先週は、前週の押しから一転、窓空け陽線で始まり、一気に前週の高値(年初来高値)を上抜け、余地を残していた目途に近づく動きとなりました。
その後横にスライドするような動きをするも、週末に再度大きく上にはねて始まり、上値目途をしっかり突破しました。
大き目な陰線を引いて来た事で、上値突破が本物なのか?フラッグなのかの見極めは来週に持ち越しとなりました。
先週の動きから、前週末の下抜け雰囲気の陽線は買い場だったという事となり、先週一気に上げて来た事で、前週金曜日の対応が、買い向かった投資家と売りに行った投資家では大きく差のでる先週となっています。
ただ、今の高値は時にこの値が上値になるよねという金額ではなく、オーバーシュートとなっているのか?上げていく過程の途中なのか? 判断が難しい高値となっています。
そもそも週末の上抜けの要素は、木曜夜半に流れた米中関税の段階的な撤廃報道がもととなっていると思いますが、先月と同様に好転方向に一部合意などというあいまいなニュースに相場が反応しすぎなのではと考えます。
段階的がどれぐらいの期間でどれだけの品目なのか? これを知らないで相場が動くというのは敏感になりすぎだと思うのが通常ですが、情報に投資家たちが飢えているのだと考えます。
この相場の動きをトランプ大統領は予測して、米中問題を打ち立てて実体経済に影を作り利下げさせ、そうやってダウは下げさせず、米中問題の改善をにおわせ、高値更新という景気の状態を操作しているように見受けられます。
これがシナリオ的なものだとしたら、天才的な市場操作なのですがどんなものでしょうか?
そう考えるとしばらく上げたら、段階的撤廃も一旦白紙などで、再度利下げをあおる動きで、危機感と利下げの理由だけを作ってジリ上げしていく事が想定されますね。
実際のところは、私の妄想の範疇ですので、何か証明や断定材料は無いものの、やっていることと言っていることがちぐはぐすぎて、相場が振り回されているのが実態で、逆にわかっていればこれほど儲けさせてくれる相場はなく、わかってなくても結果的にはテクニカルにのっとって動いているのも事実です。
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そして、SQ算出日まできっちり上げてきました。先月のSQ算出日から本格上昇となっているので、SQで相場に動きが出ることは多く見受けます。
そして8日算出のSQ値は2万3637円となり、木曜日も金曜日も触れることが無い高値にSQ値が算出され、幻のSQと週末の段階ではなったことで、速報値が算出された時間帯ごろから日経平均が下げに舵が切られ、大きな陰線を作って週末入りとなりました。
ただ、引けにかけて多少、値を戻したことで、前日比がプラス圏で引けていることで、絶対に下とはならなかったものの、幅が160円弱の陰線となったことで、9月10月の上昇過程の中では、一番大きい陰線となりました。
この陰線が表す意味が何なのかは、週明けに判明するかなと考えます。
そして週明け、このSQ値を上抜けるのか?週末引け値からSQ値まで250円ほどの余地があり、この差額を埋められずに下げることとなるのか見極めです。
現状、この週末が高値となるには日柄が足りないという意見を私は持っているので、週明けの数日、高値圏でのもみ合いも想定しています。
ただ、現状は上値追いをしているのが現実ですので、気持ちを一方向に偏らせないようにするのが賢明ではあります。
そして、米国の動きを見ると、ダウは小幅に反発しCMEは日経比80円ほど反発となっています。したがって週明けは、上げて寄り付くことが想定されます。
米国では、一昨日に報道された米中貿易関税の段階的撤廃に関して、トランプ大統領が「合意していない」という報道により、一時100ドルほど押した場面もありましたが、引けにかけて値を戻しプラス圏で引けています。
この合意していないという報道によって、週明けの日本市場へはどのように影響してくるのか?
もしくは、週末の陰線がこの報道の影響なのか?
この週末に情報が出てくるとは思いますが、相変わらずトランプ大統領の発言一つで面白いように相場が振り回されるものですね。
目次
現状分析
5日線
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前週同様、変わらず上向きを維持したままの一週間となっています。
位置としては、前週末に下に飛び出したものの、やはり陽線だったので押し目となり、先週に入り一気に窓空けで上に飛び出し、上に乖離したまま一週間経過して週末入りとなり、上げの勢いをイメージつける一週間となりました。
この動きから非常に強く上値追いをイメージさせる動きとなっています。
25日線
変わらず上向きを継続し位置も上への乖離を続けています。
前週末に乖離を3%未満まで押しましたが、週末金曜日の高値は5%オーバーとなり、陰線を引くことになりました。
やはり5%の乖離を作ると売られやすいのかなと考えます。
75日線
変わらず上向きで上を推移する値動きとなっています。
移動平均線の全体的な並びとして、完全上昇トレンドを示したのが10月15日から間もなく1か月。
そろそろ流れ的には調整が来てもいい時期が来週には来るのかなと考えます。
トレンドライン
まず前週記載の2本の切上がりのラインのチャネルのラインが、週末に飛び出す場面もありましたが、先週いっぱい上値抵抗線になったと思われます。
いわゆる下降フラックかもという可能性です。
同じように8月26日と10月10日の安値を結んだラインにチャネルで9月19日の高値から引っ張ったラインも気にしていきたいと思います。
同じく前週も記載した昨年の10月10日から11日にかけて空けた窓を埋めて突破したものの、週末終値は窓の中で引けているので、窓の上限は抵抗線として現状も機能していると考えます。
従って上値に関しては、到達した横軸がすぐ突破圏内ですので、チャネルのライン以外は昨年の10月の高値2万4448円の横軸がこの後、記されるラインになると考えます。
下に関しては、10月29日の高値の横軸、10月18日の高値が目先抵抗線になると考えます。さらには25日線までが調整ラインと考えます。
テクニカル指標
一目均衡表
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完全上方トレンド継続中となっています。気になる点は、前週記載しました遅行線と日々線の「天底一致」が週明け火曜日にやってきます。
そして同じ日が「満月」にもなりますので、一目的には火曜日に相場に動きが出るのではと考えます。
ボリンジャーバンド
バンドの拡大が継続しています。10月21日に拡大を初めて13営業日が経過しました。
拡大を継続する期間としては長いほうです。
通常、拡大からトレンドの向きに代わるものですが、拡大を未だ継続中で、-3σの向きがまだ下向きを維持しています。
位置は+1σをサポートラインとして+2σの間を推移しています。+1σを割るまでは上値追いが続くという考えで見届けていきたいと思います。
スローストキャスト
下げ切らずにゴールデンクロスした後、上げきって週末にデットクロスの雰囲気を出しています。
週明けにしっかりデットクロスとなるか?デットクロス回避となるか? もし回避となるなら更なる上値追いが想定されます。
素直にデットクロスとなったときは、2本のラインがどこまで降りていくかに注目です。
総合判断
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現状の強さは受け入れ、更なる上値追いを視野に入れ、見極めが必要であると考えるのがメインの考えとして、日柄的に上げ始めて26営業日の週明け火曜日に注目していきたいと思います。
私的には、金曜日の陰線の範囲内で、週明けの数日がもみ合って、その後どちらに抜けるか? を見たいと考えます。(執筆者:城 晶子)