せどりの経験を積むと、頭の中には商品知識が蓄積され、検索する際に効率よくリサーチできるようになります。
ところが、頭の中で覚えていられる量には限界がありますし、仕入金額や売れた金額などの細かい数字は忘れてしまいますよね。
そこで、せどりで売れた商品は必ず商品名や金額などを記録して「リスト化」しておきましょう。
必要な情報を入力してリスト化して管理しておくことで仕入れの利用はもちろん、帳簿としても利用できるので経営管理や確定申告にも役立ちます。
目次
売れた物のリスト化とは
せどりとは店舗やネットで購入した商品に利ザヤを乗せて販売するビジネスのことで、副業の中では比較的手軽に始められます。
そのせどりにおいて1番重要なのが「仕入れ」です。
極端なことを言えば、
します。
しかし、当然のことながら、この仕入れが難しいです。
たとえば、筆者が副業におすすめしているリサイクルショップなどで仕入れる「中古せどり」は多くの場合、仕入れは「1回限り」です。
どんなに利益の取れる掘り出し物でも、1回仕入れて売ってしまったらもう仕入れられません。
したがって、毎日あちらこちらを回って新しい商品をリサーチする必要があり、中古せどりでは労力や作業時間のほとんどを、このリサーチに取られるといっても過言ではありません。
ところが、そうした1回限りの中古仕入れであっても、他の店舗やネットを見てみると同じ商品が見つかる可能性があります。
この商品を定期的に見つけるために必要になってくるのが過去の商品のデータ、つまりリストです。
記憶力に自信がある方は今まで売ったものすべてを頭の中に記憶させておいてもよいのですが、膨大な商品データを記憶しておくのは普通の方には無理ですよね。
商品リストデータがあれば、それを参考にリサーチできます。
中古仕入れはもちろん、新品仕入れのリサーチリストとしても使えます。
せどり商品リスト化のメリット

せどりで売れた商品をリスト化するメリットはたくさんあります。
2. 利益などの数字が計算しやすく今後の戦略に活かせる
3. 経営状況を把握できる
4. 古物営業法の取引記録として使える
5. リストそのものに価値がある
では、1つずつ解説していきます。
1. リピート仕入れをしやすくなる
先ほども触れましたが、リストがあると以前売ったものを再びリサーチする際に便利です。
仕入れて売ったらおしまいの中古品でも、市場にはコンディションは違うかもしれませんが同じ商品が出回っています。
リストに記録した商品を定期的に検索することで、以前売れた商品と同じものが簡単に見つかるかもしれません。
リストが多ければ多いほど仕入れやすくなります。
2. 利益などの数字が計算しやすく今後の販売戦略に活かせる
Excelに
・ 商品名や仕入れ値
・ 売れた価格
・ かかった送料 等
を記載しておけば、リストそのものが販売戦略に活かせるデータになります。
売れた物や売れていないもの、大きな利益の出た物や出ていないものが一目でわかるので、今後の仕入れの方針決めに役立ちます。
当然、売れた物や利益率の高いものは安心して仕入れられますし、売れていない物や利益の低いものは慎重に仕入れるようになります。
これを繰り返していくことで「売れやすいものを仕入れて、売れにくいものは仕入れない」という当たり前のことを無理なくできるようになります。
3. 経営状況を把握できる
副業レベルの場合、いわゆる「どんぶり勘定」でやっている方も多いのですが、それだと自分のビジネスのキャッシュフローや利益といった経営状況が見えません。
リストがあれば商品1つの利益はもちろん、その月の売上や利益、仕入れ総額といった全体の数字も視覚化できます。
つまり「経営がうまくいっているのかどうか」を正確に把握できるようになります。
「儲かっていない」「赤字になっている」ようであればやり方を変えたほうがよいと言えます。
4. 古物営業法の取引記録として使える
商品の仕入れを継続的に行って利益を出すためには、「古物商許可」を取得しなくてはいけません。
この古物商許可を取得すると「古物営業法」という法律によってさまざまな制約や義務が課されますが、その中の1つに「取引記録の記帳」というものがあります。
古物商許可の本来の趣旨は「盗品が市場に流通しないようにする」ことにあり、それを防止するために許可制にして古物営業法で取引記録の記帳を義務付けています。
・ 商品名及び数量
・ 商品の特徴
・ 取引相手の住所氏名職業と年齢
・ 本人確認した区分(免許証等)
売買した商品のこのような取引記録をつけなくてはなりません。
ただし、すべての取引に適用されるわけではなく、古物営業法に記載された特定の取引の場合のみ記帳の義務があります。
細かい内容なので今回は要約しますが、ざっくりと解説すると次のようなケースです。
【買取の場合】
・ 1万円以上の商品を買い取る場合はほぼすべて記帳が必要
・ 1万円以下でもバイクやCD・DVD・書籍・ゲームは記帳が必要
【売却の場合】
・ バイク、原付の取引は金額関係なくすべて記帳が必要
・ 1万円以上の時計・宝飾品・美術品や自動車を売った場合記帳が必要
盗品は買取時に紛れ込みやすいので、買取時の記帳ルールが厳しくなっています。
上記の取引に該当する商品を扱っている方は、商品リストにこれらの項目を足せばそのまま取引記録帳にもなるので便利です。
5. リストそのものに価値がある
最後はリストそのものの価値です。
これはせどりで利益を得るための価値のあるデータという意味ではなく、リスト自体にも金銭的な価値があるということです。
たとえば、リストがある程度の量になったらココナラなどで売却できます。

せどりをやっている人、またやってみたい人にとって「仕入れリスト」はお金を出してでも手に入れたい貴重なデータであるため、内容と量次第では高く売れます。
1,000円、5,000円でも10人、100人に販売することでまとまった利益になります。
しかも、売るために作ったデータではなく、自分のビジネス用に利用していたデータがそのまま売れるという点で元手や労力はほぼゼロです。
ただし、売った後にはそのリストで活動するライバルが増えるという点に注意しましょう。
また、リストを売る際には、古物営業法の取引記録といった第3者の個人情報が書かれた項目を必ず全部消してから渡すようにしましょう。
あくまでも売るのは商品名と仕入れ値、販売金額だけです。
商品リストの売却に違法性はありませんが、個人情報を載せたまま流出させてしまえば違法です。
せどり商品リスト化のデメリット
リスト化のデメリットは1つだけで、作成・入力・管理が面倒だという点です。
まずフォーマットを作るのが若干面倒ですし、作った後に毎日入力していく作業が特に面倒です。
毎日か、少なくとも数日に1回は入力しないと忘れてしまって正確に入力できません。
しかし、古物商許可を得て取引する以上は「取引記録」を記載するのは義務ですし、確定申告などもデータがあると便利です。
つまり「やらなくてはならないこと」に少し項目をプラスして入力するだけです。
やるべきことをやったうえに財産にもなるわけですので、「面倒」は特に大きなデメリットではないかもしれません。
せどり商品リスト化に必要な項目
では、実際にリスト化に必要な項目を確認していきましょう。
今回は筆者が使っているフォーマットを紹介しますが、フォーマットに決まった書式はありません。
紹介する項目や書式に自分なりのアレンジを加えて作ってみてください。

筆者はエクセルでこのようなフォーマットを使ってリスト化しています。
記載項目は次の通りです。
・ 仕入れた日
・ 商品名
・ 仕入れ代金
・ 売れた日
・ 販売価格
・ 手数料
・ 送料(こちら負担の場合)
・ 差益(販売価格―手数料―送料―仕入れ代の自動計算)
・ 振込額(売上金)
・ 取引番号
・ 取引相手の氏名
・ 取引相手の住所
・ 取引相手の電話番号
・ 取引相手の職業
・ 取引相手の身元確認方法
項目が多くて管理が面倒ですが、これだけの区分があるといろいろな用途に使えて便利です。
普段利用しているのがAmazonなのかヤフオク!なのかメルカリなのかによっても多少項目が変わってきますし、人によっても変わってくると思うのであくまでも参考にご覧ください。
差益(販売価格から各種経費を引いたもの)や仕入れ合計額、販売合計額などは関数で自動計算できるようにしてあります。
簡単な式ですが、関数が分からない、もしくは苦手な方はエクセルに詳しい方にお願いすればおそらく数分で作ってもらえます。
リストのフォーマットができたら仕入れた商品や売れた商品を全部記入していきます。
この積み重ねでリストが完成していきます。
商品リストの活用方法
先ほどのデータを毎回記入してある程度の商品データが溜まってきたら、リストにある商品の名前を端からネットで検索してみましょう。
商品名をそのまま検索してもよいですし、ブランド名・メーカー名だけを打ち込んですべての商品を確認しても構いません。

今回はリストの中から、筆者が昔1万円で販売したブランドを拾い出して楽天で検索したところ、程度の良い中古商品が6,571円で売られていました。

メルカリを見てみると、現在も8,000円~1万1,000円前後で取引されているようです。
楽天のポイント還元イベント時に購入して、9,000円くらいで売れれば利益が取れますね。
このように、過去に売れた商品をリスト化しておいて時間がたったころで再度検索してみると、同じものが見つかることがあります。
筆者も仕入れるものが見つからないときには過去のデータを引っ張り出して、端からリサーチすることで仕入れを途切れさせることなく安定して販売をしています。
毎日、ちょっとした手間をかけてデータを作ることで、それがやがて大きな利益を生んでくれます。
仕入れと経営に使えるせどり商品のリスト化は必ずやっておく
せどりは「リサーチして仕入れて売る」という毎日同じことの繰り返しであるため、各作業時間の効率化が重要になってきます。
特に時間のかかるリサーチは過去に売れたものを記録したリストを作っておき、効率的に同じ商品を仕入れられるようにしておきましょう。
商品リストはリサーチ時間や経営分析を効率化するだけではなく、古物商の取引記録としても使えます。
せどりで重要な仕入れ力の強化に役立つのが商品リストです。しっかりと稼ぎたい方は必ず記録しておきましょう。(執筆者:せどりや投資も行うマルチな事業主 菊池 貴弘)