先週は、前週の保ち合い高値圏でのもみ合い継続から、週後半に上抜け気配を濃厚にしての週末入りとなる一週間となりました。
週半ばに直近高値を上抜け突破はしたものの、勢いを感じることが出来なく、一旦押す雰囲気を出し保ち合い継続と思わせましたが、週末に再度高値更新となる動きとなり、テクニカル指標的には上抜けをイメージさせる形状となったことで、週末の大引け段階では、次に上値目途を設定すべき動きとなったと考えます。
元々のBOXであるというシナリオから、当面はBOXの上限をリメイクしたシナリオに置き換え、上昇入りという可能性も頭に入れる必要が出てきたと考えます。
現段階では、上昇の可能性はありつつ、逆説的に下降の可能性が低下し、BOXか? 上値追いという考えに頭を切り替える必要が出てきている形状であると考えます。
ファンダメンタルとしては、まだまだ相場的に危険な材料は計り知れないと思うものの、強気な米国の動きに引っ張られての上値追いとなっています。
とはいうものの25日線も上向きに変わったのは事実として受け入れ、下落に関しては一旦終焉と頭を切り替える必要のある形状になりました。
しかし、前々から申している今回の新型コロナ問題から来る各企業の実体経済などの悪材料の深さを見ての反発とは思えないので、一直線での上昇は考えられず、上げ下げは続くという気持ちで今の相場を見極めてまいります。
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目次
米国の動きを探る
ダウは大幅高するも、日経先物、CMEは押されており、現状のまま週明けとなると300円ほど押されてくることが想定され、先週の上抜け前の上値抵抗線を下値支持線とできるか? という動きが、想定されます。
これでますます狭いレンジでの切り上げ型のもみ合いが想定される展開になりそうな気配です。
その展開は、4月8日・10日・14日の高値を結んだラインを引き、このラインで先週金曜日の高値と重なり、このラインが上値抵抗線として機能となっていると考えます。
そしてこのラインにチャネルのラインを作り、そのチャネルラインを4月7日の安値に合わせると、4月16日の安値もこのラインでサポートされる形となるので、この切上がりのフラックが存在すると考えられます。
このフラックの下減を割り込んだときどうなるのか?
さらには、下記にも記しますが、切上がりの安値を結んだラインがその下に存在して、さらにその下に25日線と下値抵抗線が存在しており、週明け以降の押しが起きたときに機能するかが注目になります。
そして、もともとのBOXというシナリオ通りの動きとなるのであれば、上記に記載した抵抗線は難なく割り込んでいく動きとなり、一回上向きとなった25日線がすぐ下向きとなり、波うちとなることでBOXである可能性を高めるという事となります。したがって週明けの押しの深さによって、更なる上値追いとなるのか? BOXが明確化するのか? の答えが出てくると思われます。
米国と日本の動きに乖離
そんな中の米国の強さに関しては、トランプ大統領による近未来のコロナ問題に対する対処の出口戦略のタイムスケジュールが出たことで、感染拡大に歯止めがかかり、今回の下落の根幹となる問題の解決が見えてきたという反応と考えられます。
さらには、効果が出たとされる薬の存在もダウの反発の材料となったと考えます。
その動きに対して日本市場は、逆に押されているという動きとなり、米国と日本の動きに乖離が起きていると考えます。
厳密に言うとおとといのダウが30ドル高に対して、日経が600円高となり、日本が米国より強いと判断できるような動きですが、要因は上記のトランプ発言によるものですので、米国の引け後の現象で日本が引き上げられ、その裏でダウの先物が600ドル前後の上昇で15時を迎えました。
したがってダウ先物に日本が引っ張られたという事となり、その後、ダウが先物の600ドルオーバーから700ドル上昇になったことで、日経が連動するとなると日経は100円程度の上げとなるのがスライドしているとなるのですが、CMEが300円ほど押しているという事は、ダウと日経では400円ほどの乖離が起きているという判断となります。
その原因としては、出口の話が事実か? 予測か? は別問題として話題にできる米国と、まだまだ先行きが見えずコロナ感染が拡大中で、まだまだ未来が見えない日本市場の差が出てきたと考えられます。
こうなると今後も、日米の動きに違いが起きることは想定されると思うので、単純な判断はしてはならないと考えられる状況です。
そして、日米ともに私の想定としては、コロナの感染が縮小していくころに本格的に実体経済の傷の深さが見えてくると考えられ、そのころに再度深い下げがあるのかなと想定しています。
その下げがどのタイミングで来るかは、断定も想定もしづらいので、日々の動きに合わせて対処という事が必要になると考えます。
現状分析
5日線
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一週間を通して上向きで、短期的には反発していると示唆しています。
位置としては、下で週初めとなり、即上に出て再度下に割り込み、週末は上に出て週末入りとなり、狭いレンジでジグザグに上げ下げしながら切り上げているという動きとなっています。
25日線
先週も下向きを継続し続けるも、週中に横向きとなり、週末の反発で上向きとなって週末入りとなり、方向感が変わった可能性を打ち出した週末となりました。
位置としては、一週間を通して上を維持しており、週末の上向きとしたところで乖離を広げ始める雰囲気を出しましたが、週明け以降の動きは現状不透明であると考えます。
75日線
変わらず下向きで下に乖離という位置を推移しています。
全体的な並びとしては、今週動きが無く週明けに100日と200日のデットクロスとなりそうです。
トレンドライン
この週末に上抜けてきたので、さらなる上値目途を見ていきますが、前週記載と変わらず50%戻しの2万200円近辺と61.8%の反発ラインとして2万1000円前後で、さらに上値が今年前半の割り込んだもみ合いの下限2万3000円の横軸と、3段階の上値目途を抵抗線として想定します。
さらには上記に記載の狭いレンジの切り上げ型のフラックの上値と下値をイメージし、下に関しては、目先今秋まで上値抵抗線だった1万9500円前後がサポートラインとなるか? 注目で、切り上げのラインとして3月19日4月3日の安値を結んだラインが今回の反発のサポートラインと考え、その下に25日線があるとなります。
さらには、4月3日の安値1万7600円近辺の横軸と3月19日の安値1万6300円前後が下値のめどと考えます。
テクニカル指標
一目均衡表
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基準線・転換線を上抜け、雲が目前に来るところまで反発してきました。
この後、数日で雲に触れる可能性が出てくるので、雲が上値抵抗帯となるか注目です。
さらに遅行線と日々線の関係が逆転し、遅行線が日々線を上抜け好転しました。この動きにより上に行きやすい形となりましたが、どうなるでしょうか?
そしてこのままジリ上げ、もしくは横にスライドする動きとなると、5営業日後に遅行線と日々線が天底一致となります。
ちょうど そのころに3月末の決算発表が徐々に出てくることですので、相場に動きが出ることが想定されます。
ボリンジャーバンド
バンドが収束から拡大に入ったかもという動きとなりました。
このまま素直に拡大していき、上へのバンドウオークとなるのか?拡大とならずに各ラインが波うちを起こしてBOX示唆となるか? 週明け以降の1週から2週で答えが出ると考えます。
スローストキャスト
2本のラインが滑らかに下向きとなり、週末には下げ切らずにゴールデンクロスとなったと見受けられる動きですので、このままゴールデンクロスとなるならしっかりした上値追いの可能性が高くなり、ゴールデンクロスし、即デットクロスやゴールデンクロス回避を週明けにしたときは、上値追いという考えはいったん後退と考えます。
総合判断
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上放れに対する判断をどう見るかに注目で、現状は上放れしている事実を受け入れ、上値追いをしていくかもという可能性をしっかり受け入れ、BOXの上限のリメイクという考えと2つの未来想定で見ていきます。
さらには、じり高していくうえで、上記記載の切り上げ型のフラック形成も意識はしていきたいと思います。
私的には、上値追いはあったとしても61.8%の戻しの2万1000円前後を最大の上値目途と考えています。
そして、ここまで上げたのちに、コロナ問題の第一波の下げ2万4100円から1万6300円までの下落7800円の下落をすることで、元々の下落したときの目安としていた1万2000円から1万3000円前後までの下落となることを未来シナリオと考えますが、当然、絶対になるとは考えておらず、一つのシナリオとして考えています。
非常に世の中が不安定な中、不可解な反発となっており、皆様も判断に苦しんでおることと思いますが、思い通りにならないのが相場ですので、実際の動きに合わせて自分の考えを変化させ、修正していく事でこの難しい局面を乗り越えていきましょう。
毎回おなじ締めになりますが、全国で非常事態宣言が出ました。各々が感染をしない広げない意識を持って日々の生活をし、一日も早い収束を願って過ごしましょう。
そしてこの「自宅にいる時間が長い」今の時期をどのように過ごすか? この時間の活かし方で未来が変わると思います。限られた時間を有効に使う努力をお互いしてきましょう。(執筆者:城 晶子)