有給休暇の減り方を気にかけたことがありますか?
減り方よりも、残日数のほうが気になるかもしれません。
でも意識しないと、損な減り方をしている場合もあります。
有給休暇の減り方について紹介します。

目次
有給休暇の減り方は2通り
有給休暇を取得すると、残日数が減っていきます。
残日数ばかり気にしていると、減り方に注目がいかないと思います。
実は有給休暇の減り方には、以下の2通りがあります。
・ 前回付与されたものから減る
「減るんなら一緒じゃない?」と思うかもしれません。
どんな違いがあるのか具体的に紹介し、損している人と得している人との違いを見てみましょう。
損している人:前回付与分から減る場合
有給休暇の減り方で損をしている人は、前回付与分から減っている人です。
たとえば以下のように、有給休暇が残っていたとしましょう。
・ 前回分:5日
残日数は合計で25日です。
このタイミングで、新規の有給休暇20日が付与されるとします。
すると前々回有給の20日は、使わないまま消滅です。
新規の有給休暇が付与された状態は、以下のとおり。
・今回分:20日
残日数は、合計で25日です。
結果的に残日数は25日と同じですが、実は損をしています。
次に紹介する、得している人と比べると、よくわかります。

得している人:前々回付与分から減る場合
有給休暇の減り方で得をしている人は、前々回付与分から減っている人です。
例としての残日数自体は、さきほどの「損をしている人」と同じで見てみましょう。
・前回分:20日
残日数は、25日で合計が同じです。
このタイミングで、新規の有給休暇20日が付与されるとします。
すると前々回有給の5日は、使わないまま消滅します。
新規の有給休暇が付与された状態は、以下のとおり。
・今回分:20日
残日数は、合計で40日です。
損をしている人の新規残日数が25日だったので、その差を比べると15日も多くなっています。
有給休暇の減り方は会社が決められる
なぜ、有給休暇の減り方がこんなにも違うのでしょうか。
減り方について、法的な決まりはなく、就業規則として会社が決めます。
会社としては、「損する人」の例で挙げたように、前回分から減らしていくほうが人件費削減となります。
働く人からみると有給休暇はありがたい制度ですが、会社としては
という完全に考え方の違いです。
自分の会社の有給休暇の減り方を知る方法
有給休暇は、給与明細をみると残日数が載っています。
でも前回分、前々回分から減っているのかはわかりません。
そんなときは、会社の担当者に聞いてみましょう。
どちらの方法で減っているのか、わかります。
会社としては、制度を従業員へ開示する義務があります。
万が一教えてくれない場合は、労働基準監督署などに相談してみましょう。
有給休暇を漏れなく全取得するのが1番
自分の会社の有給休暇の減り方が、「損する人」の減り方だった場合、基本的にはどうすることもできません。
できるだけ、従業員の権利である有給休暇を漏れなく全取得するのが、1番です。
「得する人」の減り方だったとしても、結局有給休暇を取得しなければ、古いものからどんどん消滅していきます。
どちらにしても、タイミングをみて積極的に取得していくのがよいです。(執筆者:編集部)