マネーリテラシーが必須と言われる時代、子どもの金融教育に悩む方は少なくありません。
貯金やお小遣い管理と違って、投資や経済は特に家庭内で教えるのが難しい分野です。
わが家でも小学生の子どもに金融教育をしようと、銀行主催の講座やボードゲームなどを検討しましたが、全く興味を持ってくれませんでした。
そこでわが家では、思い切って子どもにお小遣いで投資をさせることにしました。
今回は、筆者が実際に小学2年生の子どもに投資をさせて分かった、投資の実践教育における3つのメリットと、注意点をご紹介します。

目次
【メリット1】100円から資産運用を体験できる
投資というとお金が必要なイメージがありますが、ネット証券では100円から買える投資信託がいくつもあり、子どものお小遣いでも十分投資ができます。
お年玉を使って全世界の株に投資する投資信託を2,000円分買いました。
大人からすれば少額ですが、小学校低学年の子にとっては大金です。
貯金と違って価値が上下することが新鮮だったようで、始めた当初は特に値動きに一喜一憂していました。
資産運用や投資における「リスク」とは未来の価格の変動を示す言葉であり、元本割れする危険がある分だけ、上振れする可能性もあります。
これを子どもに言葉で説明するのは難しいです。
2,000円で体験から学べたことは、ボードゲームなどを買うより結果的にコスパが良かったと言えます。
【メリット2】外国の経済や通貨を意識するようになる
海外に投資をしていると、外国の経済や通貨を意識するようになります。
資産の値動きがダウなどの指数と連動し、さらに円の価値とも関係していることは、値動きを追ううちに子どもでも感覚的にわかります。
円高円安の意味は分かっていません。
しかし「1ドル100円が1ドル105円になると、自分の投資信託の値段も上がる」と、かなり大雑把にですが理解しています。
日本だけで暮らしている子どもが、外国の経済や外貨を意識する機会はめったにありません。
投資によって子どもが世界経済に興味を持ってくれたことは、大きなメリットでした。
【メリット3】不労所得を体験できる
お小遣いで投資をすると、働かずに得られるお金「不労所得」も簡単に子どもに体験させられます。
わが家では、3か月毎に投資信託の値段を確認して、元本から利益が出ている場合のみ、その利益分を売却してお小遣いとして渡す制度にしています。
投資額が小さいため、利益といっても微々たる額ですが、お手伝いせずにお金がもらえることが子どもには驚きのようです。
わが家のような一般家庭であっても、労働以外で所得を得る方法を子どものうちから教えられる点も、投資の実践教育の良い点です。

暴落時の方針は決めておくべき
メリットばかりの投資の実践教育ですが、暴落時にどうするかはあらかじめ話し合っておくことをおすすめします。
わが家はそこが不十分で、コロナショックの暴落で親子で慌ててしまいました。
暴落した時に取れる選択肢は「売る、買う、我慢する」しかないものの、最初から方針を決めて貫くのと、流れでそうするのとでは得られる経験値が違います。
暴落はリターンとリスクはセットだと学び、リスク管理の大切さを実感できる重要な機会です。
結果的に我慢を選びましたが、しっかり投資方針を決めておいた方が教育的にはよかったな、と反省しました。
体験が最高の勉強方法
お小遣いを投資しただけで、これだけのことが学べました。
使っているのは数千円ですので、コスパも最高ではないでしょうか。
日本では海外のように学校で金融教育をしませんが、子どもでも投資がしやすい環境は整っています。
大切なお金の勉強を、実践で教えることも検討してください。(執筆者:青井 千夏)