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「スポーツ主催者側の保険」について

今回の質問は、野球の練習の体験会に参加しにきた児童がいる場合、
・ どんな保険商品が候補としてあるのか
教えてくださいという内容です。
スポーツ主催者側の責任の範囲
体験会の参加児童は小学生で、人数は1回あたり2~3人という事例です。
この体験学習を運営開催する場合、そこに参加する人々がたとえ少人数でも、主催者側の管理不十分でケガをしたりしたときには賠償責任が発生するリスクがあります。
また、スポーツ競技なので、普通にケガをするリスクもあります。
レクリエーション的な保険
各保険会社ともに商品を持っていますが、このような行事に参加する人向けの傷害保険があります。
こういった保険は、「レクリエーション保険」と呼ぶ会社が多いと思います。
保険料も安価で加入しやすいのですが、この保険の場合、ほとんどが1回の参加人数を45名以上(名簿にて管理できることが前提)と規定上うたっている会社がほとんどです。
ただし、年間を通じて1年間でのべ45人の参加ということが分かっている場合は引き受けが可能な会社もありますので、保険代理店や保険会社に聞いてみることをお勧めします。
そして、
・ 参加者への賠償リスクを担保できる施設賠償責任保険(レクリーエーションリスク)
での引き受けもできる会社が多いので合わせて加入したい旨をお伝えしてください。
参加人数が多くないケースでの保険の考え方

年間通じても45人の参加には届かない場合はどうすればいいのでしょうか?
保険会社や保険代理店は、
での提案をすることが多いと思います。
「管理下中」という言葉は、聞きなれないと思いますが、この事案の場合、野球の練習の体験会に参加している間のみに限定して補償してもらうというものです。
そうでないと、傷害保険でその方の生活全般を引き受けることになり、主催者側にすると責任範囲外の補償をもつことになり、不要な部分の保険料負担になるからです。
最近ではスマホで加入できる1日の保険も
楽天損保などは、1日のスポーツ保険がスマホで加入できる保険を出しています。
上記の保険に比べると1人当たりのお値段は割高にはなりますが、ワンコイン以下で補償してもらえ、手軽に加入ができます。
そのため、スポーツ中のけがや参加している人同士での賠償も持てるので理にかなっていると思います。
スポーツ活動をする団体が加入できる保険(1年間通じての保険)
スポーツ安全協会が単独で出している保険「スポーツ安全保険」は、
(公財)スポーツ安全協会が損害保険各社と協力して作り上げた、小さな掛金で大きな補償が得られる公益目的事業です。
(公財)スポーツ安全協会が加入の取りまとめ機関・契約者となり、東京海上日動火災保険(株)を幹事会社とする損害保険会社8社との間で保険契約を締結しています。
加入手続きを行った団体の構成員を被保険者として傷害・賠償などの補償が付帯されています。
以前は、保険会社に加入依頼票をもらいに行き、郵便振り込みなどで契約申し込みがなされていたそうです。
しかし現在は便利になり、自宅、職場などのパソコンを使用して、スポーツ安全保険の加入手続きが行えます。
「スポーツ安全保険」への加入を考えたときに確認したいこと
こちらの保険は、
・ 学校教育法に基づく幼稚園
・ 小学校
・ 中学校
・ 義務教育学校
・ 高等学校
・ 中等教育学校
・ 高等専門学校
・ 特別支援学校および児童福祉法に基づく保育所(以下「学校」と表記)が組織する団体(学校部活動など)
は対象外になります。
そのため、今回の事案などの場合で、児童、生徒、学生の事故の場合、保険金請求時に学校管理下でないことの学校長の証明が必要となります。
学校管理下か否かは学校長の判断によりますので、きちんと確認の上、ご加入を考えてください。(執筆者:鮫島 ひかる)