在宅勤務やテレワークが一気に加速した4月以降、田舎暮らし人気が急上昇しています。
手狭なのに高い家賃の都会暮らしよりも、広々とした自然豊かなエリアに住める郊外は、通勤が不要になった方にとって魅力的です。
中には、憧れの古民家暮らしをスタートされる方もいます。
筆者の友人も小さい旅館のような古民家を、かなり安く購入しました。
一方で「思っていたのと違った」と早々に元の生活に戻られる話も耳にします。
今回は憧れの古民家&田舎暮らしを成功させるための、外せない事前チェックポイントをお伝えします。
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目次
【チェックポイント1】情報収集
実際の生活は体験しないと分からないものです。
まずは最新情報を集めましょう。
自治体の移住促進ホームページや、先輩移住者の本音が聞けるイベント・セミナーが最も手軽です。
移住および移住に関連したリフォームや空き家再生などに補助金が出る自治体もあります。
例えば、岐阜県中津川市の「ふるさとお帰り支援事業」では、東京圏から中津川市へ転入する人を対象に60万円(単身者)あるいは100万円(世帯)の移住支援金の支給があります。
参照:中津川市ポータルサイト
【チェックポイント2】田舎ならではの出費にご注意
田舎暮らしは都会に比べて生活費が安くなるイメージですが、田舎ならではの出費が意外とかさみます。
見えない出費も含めた具体的な生活費の予算を立てましょう。
・ ガソリンや有料道路代(車社会)
・ プロパンガスや浄化槽のくみ取り費用
・ 冬季の灯油代(ガスの代わりに灯油を使う場合も)
・ スーパーの物価が高め(市場競争がないため)
【チェックポイント3】どこに住むか優先順位をつけよう
移住エリアを絞り込むには、ご家庭に合わせて生活インフラ(生活の基盤となる施設や制度)に優先順位をつけてみましょう。
・ 学校までの距離や地域の子育て支援(乳幼児医療、児童手当)の充実度
・ 高速インターネットの普及率
いきなりの田舎暮らしは不安がつきものです。
本格的な移住の前に、お試し移住を提供している自治体もあります。
岡山県津山市の「トライアルステイ」は、駅から徒歩圏の住居(家具家電付き)を14日まで2万円で利用できる制度です。
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「田舎に引っ越したら、自給自足するのが夢」という声も良く聞きますが、全くの未経験の方がいきなり農業を始めるのは難しいです。
そこで移住体験プランを用意している自治体もありますので、ぜひ活用してみてください。
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日本中のふるさとで地域の仕事をしながら、地域の人たちとの交流や学びを通じてリアルに地域のくらしを体験できる制度です。
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島根での就農・就林・就漁などをお考えの方が、指導を受けながら知識や技術を身に着けられる制度です。
うれしいことに滞在費の助成もあります。
支給要件を満たした方を対象に、月額12万円の体験者助成金を支給。さらに中学生以下の子連れ体験なら1世帯あたり3万円の親子連れ助成金を加算。
夫婦2名+中学生以下のお子さん1名の場合月27万円の助成があります。
すてきな古民家 憧れだけで即購入は絶対やめましょう
テレビで古民家特集を見た方が、現物を1回も見ずにイメージだけで購入されるケースもあるそうです。
テレビではネガティブな部分は放送されませんから、購入前は必ず実物をチェックすることをおすすめします。
友人が物件を下見したときは、リフォームを依頼する建築士にも同行してもらいました。
やはりプロのチェックポイントは素人では気づかない部分が多く、見逃しもありません。
床下の水はけが気になるとのことで、後日大雨の日にもう1度確認に行きました。
300万円以下の手ごろな物件も多く、購入のハードルが低い古民家ですが、築年数に応じて修繕が必要な所も増えていきます。
全予算をつぎ込みフルリフォームした直後、台風で屋根の全修理が必要になったケースもあります。
想定外の出費にも備えておくことも大切です。
災害も多いこのご時世です、ハザードマップも必ず目を通しておきましょう。
憧れだけでは「思っていたのと違った」日がきます。
そのために着実な準備と確認で心づもりをしておきましょう。
必ず移住メンバー(家族)全員で方向性を一致させてから実行すれば、多少のトラブルがあっても協力して乗りこえられます。
特に金銭面は事前に確認、最後までしっかりと情報収集を行い、
「知らずにもらえない助成金」
などがないように気を付けてください。(執筆者:安藤 鞠)