最近新築マンションが売れていないというニュースを耳にしますが、理由はなぜでしょうか。
実際のところはどうなのでしょうか。
気になるマンション販売の実態を見ていきましょう。

目次
価格が高騰している
新築マンションが売れていない理由はずばり、価格が高いからです。
新築マンションの供給量はここのところ大きく変わっていません。
供給量は2016年から2019年の予想を含めほぼ横ばいの3万戸台後半ですが、実際のところ売れていない物件が増えているようです。
中古マンションの取引数は上がってきていますので、新築が売れていない分、中古マンションに流れているとも言えるでしょう。
最近の新築マンションの売り方
以前は、計画地に何も建っていない段階での即日完売・抽選などの売り方がよいとされてきました。
しかし最近は、超大手のマンションデベロッパーが増えてきたため資金繰りに余裕があり、完成しても販売を継続していたり、ひいては販売開始をしないマンションが増えてきています。
超低金利政策のおかげで資金調達コストが下がっているのも一因のようで、早く売るより高く売ることに重きをおいています。
金利が高い時代に比べると多少のんびり販売していても大丈夫ということです。
価格が高くなった理由
それではなぜ高くなったか、それは建築費が高騰しているためです。
マンション以外にも東日本大震災の復興やオリンピックで建築のニーズが上がっています。
都心では新規のオフィスビルの建築も進んでいます。
そのためマンションの供給戸数がそれほど増えていなくても、復興や事務所ビルなどの建築現場に資材や人が投入されているので、その結果として建築費が上がっているのです。
建築費が高くなってしまうと販売価格に反映されるので、結果的に高くなり、なかなか売れないというわけです。
高く売らないと利益は出ないが、急いで売らなくてもどうにかなっているという状況です。

今後の新築マンション価格
今後の新築マンションの周辺状況は急激には変わらないと言われています。
すでに計画中のマンションもありますし、現在も建築費は高いままです。
大規模な開発計画は都内にいくつもあり、そのどれもが期待されています。
まもなくオリンピックが開催されますが、開催に関係なくその後も建築は計画されていますので、オリンピックによる不動産価格への影響は限定的でしょう。
都心人気がより一層高くなってくると予想されているので、今後も都心に近いほど新築マンションの価格は上がるかもしれません。
少なくなったといわれる即日完売も都心の人気地域では例外です。
今後さらに人気が都心に集中していく見込みです。(執筆者:西原 太)