、例えば電気、ガス、水道などのライフラインが途切れて仕事ができなくなったり、台風や豪雨被害で店に被害を受けて営業ができないなどの物的な被害に伴う休業リスクだったりします。
一方で自分自身が事故や災害を受けてケガをして働けないというリスクもあります。
こちらは生命保険会社の就業不能保険でもカバーできる分野ですが、団体保険の中の所得補償保険を使うと1年更新なのと団体割引により割安です。
自動車保険は団体によって団体扱自動車保険というのもあり、一般の自動車保険より安くなることもあります。
何らか自分が加入済みの保険との比較でもいいですし、これから加入を検討している保険との比較でも良いですので、ぜひ比較してみてください。

団体への加入を考える
個別設計された保険を除くと、団体向けの保険商品は商工3団体と言われる、全国の商工会議所、商工会、中小企業団体中央会の3団体へ供給されています。
ここで問題になりそうなのは団体そのものの会費ではないかと思います。
必要性があって団体に加盟している場合は問題ないと思いますが、団体の保険制度目的となると会費は安い方が良い事になります。
全国の商工会議所、商工会は地元のところに加入する以外に方法がなく、実際に地元の内容を見てもらえばどれ位の会費がかかるか分かると思います。
一方、3団体最後の1つの中小企業団体中央会はさまざまな業界団体が加入する上部組織という事もあり、一律の会費などもなく所属団体次第となります。
中小企業団体中央会の所属団体の中には年会費3,000円という所もあり、これであれば必要経費と割り切って団体への加入するのもありではないでしょうか。
できれば会費は保険のためだけでなく、何らか自分にリターンがあるほうが望ましいので、安めの会費で役立ちそうな団体を探して加入したいものです。
加入の検討
商工3団体の団体保険の加入は大手損保等の代理店で受け付けています。
大手損保の代理店は誰でも扱えるものではあるのですが、専門性が高い分野もあり、説明を聞いて対応上に問題がないかなどを確認すると良いです。(同じ保険会社、同条件の補償だと保険料はどの代理店も変わりません)

中小企業団体中央会のホームページから抜粋すると以下の保険制度が選択できます。
ビジネス総合保険制度
PL保険制度
所得補償制度
情報漏えい賠償責任保険
海外PL保険制度
海外知財訴訟費用保険制度
取引信用保険制度
以上(執筆者:原山 栄治)