自動車保険は自動車ユーザーになれば、必須とも言われます。
任意保険ともいわれますが、現代における交通事情は、自動車抜きでは考えられず、決して任意では済まされないほど、自動車事故も発生しています。
しかし、自動車保険の保険料は安いものではなく、なにかと経費のかかる自動車維持費を少しでも抑えたいのがユーザーの思いです。
そのような中で最近注目されているのが「本人限定」での加入方法です。

目次
自動車保険の「家族」はわかりにくい
自動車保険は、保険で補償できる人の設定が可能です。
・ 家族限定
・ 限定なし
一般的な損保会社は、この3つの範囲が主流でした。
しかし、家族限定の定義は「同居の親族」であるにも関わらず、勘違いをされて加入する契約者もいました。
特に子供に関しては、未婚や既婚、同居や別居に問わず家族と考える人が多く、実際、家族限定の自動車を既婚の別居の子供が運転して事故を起こし、補償ができないということを始めて知るといった事例もありました。
現代は、核家族化が進み、家族限定のメリットが少なくなってきました。
そのため、2004年から家族限定を廃止し、「本人限定」を新設する損保会社が増えています。
本人限定の保険について
先にも述べましたが、現代における核家族化や単身世帯は増加しています。
そのため「本人夫婦限定」を選択する契約者が増加してきました。
こういった点から、より補償範囲を狭く「本人限定」とすることで運転者の範囲を家族から本人へ限定し、保険料の割引率を高くする損保会社が増えてきました。
どこまで補償してもらえるのか
損保会社で主に新設されている本人限定は、補償される運転者を「記名被保険者本人」のみに限定する特約です。
「記名被保険者」とは、主として自動車を運転する者を指しています。
つまり、車検証上での所有者が父親や保険料の支払いを親口座からの引き落としにしていても、実際に運転するのが子供であれば「記名被保険者」は子供だけなので子供以外の人への補償はありません。
保険料はどれくらい安くなるのか

2020年に入り、大手4社損保会社で家族限定を廃止、本人限定が導入されました。
本人夫婦限定の割引が6%とそろっているのに対し、本人限定は7~8%と損保会社によって少し差があります。
例えば、A社で小型普通自動車、21歳以上で20等級の割引がある自動車保険(車対車+Aの車両保険付き)に加入した場合の保険料を、限定なし、夫婦限定、本人限定の3つで比較してみました。
・ 本人夫婦限定:8万9,580円
・ 本人限定:8万7,900円
このような保険料の差額があることがわかります。
限定なしより本人限定の方が6,880円安く加入できてお得です。
車種や割引によっては、1万円近く安くなる事例もあるので、試算することをおすすめします。
2. 夫婦で別の自動車を運転している
3. 年に1.2回、他の人が運転をする時がある
4. 月に1度、子どもが自動車を運転する以外は運転は自分のみである
5. 時々、別居している既婚の子どもが運転をする
(1) であれば本人限定、(2) であれば本人夫婦限定にしておくと、保険料を安く抑えられます。
一方、(5) のような場合は限定をつけないようにしましょう。
(3) ~(4) のような曖昧な場合は加入方法に悩みますが、年1.2度や月に1度であれば、1日保険に加入してもらうよう前もって段取りしておくと節約につながります。
生活環境を再確認して運転者の範囲を決めよう
一般的に保険料が安い運転者の範囲は、
上記のような順番になることがわかりました。
明らかに「自分しか自動車を運転しない」と言い切れる人は本人限定での加入が自動車保険の節約にもなり、補償も十分受けられます。
しかし、年に数回別の人が自動車を運転する場合など曖昧な場合には、1日保険を活用するなど、対応次第で自分の自動車保険を安く抑えることが可能です。
生活環境から、今ある自動車がどの程度の範囲で運転されているのか再確認して保険に加入すれば、保険料を安く抑え、節約ができます。(執筆者:河野 みゆき)