気温が上がり、ビールのおいしい季節がやってきました。
今年はビール愛飲家にとっては節目の年です。
2020年10月に酒税法が改正され、ビールが値下げされる可能性が高いのです。
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目次
2020年10月の酒税法改正
私たちが普段飲んでいるビールは、売上の100%がメーカーの利益になるわけではありません。
売上の一部は、酒税として国に徴収されます。
この酒税は法律で決まっているのですが、2020年10月に次のように改正が予定されています。
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※ ビール価格は、総務省「小売物価統計調査2020年4月の東京23区平均価格」より算出
ビールは7円の値下げ
仮にこの改正が販売価格にダイレクトに反映された場合には、
第3のビールは約10円値上げ
されます。
大手ビールメーカーのなかでは、先日、アサヒビールが10月から価格改定を行うことを他社に先駆けて発表しました。
各商品の価格は販売店によっても異なるため、酒税法改正のとおり値下げされるとは限りません。
しかし、コロナ禍で消費が落ち込むなか、需要喚起のためにビールの酒税減額分を消費者に還元してくれるのではないかと、筆者は期待しています。
今まで「ビールを飲みたいけれど、高いから」と発泡酒や第3のビールを買っていた人には朗報とい言えます。
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伸び盛りの「第3のビール」は値上げの可能性も
一方、第3のビールの酒税は約10円増額されます。
第3のビールは、麦芽の代わりに大豆やコーンスターチなど割安な穀類を原料に使い、香料を使ってビールらしい風味を出した「ビールテイストのお酒」です。
これまでは酒税が28円と最も低く設定されており、安く販売されていることが多かったのです。
しかも、このジャンルは各メーカーの努力もあって「安かろう悪かろう」ではなく、「もはやビールと同じ」と言ってよいくほどに進化をとげています。
近年ではビールに近づけるだけではなく、「糖質オフ」や「プリン体オフ」などビールには出せない付加価値をもつ商品も増え、ビールの代わりではなくあえて第3のビールを選ぶ人も増えています。
伸び盛りの市場だからこそ、酒税が安いままというわけにはいかないと国も考えたのでしょう。
第3のビールは酒税アップにも負けないと予想
10月の改正では酒税が増額されますが、第3のビールの人気がこれで衰えることはないと予想しています。
最近の第3のビールはおいしいからです。
10円値上げされたとしても、コロナ太りでたるんだ体に「糖質オフ」はありがたいですし、毎日ビールを飲むよりはやはり第3のビールの方が安いので、買い続ける一定のファンがいると思います。
筆者が愛飲している、おすすめ「第3のビール」を紹介します。
おすすめ1:アサヒ ザ・リッチ
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プレミアムビール好きな人におすすめの第3のビールです。
リッチな味わいで、しっかりとしたコクを感じられます。
特にひとくち目のご褒美感がすごいのです。
第3のビールがここまで来たのかと、新鮮な驚きがありました。
おすすめ2:サントリーブルー
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エールビールが好きな人におすすめです。
天然水のすっきり感に、さわやかな香り、それでいて薄く水っぽくありません。
毎日飲めるくらいの軽さなのにご褒美感もある、良いとこどりの第3のビールです。
2026年には今年以上の酒税法改正予定
酒税法は、2026年に今年以上の大幅な改正を予定しています。
現在、ビール・発泡酒・第3のビールで分かれている酒税が、約55円に統一される予定です。
2026年の改正後は、ビールはより安く、割安感のあった第3のビールではメーカーがほとんど利益を出せなくなることが予想されます。
6年後までには、ビールを飲む習慣や人々がビールに求める付加価値にも変化があることでしょう。
酒税法の改正はメーカーにとって悩ましい問題ですが、おいしいビールが手頃に飲めるようまた奮闘してくれることでしょう。
第3のビールをここまで進化させたメーカーを応援する意味で、健康に気を付けながらビールを飲み続けたいと思います。(執筆者:石田 彩子)