最近、ニュースなどで流れる映像にドライブレコーダーに映し出されたものが多く見られるようになりました。
煽り運転や危険行為を撮影するだけではなく、事故の瞬間を撮影することで正確な事故状況を把握でき、スピーディーな示談交渉につながるのでドライバーにとっては大変にありがたい装備です。
今回は、自動車保険の特約でドライブレコーダーをつけるメリットを解説します。
目次
一般的なドライブレコーダーの特徴
一般的に販売されているドライブレコーダーにはmicroSDが入っています。
走行中などの動画はmicroSDに録画されるのですが、このmicroSDの容量には限度があります。
車を多く使う人なら2~3日前の動画しか残らない場合もあります。
一般的なドライブレコーダー搭載車の事故の例

私が実際に取り扱った事故の事例を紹介します。
Aさんが事故を起こし、事故後すぐにmicroSDを警察に提出しました。
そして、警察から返却されmicroSDを差し込んだまま車を5日間使った後に、今度は保険会社に提出するためにmicroSDを確認すると事故の動画が消えていました。
そのために事故の相手と過失割合で折り合いがつきませんでしたが、先に警察に提出していたのでなんとか事故の内容が判明して示談成立に至りました。
Aさんは安価なドライブレコーダーを購入していたのですが、購入後にmicroSDのデータを1回もUSBなどに取り込んでいませんでした。
「取り込み作業が面倒だからmicroSDを定期的に買う」と言っていましたが、それではせっかく安価で購入した意味がなくなってしまいます。
microSDは安くても数百円、高いと数千円します。
取り込み作業が面倒という理由で買い続けると、ドライブレコーダー本体が安くても後々の費用がかかってしまうだけではなく、microSDを管理する手間もかかってきます。
たとえば、1週間おきに800円のmicroSDを買った場合には、
かかります。
1年間でこれだけの金額をmicroSDに使うことになり、これを数年間続けるとなると大変な無駄遣いです。
microSDを搭載したドライブレコーダーをつけるのであれば、ドライブレコーダーにあるmicroSDをチェックして大事だと思われる映像はUSBなどに取り込んでおきましょう。
保険会社のレンタルドライブレコーダーのメリット

ドライブレコーダーを自分で購入しなくも、契約している自動車保険会社からドライブレコーダーを貸与してもらえる「ドライブレコーダー特約」というものがあります。
ドライブレコーダーは以前に比べると安価で購入できるタイプが増えました。
しかし、ほとんどがmicroSDを搭載したタイプです。
一方で、保険会社のドライブレコーダーは保険会社のサポートセンターなどに通信されているので、事故や煽り運転被害などにあった際には保険会社に即時にデータが送られます。
また、事故の内容も瞬時に保険会社に伝達され、示談交渉もスムーズなので嫌な思いをすることもほとんどありません。
保険会社のドライブレコーダーはレンタルです。
ドライブレコーダー特約は、
年払い:7,400円~9,000円
ほどで、購入するよりは高く感じますが、microSDを買い続けたりデータをUSBに取り込む手間を考えれば高コスパで安心できる特約です。
自分に合ったドライブレコーダーを選ぶ
一般的に販売されているドライブレコーダーも使う側がしっかりと性能を理解していればとても便利なアイテムです。
一般のドライブレコーダーであれば1万円台で購入できるうえに、自分の所有物ですから車を乗り換えても付け替えられるのがメリットです。
一方で、メンテナンスをしなければいざという時に役に立たない無用の長物になってしまう恐れもあります。
保険会社のドライブレコーダーはレンタルですが、保険会社に通信されているので事故や煽り運転などに迅速に対応してもらえます。
パソコンやドライブレコーダーの取り扱いに不慣れな人や事故の際に迅速な対応を求める人にとって、結果的には保険会社のドライブレコーダーがお得だと言えます。
ぜひ検討してください。(執筆者:自動車会社経営25年 河野 みゆき)