老後資金2,000万円問題から、資産運用を自分ではじめようとする方が増えています。
しかし、投資について調べると、あまりにも情報が多すぎて迷ってしまう方も多いでしょう。
本記事では、GPIFのポートフォリオから学ぶ、iDeCoの堅実な運用手法を紹介します。
目次
GPIFのポートフォリオからプロの運用を学ぶ
GPIF(年金積立管理運用独立行政法人)は、2006年に設立され、私たちの年金を運用しています。

運用資産は2018年12月末で約150兆円となっており、世界最大級の年金基金です。
これだけの資金量があり、大切な私たちの年金を運用しているGPIFは、長期的に世界の経済活動へ資金を提供することで、資産を適切に運用しています。
これは考え方を変えると、最も優秀な運用のお手本と言えるでしょう。
つまり、GPIFの運用手法を学べば、これ以上ない資産運用の勉強になるということです。
もちろん完全に同じ運用はできませんが、公開されているGPIFのポートフォリオをiDeCoでまねることはできます。
GPIFの基本ポートフォリオの考え方
GPIFは基本ポートフォリオを公開しており、その解説もウエブで見つけることができます。
GPIFでは、私たちの年金を安全かつ効率的に運用するため、以下のグラフのように複数の資産を組み合わせて運用しています。

そして「長期的な運用では、基本となる資産構成割合を決めて、その割合を維持することが効率的に良い結果をもたらす」という考えにのっとって、ポートフォリオを管理しています。
実際の運用では、上記の基本ポートフォリオから資産が一定の割合乖離したら、資産の入れ替えをしています。
このやり方なら、私たち個人がiDeCoの資産運用をする際にも、まねできそうです。
iDeCoでは、それぞれの金融機関がさまざまな投資信託を用意していますが、基本となる分類は
・ 国内株式
・ 外国債券
・ 外国株式
です。
この4つの資産クラスを組み合わせてiDeCoを運用する具体的な手法を考えてみましょう。
iDeCoのポートフォリオ変更を無理なく行う

ポートフォリオ管理を行うときのポイントを、2つ紹介します。
1. 割合の乖離幅
例えば国内株式を25%保有していると、日々の値動きでこの比率が変わってきます。
個人の感性によりますが、10%も変わってしまったら、基本ポートフォリオを維持できているとは言いにくいでしょう。
基本ポートフォリオでは、外国債券が15%と最も低い割合になっています。
これを基準に考えると、基本ポートフォリオからプラスマイナス5%の変化が生じたら、ポートフォリオの調整をして、元の割合に近づけるようにしましょう。
2. 調整を加える期間
iDeCoは非上場の投資信託を運用するので、売買の成立に2~3日かかることがあります。
そのため、あまり頻繁にポートフォリオの調整をしてもうまくいきません。
長期の資産運用なので、ポートフォリオ調整の期間は3~4か月に1度を目安にすれば十分だと思います。
以上2つのポイントのうち、どちらかを満たしたときに、ポートフォリオの調整をしましょう。
そして、GPIFの成績と比べて、自分の運用成績を評価し続けていけば、プロの機関投資家の資産運用を学びながら、運用の経験を積んでいけます。
大切な資産を無理せず運用できるように、GPIFを参考にして、着実に勉強してください。(執筆者:卜部 友二)