ついこの間のことです。
妊娠中の友人を含んだ何人かでお茶を飲んでいた際にこのような会話になりました。
「もうすぐ生まれそうだよ。私の体が小さいのにお腹の子が大きめだから、もしかしたら帝王切開になるかもしれませんってお医者さんから言われてるんだ」
筆者
「そうなの?それなら高額療養費制度を事前申請しておいた方が安心だね」
友人A
「えっ、何それ。高額療養費って事前申請できるの?」
友人B
「私も前のお産帝王切開だったんだけど、1度かかった費用を立て替えなきゃならなかったんだよ。事前申請しておけば立て替えなくてよかったの?」
筆者としては妊娠後期になったら「高額療養費制度」の事前申請はマストの手続きだと思っていたのですが、知らない人も少なくないようです。
そこで、「高額療養費制度」の概要や事前申請をするメリットをまとめました。
目次
「高額療養費制度」とは
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「高額療養費制度」とは、1か月に掛かった医療費が高額になってしまった場合に自己負担限度額を超えた分の医療費が払い戻される制度のことです。
日本は国民皆保険制度の国なので、医療費は3割負担もしくは1割負担で済みます。
それでも入院や治療によっては、医療費の自己負担額が数十万円、あるいは100万円を超えることも珍しい話ではありません。
自己負担額は、入っている健康保険の種類や年収によって異なりますが、おおよそ8万円~16万円程度です。
「高額療養費制度」の事前申請
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この「高額療養費制度」の難点は、一旦は窓口で支払いが発生してしまう点です。
基本的には退院後の手続きとなるので、窓口で医療費を立て替えてあとから健康保険で自己負担超過分が返金になるという仕組みなのです。
後日返ってくるとは言え、高額な治療費を払うのは負担が大きいものです。
そこで、
ことをおすすめします。
この手続きをしておくと「限度額適用認定証」が発行されます。
窓口で「限度額適用認定証」を提示すると支払いは自己負担分だけで済むのです。
「限度額適用認定証」の申請方法
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「限度額適用認定証」を申請するには、自分が加入している健康保険の窓口への問い合わせが必要です。
居住市区町村の国民健康保険窓口
協会けんぽ:
協会けんぽの各都道府県支部。申請書類の入手はネットでも可能
健康保険組合:
保険証記載の窓口か勤務先の健康保険担当者
いずれの健康保険にせよ、手続きにはある程度の日数が掛かります。
「限度額適用認定証」の有効期限は最長で1年です。
妊婦さんであれば安定期以降、正産期前に申請しておくと安心です。
妊娠で「高額療養費制度」が使用できる条件
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妊婦健診や正常分娩では健康保険が適用されないため、「高額療養費制度」を用いることはできません。
です。
「限度額適用認定証」を申請して使わなかったとしても何の問題もありません。
医療技術が進んだ現代であっても、お産の際には何が起こるかわかりません。
筆者の周囲でも妊娠中の経過が順調でも緊急帝王切開になった友人や、産後いろいろな理由で入院が長引いてしまった人が何人もいます。
経過が順調でも「念のためのお守り」と考えて申請しておくと安心です。
「高額療養費制度」を事前申請すると安心
「高額療養費制度」は支払い後でも申請できるので、事前申請が必須というわけではありません。
しかし、産後は気力体力ともに想像以上に消耗しているものです。
さらには、何かと物入りです。
少しでも手元にお金があった方が安心できます。
申請は難しくないので、ぜひ「高額療養費制度」の事前申請をしてください。(執筆者:金子 ゆかり)