マンションを購入して住んでいると、毎月支払わなければならないお金があります。
管理費と修繕積立金です。
管理費は、マンションの日常的な清掃や管理をしてくれる管理員さんや、管理組合の運営を支援してくれる管理会社に支払う費用となります。
マンション全体の火災保険費や、外部廊下や外構周りの電気代なども管理費に含まれています。
修繕積立金は、12~15年に一度行う大規模修繕工事のためのお金です。
目次
大規模修繕工事とは

マンションのエントランスやエレベーター、外壁や屋上など、マンションの部屋を所有している人全員が共有している部分があります。
区分所有法では「共用部」と言われ、大規模修繕工事とはこの共用部の工事を行うことです。
具体的には、
・ 外部廊下床シートの張替え
・ 外壁の塗り直し
・ タイルの剥がれ補修
などです。
マンション全体の建物価値を維持または時代に合わせて向上させるための工事で、一般的には12~15年に一度マンション全体の工事をします。
修繕積立金は将来増額される可能性がある
修繕積立金とは、大規模修繕工事を行うために毎月集めるお金です。
この修繕積立金が不足しているマンションが多く、社会的な問題となっています。
国土交通省はこの問題を受け、2011年に「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を公表しています。
新築時に少しでも購入するハードルを下げるために、修繕積立金の金額を低く設定していたというのが理由です。
修繕積立金の目安
今住んでいるマンションの修繕積立金が将来的に値上がりするか、気になる方がいると思います。
「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」には、修繕積立金の平均的な目安額が載っています。

具体例

4人家族のご家庭が、3LDKで75平米の20階以上のタワーマンションの購入を検討しているとします。
修繕積立金の目安は、
となります。
最低でも修繕積立金が1万5,000円ないと、10年先くらいに修繕積立金が増額されると考えてよいでしょう。
修繕積立金の金額に影響するもの
それ以外にも、
・ 外壁が塗装塗りかタイル張りか
・ エレベーターの台数
・ 建物の立地(駅前は工事するのにお金がかかりやすい)
・ 1階部分に店舗があるか
などで適正な修繕積立金が大きく変わります。
将来的な修繕積立金を調べてから購入しよう
マンションを購入した方の中には、修繕積立金が不足して、5万円となってしまったケースもあります。
管理費と合わせて月の支払いは7万円になり、その方はマンション自体を手放すことになってしまいました。
マンションの購入は一時的なお金だけでなく、将来的に支払われる修繕積立金についても調べて購入を検討しましょう。(執筆者:FP2級、一級建築施工管理技士 田中 かな太)