給料が上がらずに物価だけが上昇する厳しい今の時代、節約を頑張っている方は多いと思います。
筆者もできる限り無駄な固定費や生活費を削ろうと情報収集に努めています。
実は、日々さまざまなブログや書籍をチェックするほど節約、支出の削減が大好きです。
しかし、「するべきでない節約」はしません。
節約意識は大事ですが、するべきではない非効率な節約は長い目で見て大きな損失です。
今回は、そうした「するべきではない節約」についてお話します。
各個人で事情は違いますし、節約の考え方も人それぞれです。
この記事に書いてあることがすべての人にとって正しいとは限りません。
節約に対する1つのヒント、考え方として参考にしてください。
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目次
「するべきではない節約」とは
給料の上昇もなかなか望めない中、2019年の10月に消費税が8%から10%に引き上げられました。
これにより生活はさらに厳しくなり、節約志向が今後ますます高まることが予想されます。
給料が上がらないのであれば節約するしかありません。
毎月入ってくる金額が決まっているのであれば、節約して支出を抑えなくてはいけませんね。
そのため、1円、10円でも削減しようとしている方も多いでしょう。
もちろん無駄な支出は1円単位できっちりと削るべきです。
コンビニでジュースを買う場合に「108円と110円なら108円を買う」というのは正しい節約です。
しかし、108円のジュースを買いにわざわざ数分かけて離れたスーパーまで買いに行くのは非効率的です。
これが「するべきではない節約」、「時間を無駄に浪費する節約」です。
具体的な事例でいうと、筆者が1番印象に残っているのが2019年の9月30日の夜のことです。
消費増が8%から10%に上がる前夜のニュースでした。
見た人もいると思いますが、あの日の夜24時間営業のガソリンスタンドにはたくさんの車が列を作っていました。
0:00になった瞬間にガソリン代が8%から10%に上がってしまうので、その前に給油をしておこうと大勢の人が並んだのです。
おそらく全国各地のガソリンスタンドでこのような光景を見られたでしょう。
このニュースの中で1時間以上並んだという40代の方のインタビューを見て、即座に電卓を用意して計算しました。
→ +8% → 6,048円
10%の場合
→ 6,160円
消費税がたとえ10%に上がったとしても、8%の時と112円しか変わりません。
112円の節約のために1時間以上も並ぶのです。
ものすごく時間がもったいないと個人的には感じました。
もちろん、年金暮らしの年配の方など、お金を稼ぐことが困難で収入が決まっている方などは、時間にかかわらず1円・10円を削る必要はあるでしょう。
しかし、働き盛りの世代が112円のために1時間並ぶのは非効率ですよね。
私の言う
なのです。
特に、働ける世代の時間は非常に貴重で、またその価値も高いのです。
その貴重な1時間を100円~200円の節約に使うのではなく、違うことに使ったほうがよいと思いませんか。
いま時間の価値に気づいていない人がいるのであれば、ぜひ「時間の価値」、「時間の使い方」について一考してほしいと思います。
1時間の価値
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先述したように、働ける世代の1時間には一定の価値があります。
2020年の日本の最低賃金は時給790円ですから、全国どこに行っても1時間働けば790円以上はもらえるわけです。
即ち、少なくとも最低賃金法上では人の1時間には790円以上の価値があるわけです。
極論を言えば、
と言えるわけです。
もちろん、あくまでたとえであり、「無駄である」とか「やらないほうがよい」と言ってるのではありません。
残業やアルバイトがある程度自由にできる環境にあって1時間に数百円を稼げるのであれば、100円・200円のために1時間を消費する必要はないのです。
金額的に多少の損をしたとしても、すぐに帰宅して余った時間で残業に備えて体を休めるなり、働くなりすれば結果的にはプラスになることが多いと言えます。
さらに、自営業の方や副業をやっている方であれば「自らお金を生み出す」ことができるため、働く時間がそれほど自由にならない会社員と比べ「1時間」の価値はさらに高まります。
1時間かけて100円節約するよりも、その1時間分働いて100円以上の金額を稼ぐ方がプラスになります。
働く時間が自由にならない会社員でも、副業をすることで自営業の方たちと同じように1時間でお金を生み出せるようになります。
年間20万円以下の副業収入に関しては申告も不要ですので、基本的に会社にばれる心配も無用です。
ネットを使えば誰でも副業が可能なこの時代では、それなりの経験とスキルを積めば誰でも1時間1,000円以上稼ぐことができるようになるのです。
のではないでしょうか。
このように、時間には一定の価値があります。
その価値を非効率に使うことなく、有意義に活用してほしいと思います。
個人の事情はさまざまですから、残業もバイトも副業もできないという方には、10円・20円削る節約もあります。
収入を増やせない方はマイナスを抑えるしかありませんし、決して間違ってはいません。
こうした背景や環境などを何も考えずに「節約」と考えるのがよくないのです。
「するべき節約」と「するべきでない節約」をうまく使い分け、出費を控えるところと稼ぐところを効率よくしませんか。
今の自分の事情や状況を考えて、自分の「1時間の価値」に見合った節約をしましょう。
「1時間」を最大限効果的に使う方法を常に考える
繰り返しになりますが、「節約がいけない」という話ではなく基本的には「するべき節約」と「するべきでない節約」を分けて考えようというのがこの話しの趣旨です。
働ける人が1時間使って100円の節約をするのは明らかに「するべきではない節約」です。
その時間で残業や副業をして数百円稼ぐ方が明らかに効率がよいでしょう。
他にも体を休めて仕事のパフォーマンスを高めたり、将来の収入につなげるための勉強をする方が長期的に見てプラスになります。
「自分の1時間にはどのくらいの価値があるのか」、「今やろうとしている節約は本当にその1時間を消費するほどの金額なのか」節約と時間について今いち度考えてみましょう。(執筆者:菊池 貴弘)