新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るっています。
株式市場でも日経平均が昨年に比べて20%も下げており(3月末時点)、2020年は大荒れのスタートとなりました。
「この下げ相場で株を買ってみたけれど、購入した銘柄でよいか不安」という方、「今がチャンスと考え株式投資を始めたいが、どの銘柄を買えばよいのか分からない」という方もいることでしょう。
株式投資にはたくさんの手法がありますが、今回は売上の伸びに注目した長期投資について紹介します。
目次
長期投資では「売上」の伸びに注目する
株価が上昇する要因はいくつかありますが、主な要因に「企業の利益増加」があります。
例えば、グループウェアで知られる「サイボウズ」は、過去5年間で売上・利益ともに成長していることが分かります。

サイボウズ社の増収増益の一因として、クラウド型の「kintone(キントーン)」の契約社数が順調に増加していることが挙げられます。

会社のサービスを利用する人が増えれば、その会社の売上が増えるので利益も伸びやすいと言えます。
1年という短い期間で考えると、利益は特殊要因(株や不動産を売って特別利益が出るなど)で変動することもありますが、5~10年という長い期間の場合には売上の継続的な伸びがなければ、利益も継続的に伸びることは難しいのです。
契約社数の増加で売上が伸びている「小型株」3選
ここからは、実際に契約社数の増加で売上が伸びている企業を見ていきましょう。
1. マークラインズ (3901)

マークラインズは、自動車産業向けの情報サービスを提供する会社です。
ユーザー(会社)は、マークラインズと契約することでこのサービスを利用できます。
以下は2016年以降のマークラインズの契約社数の推移です。

こちらは、マークラインズの売上と利益の推移です。

契約社数が増えれば増えるほど、マークラインズの売上が増えるビジネスモデルと言えます。
2. ネオジャパン (3921)

ネオジャパンは、グループウェア「desknet’s NEO」に代表されるビジネスコミュニケーションツールを提供する会社です。
ユーザー(会社)は、ネオジャパンと契約することでこのサービスを利用できます。
以下は2017年以降のネオジャパンのユーザー数の推移です。

毎年右肩上がりです。
こちらは、ネオジャパンの売上と利益の推移です。

会社にグループウェアを一旦導入すると、それを解約して他社のグループウェアに変えることが少ないということもユーザー数増加の一因でしょう。
3. アバント (3836)

アバントは、連結会計システムを提供する会社です。
連結会計システムの他に、企業の意思決定を手助けするため情報を整理・分析するサービス等を行っています。
以下はアバントの連結会計システム導入社数の推移です。

毎年右肩上がりです。
こちらは、アバントの売上と利益の推移です。

アバントで1番売上の多い事業が「連結会計関連」事業なので、連結会計システムの導入社数の増加が売上と利益増加につながっているのでしょう。
景気悪化時の解約に注意する
マークラインズ、ネオジャパン、アバントの3社を紹介しましたが、上記のデータは過去のデータであり、この先も順調に契約社数が増加するとは限りません。
特に、新型コロナウイルスの影響で経済がかなり不安定になっており、解約リスクは今まで以上に高くなっているので注意が必要です。
株価が下げている今、この先も順調に売上・利益を伸ばせる会社を買っておけば、経済が回復した折には株価上昇の恩恵を受けられる可能性が高いと言えるでしょう。(執筆者:勝越 晴)