株主優待でもらえる金券は、JCBギフトカード、三菱UFJニコスギフトカードなどの「汎用性があり知名度の高い商品券」から、株式優待を発行する会社でのみ使えるマイナーなギフト券まで、多種多様に存在します。
株主優待品をもらっているとこれらの金券に混ざり、おこめ券という地味な名前の金券が混ざっている事があります。
その名前からお米のみと引き換えられる金券といった印象ですが、引き換えられるのはお米だけではありません。

目次
おこめ券とは
正式名称は「全国共通おこめ券」で全国米穀販売事業共済協同組合(以下「全米販」)が昭和58年から発行するお米の商品券で、「おこめ券」の愛称で親しまれています。

おこめ券はこれまで過去数回デザインのリニューアルと額面が改定されており、下記の価値のお米と引き換えられます。
・ 平成8年~平成19年発行のもの:額面540円分
券面には1kgとおこめ券らしく質量での記載ですが、これは目安表示で、詳しくは右下の数字を確認するか、裏面の注意事項欄に金額記載があるのでそちらを確認しましょう。

おこめ券は、全国のスーパー、デパートを始めドラックストアやお米屋さんでも使用できます。
一部取り扱いのない店舗や使用枚数の制限を設けている店舗もあるので、使用前に確認してみましょう。
またおこめ券は金券にしては珍しく、有効期限がない商品券です。
そういった意味では、もらう側も期限を気にする必要もなく、いつでもどこでも使いやすい金券といえます。
お米以外の商品にも引き換えられる
おこめ券は基本はお米との交換を前提とした商品券ですが、店舗によってはお米以外での使用も可能です。
1番わかりやすいのがドラッグストアで、お米購入時に合わせて他商品を購入することで、他商品へもおこめ券の利用が可能なケースがあります。
また一部のスーパーでも、食品購入時におこめ券の使用ができる店もあります。
最近はドラッグストアも薬や日用品だけでなく、お米をはじめ食品や飲料、雑貨品や化粧品なども取りそろえており、ワンストップで買い物ができるため、おこめ券を保有する株主にとっては利用の選択肢が広がりありがたいです。
詳しくはインターネット上でおこめ券取扱店舗検索が可能ですので、利用前に確認してみましょう。

おこめ券が株主優待品としてもらえる銘柄3選
便利なおこめ券が株主優待品としてもらえる銘柄を3つ紹介します。
株価、購入代金は2020年9月3日の終値より計算しました。
1. キムラユニティー【9368】
「キムラユニティー」は愛知県地盤の物流サービス事業を主軸とした会社です。
物流事業の中でトヨタグループの部品包装をメインに他カーリース、車両整備事業も行っています。
今期は新型コロナウイルスの影響で新車販売が滞っており減収、減益の予測となっていますが、今期を除く直近3年間は増収、増益で各期を終え、今期の会社予想も想定よりは減収幅が小さくなっています。
配当に関しては今期減益予想の中、前年と同じ額を維持する予定で配当利回りが3.5%、優待と合わせた総合利回り(配当+優待利回り)は5.1%と高利回りです。
※100株保有の場合の利回り
株価:1,073円
最低購入代金:100株 10万7,300円
権利確定月:3月末日、9月末日(年2回)
株主優待の内容
100株以上499株:おこめ券2kg分
500株以上999株:おこめ券3kg分
1,000株以上:おこめ券5kg分
【長期保有2年以上】
500株以上999株:5kg分
1,000株以上:7kg分
2. オーハシテクニカ【7628】
「オーハシテクニカ」は自動車部品をメインに情報通信関連部品などの設計・販売手掛ける独立系メーカーです。
新型コロナウイルスの影響で主力取引先メーカーの工場停止、生産調整の煽りを受け今期は大幅な減収、減益の予想となっています。
しかし4~6月の第一四半期の成績は前年と比較し減収、減益ながらも赤字とはならず同社事業の底堅さを感じます。
新車の販売・出荷台数も4月を底に回復傾向にあり同社を取り巻く環境は比較的明るいと思われます。
配当に関しては今期減益予想の中、前年と同じ額を維持する予定で配当利回りが3.6%、優待と合わせた総合利回り(配当+優待利回り)は4.3%となっています。
※100株保有の場合の利回り
株価:1,413円
最低購入代金:100株 14万1,300円
権利確定月:3月末日、9月末日(年2回)
株主優待の内容
100株以上999株:おこめ券1kg分
1,000株以上9,999株:おこめ券3kg分
1万株以上:おこめ券5kg分
長期保有特典として、3年以上保有の株主にはおこめ券をさらに1枚追加されます。
3. タカラレーベン【8897】
「タカラレーベン」は新築分譲マンション「レーベン」、「ネベル」シリーズを全国で展開している不動産総合デベロッパーです。
今期業績は新型コロナウイルスの影響もあり非開示となっています。
4~5月に低迷した首都圏のマンションの販売数も6月、7月と回復傾向にあり平均単価と単位面積当たりの価格も引き続き上昇傾向で、例年マンション販売がピークを迎える下半期の業績に注目したいところです。
優待の権利を得られるのが100株で3万円台と投資し易い金額となっています。
株価:347円
最低購入代金:100株 3万4,700円
権利確定月:3月末日(年1回)
株主優待の内容
100株以上499株:おこめ券1kg分
500株以上999株:おこめ券3kg分
1,000株以上:おこめ券5kg分
お米以外にも使える万能な金券
今回は筆者も一部保有するおこめ券銘柄3つを紹介しました。
この他にも株主優待品としておこめ券がもらえる銘柄はまだまだあります。
おこめ券は、日本人の主食のお米だけでなく、お米以外の品物にも引き換えできる有効期限のない万能な金券です。
家計の助けにもなり、育ちざかりの子供がいる家庭はきっと大助かりでしょう。
株主優待としておこめ券を配っている企業をぜひ調べてみてください。
株価、優待情報は2020年9月3日の情報を元に紹介しています。
優待情報に関しては今後変更になる可能性もありますので、投資の判断につきましてはご自身でご確認の上お願いします。(執筆者:株式投資で運用資産1億、セミリタイヤを実現 松安 たいき)