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家計を大きく占める住居費

賃貸の方は「家賃」、持ち家の方は「住宅ローン」や「マンションの管理費・修繕積立金」など、毎月の家計の固定費として「住居費」は大きな割合を占めています。
毎日のこまめな節約術も大切ですが、大きい額の固定費を削減するためには「住居費の見直し」が最も効果があるのではないでしょうか。
持ち家で気軽な住み替えは難しいのですが、賃貸なら見直しによる家計の削減が可能です。
今回は「家賃を抑える」という観点での賃貸の家探し方法を紹介します。
1. 家賃の高いブランドエリアは避ける
同じくらいの築年・間取りのお部屋であれば、近隣エリアで家賃の差はほぼないはずです。
それは不動産の賃料は
・ 築年
・ 広さ
でほぼ決まるため。
家賃を抑える家探しは、この三要素をどこまで妥協できるかにかかっています。
ところが家族構成によっては「広さ」は、そうそう妥協できないと思います。
「築年」も新築・築浅を避けるのは前提としても「リフォームしていない築40年超えのアパートでも平気」という方でない限り限界があるでしょう。
「人気のあるブランドエリアは絶対に避ける」ことが大前提です。
東京であれば山手線沿線や港区、渋谷区などのブランドエリアはもちろん、最近人気のエリアも避けたいところ。
地方都市であれば人の多い繁華街よりも、アクセスのいい住宅地がおすすめ。
ブランドエリアを避けて、家族の通勤・通学・行動範囲からアクセスのいい駅を拠点にすることがポイントです。
「人気エリアやブランドエリアじゃないということは、不便じゃないか」という疑問もあるかと思いますが、現状、不動産価格は「利便性」で決められてはいません。
国土交通省が発表する「公示価格」や「路線価」といった基準を参考に決められています。
「世間的には評価が高くなくても、家族の行動範囲からは便利」というエリアであれば、不便もなく家賃を抑えた物件探しが可能です。
快速・急行や複数路線利用駅は家賃も上がりますが、その隣接駅やアクセスしやすい駅であればある程度の利便性があり、家賃も安めになります。
2. 自転車生活なら駅徒歩20分まで検討範囲

インターネットなどで家賃相場を確認し、アクセスのいいエリアを見つけたら実際に見に行きましょう。
街の雰囲気、ショッピング施設、ロケーションなどの暮らしやすさを見るだけでなく、「自転車で行動しやすそうか」をチェックするのも目的です。
エリアとともに賃貸の家賃を大きく左右するのが「駅からの距離」です。
どこも駅徒歩7分以内は家賃が高く、10分を超えると家賃がリーズナブルになります。
もし自転車を中心にした生活が可能なら、
になります。
雨の日のバス代と家族の1か月の駐輪場代を鑑みても、ファミリータイプであれば駅近の物件と比較すると月間5,000~8,000円は節約できるでしょう。
バスも通っていない物件だとさらに家賃は安くなりますが、毎日通勤・通学する人が家族にいるとやはり生活に支障が出るので、自宅のリモートワークなどライフスタイルに影響がない場合は検討してもよいでしょう。
3. 築年は20年前後のリノベーション物件がねらい目
新築・築浅は家賃が高くなってしまいますが、一体、築何年くらいがねらい目でしょうか。
おすすめは築15~20年くらいの物件です。
これくらいであれば設備もそこまで古くはないですし、賃料も安くなっています。
最もいいのは、築20年くらいのリノベーション済物件です。
リノベーションしてあると多少は家賃に反映されますが、今の不動産賃貸価格は「築年」が考慮されているので、実は「築古のリノベーション物件」は、きれいな家にリーズナブルで住めるという点でねらい目です。

リノベーション済物件を探すコツ
「リノベーション済物件は人気が高く、なかなか見つからない」という場合に探しやすいコツが2点あります。
1. 検索条件「築20年以上」で探す
賃貸ポータルサイトで探すとき、検索条件で築年数を10年や20年以下に設定する方もいるかと思います。
リノベーション済の賃貸物件は多くは「築20年以上」なので、検索した時にリノベーション物件を見落としがちなのです。
まず築年の条件を付けずに検索してみましょう。
2. 管理会社などの自社ホームページをチェック
賃貸ポータルサイトだけで探さずに、不動産会社やリノベーション会社、管理会社などの自社ホームページで見てください。
賃貸ポータルサイトは掲載料がかかるため、すべての物件を載せているわけではありません。
むしろ「なかなか借り手が見つからない」物件をポータルサイトに掲載するケースも多く見られます。
不動産会社、リノベーション会社の自社ホームページであれば、他社にない情報も含めて、見つけられにくいお得な物件情報を探すことも可能です。
物件探しは「引き算」
駅に近くて、スーパーもあって、セキュリティー完備、キレイで広い…と理想を挙げると、家賃は当然高くなります。
家賃を設定してから、妥協できる点を探し引き算していきましょう。
家賃は安くなったけど、ほかに出費が増えたなどの失敗もしないよう、慎重に検討してください。(執筆者:森戸 海香)