10月からの増税に合わせて、住宅ローン控除制度も大きく改訂になりました。
こちらの記事では、「何が変わったのか、利用には条件はあるのか」といった疑問にお答えします。

目次
増税前と何が変わったの?
変わった点は主に以下の3点です。
(2) すまい給付金の対象者が年収510万以下 → 775万以下へ拡充
(3) 次世代ポイント制度が新設(最長で2020年3月31日まで)
それぞれ詳しく解説していきます。
(1) の住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)ですが、年末時点での住宅ローン残高の1%が所得税等から税額控除される減税制度です。
現行では10年ですが、それが13年に拡大されました。
延長される3年間においては
・ 住宅ローン残高の1%
のいずれか少ない額が税額控除されます。
(2) のすまい給付金は、一定年収の方に対し住宅取得のための補助金を給付する制度です。
消費税率8%時は収入510万円以下の方に30万円まで給付でしたが、10%時は収入775万円以下の方に50万円まで給付されるようになりました。
(3) の次世代住宅ポイント制度ですが、一定の省エネ性や耐震性等を満たす住宅の新築やリフォームをした場合、対象の設備に応じてポイントを発行し、商品と交換できる制度です。
これらの措置は、増税による住宅購入の心理的なハードルを下げ、景気の落ち込みを軽減する目的があります。
しかし、利用にはいくつかの条件があり、そもそも適応外の場合もあります。
以下でそれを確認してみましょう。
利用する際の注意点は?
(1) の住宅ローン控除が使える条件は主に下記の通りです
・ 住宅取得後6か月以内に入居し年末まで実際に住んでいること
・ 2019年4月1日以降に契約、10月1日以降に引き渡しであること
・ 新築物件であること(中古物件は適用外)
・ 10年以上の返済期間(繰上げ返済して10年未満になったら適用外)
・ 資金の借入先が一般的な金融機関であること(親からの借入等は適用外)
例えば、2019年4月1日以前に契約したが、引き渡しが10月1日以降になる場合、消費税率は8%が適応されるため、新控除は適応されなくなります。
(2) のすまい給付金の利用条件は、主に
・ 床面積が50m²以上であること
ですが、新築か中古物件かによって適応条件が変わります。
(3) の次世代住宅ポイント制度の利用条件は、主に
ですが、2019年6月3日から申請がスタートしており、実質先着順で予算がなくなり次第、遅くとももに終了とされています。
ポイント付与対象のものは多岐にわたるため、公式HPを確認してみましょう。
制度が使えなくても、実は非課税になるものがある

以上のことから、住宅ローン控除制度にはさまざまな条件があることが分かります。
しかし、実は税金がかからないものもあります。
あまり知られていませんが土地価格は非課税です。
購入の際には建物価格だけに消費税がかかります。
さらに、2021年末までですが、親や親戚からの贈与金(消費税10%だと最大3,000万円)にも非課税枠が増設されています。
このように、制度が使えなくても非課税にできる場合もあります。
購入する物件や時期、援助の有無などで状況は変わる
このように、住宅ローン控除に関する制度は大きく複雑に変更・新設されており、購入のタイミングはいつか、新築か中古か、資金は借入か贈与かなど、それぞれの状況によって全く変わってくるものになりました。
よって、増税前・増税後でどちらが得なのかは一概に言えるものではありません。
しかし、自分はどの制度が使えるのかをおおよそを把握しておけば、いざ契約・購入の際に判断材料になることも多いはずです。
シミュレーションや詳細が知りたい場合は、契約する不動産業者に問い合わせしてみるとよいでしょう。
マイホームは一生に1度の大きな買い物なので後悔のないよう、税制もしっかり調べておきたいです。(執筆者:尋本 景子)