Go To Eatキャンペーン(以下Go To Eat)が始まり、株式市場ではGo To Eat関連銘柄の上昇が目立ち始めました。
Go To Eatキャンペーンについてはこちらの記事で解説しています。
目次
Go To Eatで株価が上昇した銘柄
株価上昇の筆頭銘柄は「ぐるなび(証券コード:2440)」です。
オンライン飲食予約サイト経由でGo To Eat対象店舗に予約後食事すると、飲食店はオンライン飲食予約サイトに手数料を払う仕組みです。
そのため、ぐるなび経由で予約が入れば入るほど売上があがるので、Go To Eatの本命銘柄だと言えます。
株価は8月の安値から2か月で2倍に上昇しました。

最もGo To Eatが逆風になる業種
Go To Eatが逆風になる業種・銘柄とは何でしょうか。
1. スーパーマーケット
その筆頭は、コロナで最も恩恵のあったスーパーマーケットでしょう。
コロナがはやり始めた2月以降の既存店月次売上は、多くのスーパーマーケットで前年比10%を超えるほど絶好調でした。要因は内食需要の増加です。
普段は外で飲んでから帰るお父さんも家で食べる機会が増えたのではないでしょうか。
Go To Eat開始後は外食をする方が増えるので、その分の内食需要の減少が予想されます。
最もスーパーマーケットを利用するファミリー世帯の利用回数が減ると月次売上は鈍化しやすいと言えます。
さらに、スーパーマーケット銘柄の好業績に対する株価の反応に変化が出ていることも気がかりです。
「USMH(証券コード:3222)」は、10月6日に2021年第2四半期の決算を発表しました。
内容は売上前年同期比+6.7%、営業利益前年同期比2.9倍と好決算でしたが、取引時間中に発表された後に株価は急落しました。

急落の要因には、売上、利益ともに第1四半期より伸び悩んだことが挙げられます。
同社の予想PERは22.3倍とたいして割高でないにも拘らず急落したため、今後出てくる他のスーパーマーケット銘柄の決算発表には要注意です。
よほどの好決算でないと株価は上がりにくいのかもしれません。
2. カラオケ
カラオケはGo To Eatの対象外であり、お客の増加は見込めないばかりか、コロナの影響で2次回利用も期待できません。
カラオケ大手の「第一興商(証券コード:7458)」「コシダカHD(証券コード:2157)」
総合アミューズメント施設の「ラウンドワン(証券コード:4680)」
はそろって株価が安値圏ですが、リバウンドを期待するのは厳しいことでしょう。

3. 家飲み関連
おつまみ大手の「なとり(証券コード:2922)」
キムチ等漬物大手の「ピックルス(証券コード:2925)」
は家飲み需要を取り込んで前回の決算は好業績を発表しましたが、Go To Eatで居酒屋を利用する方が増えれば需要は減ることでしょう。
両銘柄ともに高値圏で推移しているので、株価急落に注意が必要です。

Go To Eatで相場の流れが変わる
Go To Eatは期間限定の政策なので長期的な株価変動要因にはなりません。
しかし、Go To Eatをきっかけに飲食店にお客さんが戻り、キャンペーンが終了しても飲食店を利用するお客さんの増加は見込めるかもしれません。
どれだけGo To Eatが国民に浸透するのか、注目していく必要があると言えます。
株価や指標は10月7日の終値を参照しています。(執筆者:株式ディーラー歴10年 勝越 晴)