光熱費がかさむ季節がやってきました。
ドラッグストアやホームセンターには、冬の光熱費高騰に打ち勝つための節約グッズが多数販売されています。
しかし光熱費を下げることができても、節約グッズの購入費用という導入コストを上回る節約効果がなければ、意味がありません。
代表的な冬の節約グッズ3点の購入代金と節約できる光熱費を比較し、実力を検証します。
目次
ホットカーペットの設定温度を下げるアルミマット

価格は楽天市場の「びーんず」にて税込・送料別で2,240円です。
こちらのアルミマットをホットカーペットの下に敷いて使用すると、敷いていないときと比較して約6度温度を高く保つことができたという実験結果が得られたそうです。
どのくらいの節約になるか計算
アルミマットの保温効果を利用し、ホットカーペットの温度設定を「高」から「中」へ下げたとき、どれくらいの電気代を節約できるのか試算しました。
「高」…標準表面温度46度 1時間あたりの標準消費電力320wh
「中」…標準表面温度37度 1時間あたりの標準消費電力240wh
※パナソニックの2畳サイズホットカーペットDC-2PBの取扱い説明書より
カーペットの温度設定を「高」から「中」へ下げることによって節約できる電気代
320wh – 240wh=80wh
1kwh(1,000wh)27円として換算すると、80whは2.16円の電気代節約に相当します。
この節約できる電気代で商品購入代金を割ると、購入から何日後にもとが取れるのかわかります。
1日12時間使用すると、1日の電気代節約メリットは約26円です。
商品購入から約2か月半後にはもとがとれるので、1月に購入すれば3月半ばにもとがとれます。
もちろん来年の冬もまたアルミマットを使用すれば、購入に要した額以上の節約効果が得られます。
おふろの追い炊きコストをカットできるアルミ蓋
湯船にアルミの蓋をすることで、お湯の温度が下がるのを防ぐグッズで、価格は楽天市場の「リビングート」にて税込・送料別で758円です。

こちらのアルミシートを湯船に浮かべておくと、何もしていない場合と比較して、お湯の温度の低下を2分の1に軽減できるという実験結果が得られたそうです。
実験結果を見ると、何もしていない場合には、お湯の温度は4時間後に約9度低下しています。
どのくらいの節約になるか計算
一般家庭のお風呂の湯量を200Lとして、4時間後に冷めてしまったお湯をもとの温度に戻すための追い炊きコストを試算します。
※200ℓのお風呂のお湯を追い炊きして1度上げるのにかかるガス代… 約3.2円と仮定する
追い炊きコスト 3.2円 × 9度=28.8円
アルミシートを使用した場合は、温度低下は半分の4.5度ですので、追い炊きにかかるコストも半分になります。
28.8円 ÷ 2=14.4円
アルミシート使用によって節約できるガス代は14.4円です。
ガス代節約メリットで商品の購入代金を割り、もとがとれるまでにかかる日数を計算します。
商品購入から約2か月後にはもとがとれるので、1月に購入すれば、3月に入るともとがとれています。
シャワーだけで済ます生活はまだ随分先ですので、早めにもとがとれると考えて良いのではないでしょうか。
煮込み料理のガス代を節約する圧力鍋
冬になると煮込み料理を作る機会が増えると気になるのがガス代です。
長時間コトコト煮込んだ料理はおいしいですが、
と不安に思うこともあります。
そこで、短時間で煮込み料理ができる「圧力鍋」を活用した場合、本当にガス代の節約になっているのか試算します。
どのくらいの節約になるか計算
コンロの火力別のガス代は以下のように仮定します。
・ 強火 1時間あたりのガス代37円
・ 中火 1時間あたりのガス代21円
・ 弱火 1時間あたりのガス代5円
参考:東京ガス
上記を試算の根拠として「おでん」を作る場合、ふつうの鍋と圧力鍋ではガス代はそれぞれどれくらい異なるのでしょうか。
ふつうの鍋
煮込み時間:弱火で45分
5円 × 45分/60分= 3.75円ガス代がかかる
圧力鍋
煮込み時間:強火で3分+弱火で8分(加圧時)
37円 × 3分/60分 + 21円 × 7分/60分 = 4.3円ガス代がかかる
意外なことに、圧力鍋の方がガス代は高くなることがわかりました。
「おでんの煮込み時間が45分では短いのでは?」と感じた方もいらっしゃると思いますが、おでん種メーカーの紀文食品によると、おでんの煮込み時間は、大根は別に下茹でする場合はトータル45分程で良いそうです。
参考:紀文食品
それでももう少し長い時間煮込みたいという場合は、ふつうの鍋を使い弱火でトータル51分を超えると、圧力鍋の方がガス代が安くなり逆転します。
おでんのガス代の節約にはならないことがわかった圧力鍋ですが、「時短」という面では絶大な効果を発揮します。
圧力鍋の購入を検討している方は、ガス代の節約よりも「時短」の面でメリットを感じる場合にはお得と言えそうです。
導入コストと節約できる光熱費を比較して検討
冬の光熱費を節約するグッズにはさまざまなものがあります。
と考えて良いと思います。
節約グッズの購入費用のせいで赤字が出ないようにご注意ください。(執筆者:石田 彩子)