目次
長期投資を考えている個人投資家
「コロナ後(不況)でも売上が伸びそうな企業が知りたい。」
コロナウィルスの影響がいつ収束するか不透明な中、一部の業種(航空・アパレル・飲食等)ではリーマンショックを超える売上の減少が発生しています。
今後はウィズコロナとして新しい生活様式が提案されるなど、以前のような経済活動ができずに不況が長引く恐れもあります。
しかし、前回の不況「リーマンショック」でも売上を伸ばした業種を参考に投資すれば、ウィズコロナ相場を乗り切れるかもしれません。
そこで、リーマンショックでも売上を伸ばした業種を振り返りたいと思います。
1. 100円ショップ
不況になると人はお金を使わなくなり、なるべく安いものを買うようになります。典型的なお店の例が100円ショップです。
グラフは有名な100円ショップ4社のリーマンショック前後(2007年~2009年)の売上の推移を表したグラフです。

参照:
セリア(pdf)
ワッツ(pdf)
キャン★ドゥ(pdf)
ダイソー
このグラフを見ると、キャン★ドゥを除く3社がリーマンショックにもかかわらず売上を伸ばしていることが分かります。
さらに、セリアはリーマンショック後も順調に増収増益を続けた結果、株価はリーマンショック前に比べて最高で30倍以上も上昇しました。
セリア月足

ファストフード
普段は外食にお金を使っている方も、収入が減ると財布のひもが固くなりやすいです。
ファストフードはデフレ銘柄として人気になったこともありました。
グラフはリーマンショック時に売上を伸ばせたファストフード4社の売上の推移を表したグラフです。

参照:
吉野家(pdf)他2つ ※吉野家は牛丼事業のみの売上
松屋フーズ(pdf)
スシローGH※スシローはあきんどスシロー時代の売上
トリドール(pdf)※丸亀製麺はトリドールの売上
牛丼はワンコインで食べられる安さと提供の速さで人気になりました。
価格競争によってどんどん値下がりし売上は増加したものの、利益は減少したことも頭に入れておいた方がよいでしょう。
1皿100円で気軽にお寿司が食べられる回転寿司として、スシローの人気が高まりました。
しかし、ファストフードで1番注目すべきは丸亀製麺(トリドール)でしょう。
2007年から売上は2倍以上に増加しました。
1番の要因は新店舗の出店ですが、デフレ環境がワンコインで食べられるうどんの人気を押し上げたとも言えるでしょう。
丸亀製麺(トリドール)の株価はリーマンショックを物ともせず、リーマンショック時の安値から1年後には3倍まで上昇しました。
さらに、その後アベノミクス相場でリーマンショック時の安値から10倍以上も値上がりし、大相場を形成しました。
トリドール月足

リーマンショックと現在の違い
リーマンショックは金融危機から発生した不況だったのに対し、現在はコロナウィルスの影響による経済停止の影響での不況が見込まれます。
現在多くの小売店舗は時短営業・休業など通常時の営業ができていません。
よって、リーマンショックで売上が減らなかったから今回も大丈夫だろうという考えはよくありません。
100円ショップなら店舗営業時間への影響がなるべく小さい企業を、ファストフードならテイクアウトやデリバリーに強みのある企業を選別するなど、「ウィズコロナ」を意識した銘柄を選ぶことが大事です。(執筆者:勝越 晴)