昨今の株式の暴落により、インターネット証券で新規口座を開設する個人が急増しています。
昨年の「老後資金の2,000万円問題」により投資に対して興味を持った人が増加していることも影響しているのでしょう。
株式など投資は当たり前のことながら定期預金に預けるのとは訳が違います。
全員が収益を上げることができる訳でもありませんが、トータルで見ると確実に収益を発生させている方も大勢います。
これから株式や投資信託などで投資を始めていく方が、知っておくべきことをご紹介していきます。
私も投資を始めて約15年になりますが、その時に知っておけばもっと収益が上がっていたのではと感じる内容の一部です。
目次
極意1:価格変動に慣れる

投資では、価格変動があることは当たり前としての認識ですが、いざ始めてみるとなると、価格の下落は精神的に大変よくありません。
投資経験を積んでいくことで大した金額とは思わない場合でも、最初の頃はわずかな損失でも狼狽してしまい、突発的に売却して投資を辞めてしまう、または追加で購入してしまう(ナンピン買い)かもしれません。
価格変動に慣れていくことが、乗り越えなければならない壁です。
将来売却する時に、収益があればそれでいいという気持ちが大切です。
下落幅が大きければ大きいほど、自分に言い聞かせてでも冷静さを保ちましょう。
極意2:銘柄の選択で、その後の戦略も検討
冷静になるためには、計画を立てておくことが必要です。
航海は、出発時点で航海図を考えます。
投資でも、銘柄など購入する時にも航海と同じようにその後のことも考えておきます。
具体的には銘柄選択では、投資の知識があまりない場合には、国内外の株価指数に連動するETFなど値動きが分かりやすいものを選択するのも1つです。
そして、
「配当や分配金などのインカムゲインを狙うのか?」
「その両方を狙うのか?」
の目的を考えます。
次に、
・ 上昇した時には売却するのか?(10%の上昇で売却or20%の上昇で売却)
・ 配当や分配金の収入を優先して売却しないのか?
・ 万が一下落した時には、売約してしまうのか?(10%の下落で売却or20%の下落で売却)
・ そのまま持ち続けるのか?それともどこまで下落すれば追加でいくら購入するのか?(いわゆるナンピン買い)
を考えます。
いざ、それぞれの局面に差し掛かった時に、当初の予定通りの行動を選択するかは分かりませんが、何も考えていない状況であれば冷静な判断は難しく、後悔につながりやすいでしょう。
これらの選択方法ですが、投資の書籍などでは20%下落した時には売却して損切りすることなどが記載されています。
この考え方も一理ありますが、自分の性格に合っているのはどれかで考えてください。
自分の性格とは合わない投資の方法はなかなか長続きしません。
私の場合
慎重な性格ではありますが、損切りはよほどのことがない限りしません。
その代わりに一定の下落によってナンピン買いはしますが、そのためには、最初から多額の資金を投入しません。
さらに、ナンピン買いは将来どこかのタイミングで上昇する(または価格が元に戻る)ことが前提になりますので、東証一部の多くの人が知っている銘柄や国内外の株価指数などに連動するものを選択しています。
「私の場合」の内容が投資の答えではありません。あくまで参考としてください。それは、性格や投資の考え方などが異なるからです。
極意3:少額から開始、経験値を積む
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今のような波乱の相場の時には、大きな収益を得られる可能性も秘めています。
一方で、大きな損失を抱えてしまい、定期預金のままでよかったのでは…という後悔の危険性も秘めています。
大きな収益を得られたとしても、それが計画なき収益だった場合、今後も投資を続けていくことで、抱えなくてもよいリスクを持ち、ビギナーズラックで終わることもあります。
今からはじめて投資をされる方で、とても大切なことは
で、まずは一時的に損失が発生しても授業料だと思えるぐらいの少額から始めていくようにしましょう。
自分の中での投資のスタンスや自分ルールを確立していきます。
今後、株価が上昇して「あの時もっと買っておけばよかった!」と思うかもしれませんが、今後も一時的なものも含めて暴落する相場はやってくるでしょう。
その時に、経験値を収益に変えることにつながります。(執筆者:CFP、FP技能士1級 岡田 佳久)