春の新生活では、家具だけでなく寝具類の買い替えを検討する人が増えます。
最近は安い値段で、敷き布団と掛け布団、枕やシーツのフルセットになっている商品もあります。
しかし、親としては「寝具類だけは親がきちんとしたものを準備してあげたい」と思うのではないでしょうか。
寝具類の値段は上をみればキリがありません。
安いフルセットのものならば1万円以下でそろえることもできますが、高いものならば掛け布団1枚で10万円以上するものもたくさんあります。
新生活は、ただでさえお金がかかるのに布団1枚に何十万円もお金を使うことはできません。
今回は、気持ちよく新生活を迎えられる寝具をできるだけ安く準備する方法についてお話しします。
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目次
購入後10年以内ならリフォームもあり
新生活といっても、すべてを新しく購入する必要はありません。
家にある布団が購入後10年以内ならばリフォームを検討してみましょう。
布団は、使用頻度や使い方によってダメージが異なります。
綿の敷き布団は「打ち直し」をすることでふっくらとした状態に戻ります。
筆者が長年使ってきた綿の敷き布団は、打ち直ししてよみがえらせることもできたのですが、ベッドを購入したため敷き布団が不要になりました。
そこで、最寄りの布団店で敷き布団1枚を長座布団2枚に仕立て直してもらいました。
中綿のダメージがあったため、新しい最高級の綿を追加して仕立てました。
側生地は、超長綿という綿の中でも5%しか取ることができない最高級のサテンのような肌触りの生地を選び、完全オーダーメイドの長座布団です。
中が綿100%のため、長時間座っていても蒸れません。
料金は、長座布団1枚が約1万円と高価なものになりましたが、気がつくと「そこに座ってしまう」とっておきの一枚です。
ソファーのように場所を取らず、座りたい場所に簡単に手で持って移動することができます。
最近は「ふとん店」が減っていますが、ネットで受付している店もあります。
打ち直しは「羽毛掛け布団」でもできる
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羽毛の値段が高騰しています。
新しい羽毛布団を購入しようと店に行ってみると、数年前よりもうんと値上がりしていることに驚かされます。
実は、羽毛布団も綿の敷き布団のように打ち直しが可能です。
筆者は、5年使った羽毛布団をリフォームして、さらに5年程度使いました。
最初は買い替えを検討したのですが、ふとん店に羽毛布団をみせたところ、中の羽毛をクリーニングして、新しい羽毛をプラスしたほうが費用を抑えられるとのことでした。
中に入れる羽毛にもランクがあり、ランクが上がれば上がるほど料金も上がります。
せっかく作るのだから、ランクが高い羽毛がいいのではないかと思ったのですが、古い羽毛とのバランスを考えながらランクを選ぶことがポイントとのことでした。
羽毛には寿命があります。
古い羽毛はすでに5年使っているため、残りはせいぜい使ってもあと数年程度です。
1度打ち直しした羽毛は再び打ち直すことはできません。
つまり、5年後には羽毛布団自体が寿命を迎えるのです。
そのため、新しく追加する羽毛は数年使えれば十分であり、それ以上のランクはムダになってしまいます。
羽毛布団の打ち直しでお金をかけるべきところは「側生地」です。
側生地とは、羽毛を包む袋になる生地です。
安い布団は側生地が化繊のため、通気性がよくありません。
布団を打ち直すときには、必ず側生地を新調します。
つい生地の柄に注目してしまいがちですが、素材選びが1番大切です。
柄は側生地ではなく、カバーでこだわればいいのです。
羽毛布団は、中の羽毛の状態によって買い替えのほうが安くなることもあります。
側生地の選び方や中にプラスする羽毛の種類によって打ち直しの値段は大きく変わります。
買い替える前に、羽毛布団の打ち直しをしているふとん店に手持ちの羽毛布団をみてもらうといいでしょう。
ベッドなら無印良品の「脚付きマットレス」がコスパよし
敷き布団といっても、綿の敷き布団もあればウレタン製の敷き布団もあります。
ワンルームのような部屋ならば、ウレタン製の立てることができる敷き布団も便利です。
しかし、初めての1人暮らしや忙しすぎる人の場合は、毎日の布団の上げ下ろしもままならないかもしれません。
ウレタン製の敷き布団は軽くて天日干しする必要もなく扱いが楽ですが、万年床にしてしまうとカビが発生することがあります。
万年床にしてしまう可能性がある場合は、床に直接敷く敷き布団よりもベッドの方がいいかもしれません。
ただ、ベッド選びにも注意が必要です。
ベッドと床のすき間がせまいとほこりがたまってしまいます。
できれば、毎日の掃除のついでにベッドの下も掃除機がかけられる高さのあるベッドを選ぶといいでしょう。
ベッドも意外と値段が高いです。
収納の良さをアピールするベッドはベッド下が収納スペースになっているため、掃除が不便です。
かといって、ベッドフレームとマットレスにこだわってしまうと値段が跳ね上がります。
そこでおすすめのベッドが無印良品の「脚付きマットレス」です。
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マットレスとフレームが一体化したような作りで値段も手ごろです。
新しい生活の場に、今まで使ってきたものやその一部を持っていくことが思わぬ時に「励み」になることがあります。
すべてを捨てて新しくするのではなく、新しい形にしてともにスタートを切ってみてはいかがでしょうか。(執筆者:式部 順子)