先週は、前週のもみ合いから週初めに上抜けの雰囲気を出すも、その後押す動きとなり、この一か月のもみ合いレンジの下離れを狙う雰囲気を出すも、明確に割ることなく反発した雰囲気を出して週末入りとなりました。
この動きでこの一か月続くレンジの硬さがイメージつけられる一週間となっています。
結果的に11月1日から5日の窓は一回、髭で埋めたものの未だ抵抗帯として意識される状況となっており、合わせて上げてくる25日線も割はするものの割った翌日には下げ止まりかつ反発という動きとなっています。
レンジの上に関しては、11月8日に意識した2万3600円を11月12日・26日そして先週月曜日の12月2日と上値の蓋として意識させる値動きとなり、約ひと月で作られる切り上げ型他の三角保ち合いとなっています。
その前に意識した10月10日の11月21日でできた切上がりのラインから形成された三角保ち合いからは、先週、下離れたかなと思わせましたが1日だけの割り込みで返り咲きの雰囲気となっています。
どちらにせよ切上がりの三角保ち合いで、上値が横並びという事は上放れの可能性のほうが高くなりますが、どうなることでしょうか?
もちろん合わせて25日線も上向きで大きく割ることなく維持しているという事は、上昇トレンドが崩れたといえる状況にないことが継続しているといえると考えます。
ただ、切り上げ型の三角保ち合いは天井であれば下に行くという事もあるので可能性的に上が高いだけで、絶対に上に行くというわけではないのが悩ましく投資家に迷いを持たえせる要因であると考えます。
しかし、前々から書いている通り、細かくは玉を回して買い玉の利確などはするものの、今の上限の2万3600円に関しては、上抜けたときの次の目途が昨年の高値と考えられ、2万4448円まで節目が薄いと考えると上抜けてから買い乗せしても十分に利幅が取れることを考えると、買い玉の扱いは多少大雑把になってもよいかと考えます。
売り玉に関しては、下げたときのスピードを考えると持っているべきですが、現状、上昇トレンドが崩れていないことを考えると長く引っ張ると損がかさむのでなお悩ましい状況です。
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そんな中、ファンダメンタルでは前週後半から前週末、先週頭にかけて世界的にザワザワしていました。
米中問題に関しての思惑、トランプ大統領の発言で上げ下げ振り回されトランプ大統領による新たな関税やら、日本との交渉事など先行きが全く読めず、米国の経済指標のIMS、ADP、雇用統計と上げ下げの材料となり、なかなか一方向に固まることなく今のもみ合いを作る流れとなっています。
そして例年であれば前週末発表のブラックフライデーの小売売り上げで、年末のクリスマス商戦が占わられ、その動きが継続となるはずが、前週末の好調という発表は、全く機能していません。
日本の週明けだけが振り回せる始末となっており、過去の経験則がなかなか当てはまりづらいファンダメンタルな状況となっていることから、決めつけで相場を見切ることの危険さをにじませています。
さらに前々週に売り越しに回った外国人は再度、前週大幅買い越しに戻すという展開が週後半に流れ週末から週明けの反発を作っていると考えられます。
この買い越し幅から見ると週明けに上抜けの可能性も考えられ、さらに迷わされる環境下となっています。
その上で先週の出来高を見ると売買代金は膨らむことなく2兆円前後の推移となり上抜けするにも下抜けするにもインパクトが足りないと考えられます。
そうなると週明け以降、世界的にイベントが盛りだくさんで、日銀短観から米中関税の発動の有無などそれらのイベントから動きが出るか注目なのですが、この週末発表の雇用統計は予想外に強く今後の利下げ観測が後退とみられる中 週明けにどのような反応になるかも注目と言えると考えます。
さらに、週明け後半にはSQなどから相場に動きが出るかどうか? と外国人ファンドマネージャーたちのクリスマス休暇に伴うポジション整理の調整があるのか?なかなか緊張感を解けない時期が続くこととなります。
目次
現状分析
5日線
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先週、上向きで始まるも、週半ばはいったん下向きとして、週後半は再度上向きとして、週末入りとなりました。
位置としては、週初め上で始まり火曜から木曜までは下で下に乖離するも週末金曜日は触れながら増えに飛び出し大引けで上を維持して週明け反発示唆しての週末入りとなっています。
そして週明けは反発して始まる公算で上への窓空けと上抜けチャレンジという展開となりますが、窓を維持できるか?陽線となるか?なかなか先行きが見えない状況です。
25日線
緩やかになるも上向きを維持したままの一週間となっています。
前々週に続いて先週も25日線を割り込む場面で陰線形成となりましたが、前回の割り込みと同じようなパターンで下髭形成して翌日から反発という展開となりました。
25日線を割って陰線から下落が始まるのは、可能性として高いし事実なのですが、上向きの25日線を割り込んでもなかなか素直には下げないというセオリーに関しても当てはまった動きをしていると考えます。
75日線
変わらず上向きで上への乖離を維持し続けています。
乖離が狭くなったとはいうものの未だ、1000円以上の乖離を維持しており対75日線に対して日柄調整しているように見受けます。
今後の乖離の詰め方は注目していきたいと思います。
トレンドライン
もみ合い継続していることを考えると概ね前週と変わってないと考えます。
目先下に関しては、11月5日・14日・22日の安値の横軸、10月18日の高値・11月1日・21日の安値9月26日・10月15日の高値の横軸が段階的なサポートランとなると考え、途中に切上がりの線として25日線・10月10日と11月21日の安値を結んだラインがあり、一週割り込みましたがこの後も意識すべきラインでさらに11月21日と12月4日の安値を結んだ切上がりのラインが意識されます。
その下には8月26日と10月10日の安値を結んだラインとなり一番下の切上がりのラインが下落入りの見極めラインと考えます。
上に関しては、目先2万3600円のラインが上への加速の始まりのラインで、その上が昨年の高値2万4448円が節目になると考えます。
テクニカル指標
一目均衡表
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その時々には陰りは出るも、上方シグナル点灯中で雲に平行に切り上げているように見受けます。
ただ遅行線と日々線が近づいていることでそろそろ上か下かに動きが出ると考えます。
ボリンジャーバンド
バンドが未だ収斂を続けており、この後上下どちらかに離れて動きが出るのか?注目しつつも前週記載した通り+1・2σの細かい波うちが未来のBOXを示しているのか?
もしくはすでにBOXに入っているシグナルなのか? 様子見です。
ボリンジャー理論的には、トレンドが出るとしたら+-2σの外側に明確に離れることでトレンドが始まりだすのでそのあたりを見極めポイントとしてみていきたいと思います。
スローストキャスト
下げ切らずゴールデンクロスの雰囲気を作って週末入りとなっています。
端的には弱くないという判断で、上抜け示唆というには、前回のゴールデンクロスの位置を下回っているので、上抜けていくというには材料的に足りないと考えます。
このゴールデンクロスが瞬間的で即デットクロスとかであれば下抜けでこのまま順調に2本のラインが上げて上まで上げてのデットクロスとなるならば上抜けの可能性は高くなると考えます。
総合判断
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いまだ上昇トレンドは維持されており、いつ下がるという意識は捨てられないものの、上抜けにも十分注意しつつ売り玉を細かくロスカットしながら保有という展開になっていると考えます
。
世界的に政治的に上げたいとなっている昨今に実体経済がついて好調となるようであれば、本格的な再上昇が始まります。
この週末の雇用統計の好調さが本物なのか?
前週日曜日の日経新聞のトップ記事からくる債務の拡大が本物なのか?
しばらく緊張感をもって見極めていきたいと思います。(執筆者:城 晶子)