Windows95が発売されてIT化が始まってから20年以上たちました。
ついに、当時想像された未来の学校の姿を実現する予算が計上されるようです。
義務教育の小中学生に1人1台のパソコンが割り当てられる教育現場の実現で、恩恵を受ける銘柄を紹介します。
目次
政府主導で未来型教育現場を実現
2000年ごろ、Windowsシリーズが普及しパソコンやインターネットが爆発的に広まりました。
その頃、未来の学校としてイメージされたのは、黒板がなくなり、1人1台のパソコンで授業をする風景でした。
20年近くたった今、1人1台のパソコンを配置するために政府が動き出したようです。
文部科学省によると、小中高校のパソコン配置は2019年3月末の段階では5.4人につき1台となっています。
パソコンを1人1台に割り当てるにはお金がかかります。
そこで政府主導で都道府県単位に予算を付け、調達コストを下げて1人1台を実現するようです。
この政策によって、教育現場のパソコン需要が単純計算で5倍になります。
教育現場向けパソコン販売実績がトップクラス:内田洋行(8057)

この教育現場改革ともいえる政策で、注目されている銘柄の1つに内田洋行(8057)があります。
同社は情報・教育システム、オフィス構築を手掛ける専門商社で、情報分野が基盤事業となっています。
その中でも学校向けのコンピューター関連販売は直販が多く、優良な収益基盤です。
シェアも高く、学校向けコンピューター需要が5倍になれば、業績インパクトも大きそうです。
1Q決算でさっそく業績が急拡大
内田洋行(8057)は、11月29日に第1四半期の決算発表で、驚きの業績を報告しています。
その報告によると、前年同期比で
経常利益は31倍
通期計画に対する進捗率は98%
となりました。
文字通り桁違いの業績改善をしています。
増収増益の内容を見てみると、教育ICT化の需要拡大を背景に学校向けIT関連機器の販売が急増したそうです。
Windows10への更新でパソコンとシステムの更新が増加しました。
期待通り、学校のパソコン1人1台の政策による恩恵を受けているようです。

投資対象としての考察
この決算を受け、内田洋行(8057)の株価は2日連続ストップ高となっています。
業績の急拡大とテーマ性から、強力な買いが入っているようです。
これから同社の株価を買う場合、どのような点に注意したらよいか考えてみます。
業績は、安定的に伸びていきそうです。
今期の決算から学校のシステム更新需要が伸び、その恩恵を受けていますが予算が付くのはこれからです。
そのため、今回の業績発表で見られた利益率の改善は当面続くことが予想されます。
次に株価の割安感を見てみます。
決算発表から2日連続ストップ高で、株価はだいぶ上がりました。
株価の割安感を見るPERは24倍程度になっています。
内田洋行は東証1部の卸売商社なので、11月末時点のPERの目安は13.2です。
業績の急拡大分を考えても、少し割高と言えそうです。
株価調整のタイミングで買い
現時点では話題性もあり株価が高くなっていますが、いったん落ち着けば株価は調整するでしょう。
業績が右肩上がりを見込める間は、株価調整のタイミングで買っても十分に利益が見込めそうです。
じっくりタイミングを待って、取り組んでみてください。(執筆者:卜部 友二)