先週は、週初めに反転の兆しの陽線で始まり火曜日には窓空けで大きく上に上げ、8月14日の直近高値も上抜けし、そのまま上値追いとなるのかという動きをしました。
しかし、ローソク足は上髭長めとなり、翌日も上値追いとはなり切らず現状高値圏推移のまま週末入りとなると思わせながら金曜日の後場を迎えました。
そして、金曜日の14時過ぎに安倍総理の辞任の速報が流れ、荒れた相場を形成し週末入りとなりました。
金曜日は、辞任報道が流れる直前に急降下を開始して600円ほど下げたころに速報がれ、その後乱高下する展開となりました。
マーケットの動きとしては、記者会見までは今後の流れなどが読めない不安から多くの売りが出たということになり、会見で辞任を発表するとなると、週明けのマーケットの荒れ方が大きくなると想定し、場中に情報を出したのだと考えられます。
目次
首相の辞任、株価への影響
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「結果、首相の辞任は今後の株価にどのように影響するのか?」ということを知りたい読者の方は多くいらっしゃると思います。
ただ、もしその質問をされたら私はいつもと変わらず「わからない」と回答いしたします。
仮にある程度予測がついても回答は同じです。
方向を決めつけることが動作を遅らせます。
アクシデント的なことが起きたときほど、決めつけずにフラットな気持ちで身構え、いつも通りに上下の節目を超えるか、超えないかを見極めるというのが私のスタンスです。
現状の想定は、辞任報道と関係なく元々あったシナリオでありBOX上限で膠着するか、BOX下限を目指すというものになります。
その延長線上にBOX下離れの可能性もあると考えています。
テクニカル的に見たときに金曜日に、8月12日から13日の窓は終値で埋めたことや、8月20日の安値を髭ではありますが割り込んだことで、BOX下限を目指す環境にはなったと考えます。
現状分析
5日線
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まずは5日線ですが、火曜日の反発で上向きと変え週末の下げで下向きと変えてきました。
位置としては、金曜日大きな陰線で割り込み下で週末入りとなりました。
25日線
変わらず上向きを維持しています。位置に関しては、金曜日の下げで一時的に25日線を割り込みお盆前以来の25日線に触れる動きとなりました。
75日線
変わらず上向きで上への乖離を維持しています。
週末の足型としては、上下に髭を作っての大き目な陰線で下髭は長めとなっています。
トレンドライン
上は今週の火曜日の高値に関して6月9日と8月14日の高値を結んだ切上がりのラインと6月16日23日、7月15日の高値を結んだ切上がりのラインが抵抗線として機能したと考えます。
下に関しては、意識として3月19日と7月31日の安値を結んだ切上がりのラインが週末にサポートラインとして機能したように見受けます。
今後このラインを維持するか注目で、割り込むことで下げに勢いが出るポイントになる可能性が出てくると考えます。
テクニカル指標
一目均衡表
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雲の上限まで下げたところで切り替えした様子を見ると雲が意識されているように感じます。
今後、雲の上を維持するか見極めていきたいと思います。
ボリンジャーバンド
バンドが微妙に拡大を継続する中、今週+2σを上値抵抗線と見受ける値動きとなり下げた場面ではTPラインがサポートラインとして機能したように感じます。
スローストキャスト
では、2本のラインが下でゴールデンクロスした後上げ切らないでデットクロスとなりました。
今回の上げきらずのデットクロスで強さに陰りが出たのは明確と言えると考えます。
総合判断
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総合判断としては、BOXを維持しつつBOX下離れの可能性が浮上してきたと考えます。
下離れに関しては現時点では、強いという可能性が低くなったことを根拠とする判断になります。
週明けテクニカル的な下への雰囲気が継続するのか、弱さを排除するのかを見極めつつ、ファンダメンタル的な首相辞任発表によるマーケットの反応伺いの週となりそうです。
急激に弱気になる可能性もあるので俊敏に動ける準備はしていきましょう。(執筆者:城 晶子)