長く仕事を頑張り続け気づけば定年退職間近、老後は年金を受給しながらのセカンドライフを考えている人もいるでしょう。
と受給間際に焦って調べ始めるケースを見かけます。
今回紹介する年金予約は、そんな疑問や不安を解消してくれる便利なサービスとなっています。

目次
年金予約とは
年金予約とは金融機関が無料で行っているサービスのひとつです。
指定の金融機関に年金受取口座の予約を行っておくことで、年金受給時期が近づくと年金担当者から連絡が入ります。
そして、国民年金・厚生年金を受給するときに提出する「年金請求書」の記入や必要書類を、分かりやすく案内してもらうことができます。
大手メガバンクよりも地方銀行や信用金庫といった、地域密着型の金融機関が力を入れて行っているのも特徴です。
対象となる人
金融機関によって多少の差異は有りますが、下記の条件を満たす人が対象になります。
・ 年金予約を行う金融機関に普通預金の口座を持っている人
(注)年金請求手続き済みの人は対象になりません
(注)年金基金等から支払われる企業年金などは対象になりません
年金予約のメリット
年金予約のメリットは3つあります。
1. 面倒な書類手続きの徹底的なサポート
通常なら年金請求書を記入する機会はほとんどなく、不慣れで分からない部分も多いでしょう。
ましてや、定年退職後は他の手続きなどで忙しいときに、年金請求書の作成は手間のかかる大変な作業になります。
希望が有れば年金担当者が、直接家まで来て資料作成のサポートしてくれるので、大変な作業を大幅にカットすることが可能になります。
2. 年金相談会への案内
定期的に開催されている、金融機関主催の年金相談会に参加できます。
年金に対する疑問点を聞けるので、参加してみると年金の知識が向上するでしょう。
時間が厳しければ電話での対応も行っています。
また、年金の加入状況を調べてもらうことにより、年金のもらい忘れを防ぐこともできます。
3. 定期預金や定期積金の金利上乗せ
年金予約者を対象とした、特別金利の定期預金や定期積金を申し込むことができます。
満期を定年退職年と重なるように設定し、老後の旅行資金といった「頑張った自分へのご褒美」のような使い方も面白いかもしれません。
年金受給後にも特典有り

年金予約を行っている金融機関は、年金受給者へも面白いサービスを行っています。
金融機関によってサービスの内容は違ってきますが、一例をあげます。
・ 歌舞伎、演劇などの観劇サービスに招待
・ 年金受給者向けのツアー旅行に参加可能
・ 各種手数料などが一部無料
・ 優遇金利の定期預金有り
近年では「もしもの時」に備えホームセキュリティを金融機関を通じて、格安で契約できるサービスを行っているところも有ります。
今後も高齢化が進む中、まだまだうれしいサービスは増えるでしょう。
「手続き面倒」なら利用するのもあり
年金予約は無料で簡単にできますし、年金受給申請時は面倒な手続きをサポートしてもらえるので、メリットしかないサービスと言えます。
どうしても「手続きは自分でやりたい」などの特別な理由がない限りは、年金予約をしておけば間違いはないでしょう。(執筆者:1級FP技能士 高橋 隼人)